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初対面でも一瞬で惹きつける「オンリーワン・キャッチコピー」の作り方

 コンサルタントの「刺さる名刺」の構成要素の中で最も重要なのは、初対面の相手を一瞬で惹きつけるオンリーワン・キャッチコピーです。

 先にお伝えしたように、コンサルタントの名刺と会社法人の名刺とでは盛り込むべき要素や構成がまったく異なります。会社の名刺とは異なり、コンサルタントの名刺は自分を相手に強く印象づけなくてはならないからです。

 全米で150万部のベストセラーとなった「アイデアのちから」(チップ・ハース+ダン・ハース著 日経BP社)という本があります。この中で、相手の記憶に焼き付くための「アイデアの6つの法則」というものが書かれています。これは刺さる名刺のキャッチコピーを考える際のとても良いポイントになります。1つひとつみていきましょう。


・法則1:単純明快である

 この単純明快であることの究極のお手本は、「自分がしてもらいたいことを他人にせよ」という聖書の言葉であるといっています。
 これを名刺のキャッチコピーに置き換えれば、自分の想定顧客である経営者の立場になって考えてみるということです。想定顧客となるような企業経営者は、あなたにどんなことをしてもらいたいと思っているのでしょうか? 相手のベネフィットを第1に考えるということがポイントです。


・法則2:意外性がある

 相手に関心を持ってもらうためには「予想を裏切る必要がある」と述べています。当たり前のことをキャッチコピーをにしても、誰も関心を持ってはくれないのです。
 当然ですが、相手の予想を裏切るには「表現」を工夫する必要があるのです。同じことを伝えるにしても、わざと逆説的に表現したり、真逆のことをいったりすることも予想を裏切る言い方になります。

  (例)・「〇〇〇料金」払いすぎていませんか? 「〇〇〇料金」は現在の半分になります。
    ・「集客」は必要ありません。顧客はたった4人で十分なのです。

 つまり、意外性がオリジナリティを生むのです。意外性が価値になるのです。自分の専門分野でそのような表現が可能かどうかを考えてみてください。


・法則3:具体的である

 人間の脳は具体的なデータを記憶するようにできているといいます。曖昧で抽象的な表現では刺さらないのです。キャッチコピーの中に具体的な数字や実績を盛り込むことができないか、考えてみてください。


・法則4:信頼性がある

 相手にアイデアを認めてもらうには、信頼性が無くてはならないといいます。また、そのためにはアイデアを相手に検証してもらう必要が出てくるとも述べています。
その好事例として、1980年の米国大統領選挙でのロナルド・レーガンとジミー・カーターの討論を挙げています。

レーガンは経済の停滞ぶりを、一般の国民にはピンとこない経済データで示すのではなく、一言「投票する前に、あなたの暮らしが4年前より良くなったかどうか自問してください」と述べたといいます。

つまり、この問いかけによって国民の一人ひとりが自分の生活が4年前より苦しくなっていることを再認識したのです。このことが「レーガンの言っていることは正しい」と多くの国民に思わせたということです。
このような言い回しができるかどうか、どう表現すれば可能なのかを一度考えてみてください。


法則5:感情に訴える

 相手の共感を呼ぶには、感情を掻き立てることが必要だといいます。
 そして、例えば「人は貧困地域全体よりも恵まれない1人に寄付をしたがる」という傾向があるように、人間は抽象的なものではなく、具体的な人間に何かを感じるのだといっています。

 それと同じで、企業経営者全員の感情を考えるのではなく、想定企業の経営者1人ひとりの、どの部分の感情に訴えれば刺さっていくのか、を考えてみてください。
 経営者交流会などにご参加されて、実際に経営者の方とお話している中で、刺さる文言を探索するという方法もあります。


法則6:物語性

 アイデア通りに相手に行動してもらうには、物語を伝えることだといいます。その例として、消防士は仲間に体験談を話すことにより、危険な状況や適切な処置法のシミュレーションを仲間に行わせているそうです。
 
 キャッチコピーを見た相手に対して、そこから始まる物語を伝えていくことができれば、相手にアイデア通りの行動を取ってもらうことが可能になるからです。

 いかがですか?

 これらの6つの法則を参考にされて、名刺の刺さるキャッチコピーを考えてみましょう。


 コンサルタントになると、さまざまな場で名刺交換をすることになります。セミナー会場ではもちろんのこと、経営者交流会、異業種ビジネス交流会等です。そのような場では、必ず数十人の方と名刺交換をすることになるものです。


 名刺交換をして自己紹介をする時間というのは、だいたい1人あたり5~10分前後です。1人の参加者と長い時間話していると、ほかの方と名刺を交換する時間がなくなるからです。


 多くの交流会では、名刺交換の時間は60分~90分くらいと限られています。参加者の多くの方が、できるだけたくさんの人と名刺交換をしたいと考えています。
従って、参加者の1人おともっと話したいと思う場合には、別途連絡を取って場を改めたほうがよいでしょう。


そのような名刺交換の場で、「自分は何者で、何が得意なのか」を一瞬で相手に知ってもらうために刺さるキャッチコピーは不可欠なのです。

私自身も多くの経営者交流会で名刺交換をさせていただいておりますが、相手の社長にいかにわかりやすく自分を伝えるか、覚えていただくかが極めて重要なポイントになると常々感じています。

その際、名刺の一番上の目立つ位置に、オンリーワンのキャッチコピーがあれば、必ず注目してくれます。キャッチコピーにはいくらエネルギーを注いでもよいのです。

 この際、是非、ご自分のキャッチコピーを考えてみられてください。

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