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小豆島在住。地域からでる残飯や野菜くず、魚のアラなどを廃材を燃料に窯で炊いたスープと、…

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小豆島在住。地域からでる残飯や野菜くず、魚のアラなどを廃材を燃料に窯で炊いたスープと、オカラと米ぬかを混ぜたエサを与え、耕作放棄された雑木林をソーラー発電の電気柵で囲ってブタを飼っています。https://www.facebook.com/suzukinohen

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Just do it!

◍ 春親ブタにとっても子ブタにとっても気持ちのいい春、出産の季節です。県畜産試験場生まれの茶色(デュロック種)のお母さんブタは4回目の出産。出産の兆候が分からず、カラスに赤ちゃんを全部食べられたこともあったりで、子育ては2回目。おデブだからなのか、出産のときに赤ちゃんブタを敷きつぶして3匹育てています。 我が家で生まれ育った茶黒のお母さんは、前回も11匹育て、今回も1匹も敷きつぶさずに出産を終えました。2~3ヵ月の子育ての間に子ブタたちにおっぱいを飲み絞られ、シュッとしたス

    • 自分のゴールを意識し続ける

      ◍ 三寒四温で、島でも今年の春分の日は、霙が降るくらい寒かったのですが、県畜産試験場から子ブタのときにやってきた寒さが苦手なブタたちが、雨でも、外を平気で動き回っているのをみると、(大きくなって体力がついたのもあるけど)春が始まったのだなと感じます。我が家の花壇のミックスチューリップは、なぜかピンクのチューリップだけ蕾が膨らんでいて、植物によっても「春」の体感性はいろいろなようです。 この冬は暖冬だったのか、スズメたちは活発で、ブタの餌を作っている夫が現場を離れると、餌箱に

      • 株と地球の法則

        ◍ 冬はいつも雨が少ないのですが、この冬は本当に雨が少なかったようで、大きなため池の淵の底が数ヵ月の間見えていましたが、最近の雨でようやく底が隠れました。農業のため池の水が少ないということは、生活用のダムの水も少ないということだと心配していました。 日本では、水を大切に使っているといっても、雨季にしか雨が降らない西アフリカのセネガルより、よっぱど贅沢な使い方で、セネガルでは15℃を切る12月(冬という季節の分類はありません)でも、バケツに1杯の常温の水で頭から体全体を洗いま

        • 「人間の幸せ」とAIとの線引き

          ◍ 春には毎年、しとしとと降る長雨があるけど、今年は1ヵ月ほど早いような体感があります。しとしとと降った雨は土の表面を流れ下るのではなく、土が雨水をたっぷりと含みます。たしか、雨の少ないイスラエルの農業は水を効率よく農作物に吸収してもらえる…しとしと雨のような「点滴潅水」だとか。 小豆島のような山と海の間隔が狭い島では、海側の平坦地に街を作り、水が一年を通して多い川の近くに、田んぼを。山側、街の上流の比較的傾斜の少ないところは畑として今も使われています。 ブタの放牧場も、

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          進化の足跡と生きものの成長

          ◍ 久しぶりに雨がしとしと降り、土がしっかり湿りました。農業にのっては恵みの雨ですが、放牧場はぬかるんで、田んぼのようになっているところもあります。大丈夫だなと、餌を持って足を踏み入れると抜けない。ブタは餌を待ちきれず、持っている容器に鼻を突っ込んでくる。重いものを持った状態で足をぬかるみから引っこ抜くって大変です。 少しでもブタたちが渇いたところで休めるように。餌を土と混ぜないで食べられるように。そして、私たちが餌をスムーズに運べるように…草以外にも、粗い廃材チップ(伐採

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          上手く力をぬく

          ◍ 島にも久しぶりに雪が降るような寒さがやってきました。1年前の冬は、寒さで畜産試験場からやってきた子ブタたちの免疫力が下がり、寄生虫が体内で増えたことによる下痢・おう吐で死んでしまったブタがいました。この冬は、寒さに弱い子ブタの時期を暖かく過ごすことができて、また、タンパク質とカロリー高めを心がけた餌やりのおかげか、寄生虫で死ぬブタはでていません。 暖かかったデメリットもあって、ブタの皮膚を食べるアブが10月まで活動し、できた傷口から、ミカンの色づく季節に越冬のためやって

          上手く力をぬく

          『食べる』でつながりを意識

          ◍ 黒豚のベテランお母さんが出産しました。餌を持って行っても出てこないので、小屋をのぞいてみると、お父さんブタから受け継いだ白色の子ブタが4匹。ただ、ブタがネットの外の放牧場を行き来できるように通り道だけ開けていたところからカラスが侵入したようで尻尾が根元までありませんでした。すぐにネットで完全に囲いました。 出産の最後に出てくる胎盤が見当たらないので、出産がまだ終わっていないのか、カラスに食べられてしまったのか…と翌朝のぞいてみても、やはり胎盤はありません。昨日持って行っ

          『食べる』でつながりを意識

          2023年12月 小さな杜のようす

          ◍ 秋は朝陽や夕陽で空が赤や薄紫など暖かな色に染まるマジックアワーについつい手が止まってしまい、空を眺めます。瀬戸内の穏やかな水面を太陽が照らしキラキラ輝く海を見かけると、軽トラを道の端に停めて味わいたくなります。夜が長くなり、寒く厳しい季節にはとくに、自然の美しさから、癒しや地球につつまれているような一体感を感じます。自分自身も含めて、今を生きる地球の生きものが本来あるべき姿で在れるように祈ります。 ◍ 陽が暮れるのが早くなり、5時過ぎになると山の谷間にある放牧場は暗くな

          2023年12月 小さな杜のようす

          未来を生き抜くスキル

          ◍ 昨年から母ブタが足りなくて、県畜産試験場から何度か子ブタを分けてもらいました。まだまだ暑い秋の始めに連れてきた子ブタは22匹。私たちの放牧場にはブタの体内と土壌を行き来する寄生虫がいて、わが家で生まれた子ブタたちは、お母さんブタと寄生虫の影響を受けやすい2・3ヵ月を過ごすので、どうにか下痢や食欲不振になりにくいのですが、過保護な他所から連れてきた子ブタは来て1ヵ月くらいを過ぎると、下痢から食欲不振、血便…と死んでしまうことがあります。 日中元気だった子ブタ1匹が夕方に動

          未来を生き抜くスキル

          身近にあるものでハッピー

          ◍ まだまだ日中は半そでで作業する日が続いていて、「いつもの年のこの時期はどうだったかな?」と思い出せなくなっている自分がいます。ようやく山も紅葉が進んでいるような…赤や黄色に混ざって、どんぐりなどの落葉樹の茶色が目立っているのが気になるところ。 ◍ ブタに食べきれない・売れそうにない野菜や果物、収穫の際にでるくず野菜・芋のツルなどをいただく際、農家さんと世間話をします。この夏の酷暑の影響か、サツマイモはあまり実っていないし、果物は大きくならなかったり実らなかったり虫にたく

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          再生

          本気であそべ! 手作りの車

          放牧場に集まってくる廃材(ブタの餌を炊くため)を使って、子どもたちが工作。 はじめはブレーキなしで、コンテナにクラッシュ!ブレーキを付けて・・・

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          2023年10月

          ◍ 新型コロナウイルスの感染拡大防止のためできていなかった島の各地の秋祭りが数年ぶりに開催!お祭り本番だけでなく、準備から片づけまで、多くの人がかかわることで、地域のつながりが深まる機会になりました。文化としての維持も大切ですが、人と人の結びつきを深める社会性の観点からも守っていかなければいけない行事だと感じます。 ◍ この秋に初めて出産した茶黒のお母さんの子どもたちは11匹。1匹だけ他の子ブタよりひと回り小さな子がいます。他の子ブタが肉も付き始め丸々した体形なのに、その子

          わたしのなかのハチドリの希望

          ◍ 今年も島ではオリーブの季節。猫の手も借りたいこの時期、オリーブ農家さんだけでは収穫が間に合わないので、お手伝いに来ている人たちがいて活気があります。 ◍ 夫が腰痛で座るのも辛く、餌を炊いて、群れごとに用意だけしてくれた数週間(今は快復)、いつもの作業をすると草あつめが夜になってしまうこともあり、暑い季節だったので「逆に涼しくて作業しやすいかも」と思っていましたが、働きすぎて疲れが溜まったようで、2・3時間の睡眠でお肉のカットをしている日に動けなくなりました。 奪ったブ

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          豚熱の最近

          ◍ 空も柔らかい雲が増えてきて、季節は秋に近づいているのを感じます。柿やオリーブの実も膨らみ、だんだん重さで枝がしなってきました。 ◍ 我が家で生まれた茶色に黒ぶちのブタが初めて出産しました。産むまではあまり人間を信頼していないブタだったのですが、子育てを始めて、私たちに(近寄りすぎて鼻水まじりの鼻息がかかるし、電気柵が見えなくてビリッと感電するくらい)一生懸命話しかけてくれるようになり、近づいても逃げたりビクビクしない変化。これから彼女の子ブタたちともいい関係を育んでいけ

          豚熱の最近

          勘をみがく & 自分が自分にとって信頼できるか

          ◍ 陽が暮れるのが早くなり、夜の涼しい日がでてきて身体を休めることができます。少し涼しくなるだけで、ブタの水の飲み具合まで違ってきます。本当にのどが渇いていると、餌も食べずに残します。大事な餌の途中に、水入れに水がないか確認に来たりします。人間のように、ほしいものを教えてくれないので、彼らが発する言葉にならない態度や体調を感じることを意識しています。 ◍ 今年の夏休みは観光客の姿を多く見かけました。ただ台風のときは、来島をキャンセルされたのか、ホテルにこもっているのか、島民

          勘をみがく & 自分が自分にとって信頼できるか

          長く続けることを意識

          ◍ 雨が降らない日が続いたので、土が乾燥しすぎて、歩くだけで土がサラサラにほぐれて、まるで砂の道を歩いているような山の放牧場でしたが、遠くを通過していった台風が雨を少しだけ運んでくれて、少し落ち着きました。(大雨だったら、サラサラになった土が流れていったでしょうね) そんな過酷な季節に収穫を迎えた枝豆やブドウをいただいたのですが、実が十分に詰まっていないものもあり、こんな異常な天候のなかで、農作物を作っている農家さんのご苦労やリスクを思うと、食べられるだけで本当に有難いこと

          長く続けることを意識