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ソニック・ザ・ムービー

日本のIPのハリウッド映画化は長い間、呪われたような企画が多かったと思います。
実写化の話だけはむかーしからあるのに、なんか忘れ去られた感じのルパン三世・宇宙戦艦ヤマト・寄生獣…他多数。
タイカ・ワイティティ監督で撮影開始!の報道まであったのに、撮影隊が解散されて仕切り直しになってるAKIRA。
なんとか映像化にこぎつけたものの興収や評価が低かった「ゴースト・イン・ザ・シェル」「パワーレンジャー」ついでにシリーズだけど「デスノート」。
最初から嫌な予感しかなくて、あらゆる意味で予感が見事に的中した「47Ronin」。
ほぼ唯一の成功例はビデオゲーム原作の「名探偵ピカチュウ」で、ソニックのハリウッド映画化も同じ展開になるか?というのが興味深いところでした。で、ソニックは見事に成功した事例の仲間入りになりました。ひょっとして、それ以上の何かになったかもしれません。

最近の傾向は分からないんですが、プラットフォーム・ゲームの場合、日本ではロールプレイング・ゲームが人気で欧米ではシューティング・ゲームが人気です。結果、シューティング系ゲームのソニックは、日本だとみんなが知ってるキャラなんですが、欧米だとみんなが大好きなキャラ。

どれくらい人気かというと、10年以上前ですがノルウェーの子供が「自分の名前をソニックXに変えたいです!」と王様にお手紙を書いて、王様から「18歳になったら考えようね」とお返事をもらったくらい。(ソニックXは当時のTVシリーズタイトル)
…ということもあって、映画の舞台はノルウェーです!


まあ、アメリカの田舎町が舞台なのに、白人警官と黒人インテリ女性のカップルのキャラがメインとか、ジョージ・フロイド事件とその後の暴動を経た今となってはシャレにならないファンタジー設定ともいえるんです。

それでもこの映画を楽しいエンタテインメントとして成立させているのは、久々に生き生きと演じているドクター・ロボトニック/エッグマンのジム・キャリー。うつを患ったこともあってか2010年代には目立った活躍のなかったジム・キャリーが、完全復活しています。
そんな彼の復活すら、ずーっとなにか変なスイッチのはいっていた感じのアメリカという国そのものが、これから復活するんじゃないかという希望を読み取ることができるような気持ちなりました。全米1位も記録して既に続編の製作も決定済みとのことで、いろいろ感慨深いものがありましたけれども。
(ジム・キャリーは半分カナダ人だけどな)