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GAFAの前に松下幸之助に学ぶ

新年にこそやっておきたい思考の整理、それは「時代に合わせるもの」と「時代に振り回されてはいけないもの」に仕分けをすることです。 

いまや時代は5G、AI、IOTなどで大激変期を迎えています。むろんビジネスの観点から言えば、時代のニーズに適合しつつ半歩先くらいのバリュー提案をしていく必要があります。だからこそ、少なくともGAFAの動きは洞察対照としてまだ目が離せないことでしょう。 

一方で、気をつけなければならないことがあります。それは、時代が激変してもゆるぎなく変わらない普遍的なものは何なのか。時代が変わっても振り回されてはいけないものは何なのか。ここを見極めていかなければ、メディアが流し続ける情報やライバル企業の動向に一喜一憂し、自分(自社)らしさを欠如してしまいます。こうなってしまっては本末転倒ですよね。

そこで、冒頭の思考の整理(仕分け作業)を新年のタイミングだからこそ、やっておきたいものです。

時代に適合していくことは、大量インプットさえすれば何とかなるものです。ところが、普遍的なものを再確認する作業は、いったん忙しい日々から抜け出し、自己との内省、振り返りをする必要があります。

普遍的なものの再確認は、よほど信念や軸が固まっていない限り、すぐに答えが出ないことでしょう。人間はすぐに答えが出ないことは面倒で脳に負荷がかかるので避ける傾向にあります。だからこそ、軽視しがちになってしまうのです。

そこで、僕は分かりやすいたとえ話として、「GAFAを追わずに松下幸之助を追え!」という考え方を持っています。

松下幸之助さんといえば、言わずと知れた松下電器産業(現パナソニック)の創業者です。単に経営手法が上手なだけではなく、「水道哲学」という独自の哲学と単なる経営にとどまらずに人間としてのあり方を研究して「PHP」という思想にまで昇華した”経営の神様”です。

水道哲学とは、まだ日本が貧しい時代に、水道の水のように低価格で良質なものを大量供給することにより、物価を低廉にし消費者の手に容易に行き渡るようにしようという思想(経営哲学)である。
PHPとは、Peace and Happiness through Prosperity (繁栄によって平和と幸福を)という英語の頭文字をとったものです。大正7年に松下電器(現パナソニック)を創業以来、27年間にわたり社長としてその経営に打ち込んできた松下幸之助は、戦後のそうした混乱、混迷の中で次のように考えたのです。「自然界に生きる鳥や獣は山野を嬉々として飛びまわっている。それなのに、万物の霊長といわれるわれわれ人間が、なぜこれほど不幸に悩み、貧困に苦しまなければならないのか、これが人間本来の姿なのだろうか。いや、決してそうではあるまい。人間はもっともっと物心ともに豊かな繁栄のうちに、平和で幸福に生きることができるはずだ。現に人間だけが、太古の昔から今日に至る間に、精神的にも物質的にも驚くほどの進歩発展をなし遂げてきている。だから、必ずどこかに、繁栄、平和、幸福につながる道があるはずだ。それをなんとかして求めてみたい。」(PHP研究所のサイトより)

話を戻しましょう。

僕は、松下幸之助さんのようにビジネスとして何が正しいのかだけではなく、人として何が正しいのかを追求する心こそ、時代が激変しても変えてはいけないものだと考えています。

大激変の時代には、環境の変化についていくだけでも大変ですので、ビジネス的視点が中心となると盲目的に陥ることもあるでしょう。しかしながら、そういうときだからこそ、人としての「あり方」の再確認をしておかなければ自分らしさを失ってしまうリスクがあると思うのです。

かといって、どうすれば「人としてのあり方」を再確認できるのか。僕は松下幸之助さんの哲学が濃密に凝縮された書籍である『道をひらく』をお勧めします。

同書は戦後の大ベストセラー(500万部以上の販売)となりましたが、人としてのあり方を再確認するための”バイブル”としてはうってつけの本です。

自己啓発メッセージがあふれている現代にあっては、特別目新しい内容はありません。しかしながら、人生に必要なエッセンスを短い章で複数おまとめしてくれていますので、そのときの気分や状況にあわせ、かいつまんで読むだけでも気づきと勇気をたくさんもらえるのです。もちろん、人としてのあり方を再確認できます。

あなたには、時代が変わっても変えてはいけない普遍的な「人としてのあり方」を再確認するためのバイブルがありますか?

僕自身の人生バイブルは以下に投稿したこともありますよ。

思考の整理の際は、ただ頭の中で考え込むだけではなく、書籍のようなツールを用いて整理をしやすくすることもひとつの手段ではないでしょうか。

以下のサイトも参考までにお目通しくださいね。感想文から実際の幸之助さんの言葉までリンクされております。

※もちろん、本投稿はGAFA否定の話ではまったくありません。あくまでもメタファーとしてのGAFAをモチーフにしただけです。

さて、そろそろ結論にいきましょうか。

再度言いますが、時代に合わせていくものと、時代が変わっても普遍的なものは何かを仕分けをしてみること。ビジネスのやり方の前に、人としてのあり方、つまり原点の確認をしておくことが、2020年最強の思考の整理技術につながると信じています。

何かの参考になれば幸いです。

著者・思考の整理家 鈴木 進介

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