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正しい在宅ワークの行い方とは?

今、コロナウイルスの影響で仕事や外出は自粛し、在宅ワーク中心の生活を送っている人が多くいると思います。

ところが、在宅ワークに不慣れな人が実際にやってみると、数々の課題が出てきます。

Zoomを使って本当にうまく意思疎通ができるだろうか?家ではテレビ会議中に子供の泣き声が邪魔をしないだろうか?人と直接接してないので孤独感を感じないだろうか?座りっぱなしで腰が痛くなり運動不足に陥らないだろうか?

様々な課題を感じると思いますが、一番の課題点は、規律正しい生活を送ることが難しくなる点にあるのではないでしょうか?少なくとも僕自身はここに苦心してきました。

今回は、規律正しく一定の緊張感を持って、在宅ワークをする上でのワンポイントアドバイスを整理しておきたいと思います。

1.僕の在宅ワーク歴

僕自身は、フリーランスでコンサルや研修講師をもう長らく仕事にしています。株式会社にしていますが、今は「ひとり社長」というわけです。

固定事務所を持ち社員がいる時期もありましたし、レンタルオフィスやバーチャルオフィスなど数々の事務所形式を経験してきました。最近は、在宅ワークを起点に直行直帰するスタイルもコロナ前から増えてきたとうのが実情です。

かれこれ直近10年ほどは、在宅ワークが半分を占める働き方です。

意志が弱く、必ずしも規律心や継続力に劣る自分としては、誰にも監視されず、怒られず、制約条件が少ない中で緊張感と規律心、さらに集中力を維持することは至難の業でした。

そこで、意志に頼らずいかに効果的な在宅ワークを行うかを考えてきました。一つ見つけた方向性は、ルーチンを決めて、淡々とこなしていくこと。それができたかどうかの簡易チェックを毎日振り返りで実施すること。この方法論でした。

※ルーチン例)
・朝は6:30に起床
・朝食後30分間読書
・todoリストよりベスト3をピックアップ
・企画書、執筆など頭を使う仕事を午前中に
・昼食後、1時間は散歩
・散歩後20分昼寝
・15時頃より資料作成、TV会議など
・18時に筋トレ
・夕食後は読書など

在宅ワークの際は、朝と夕方に仕事を集中させ、昼間は運動と仮眠という構成にしました。事務所通いする方は、運動と仮眠をとることは容易ではないことでしょう。

自分なりにルーチンは固まってきましたが、もっと良い方法があるのでは?と思い、参考になった本が2冊あったので今回はご紹介したいと思います。

2.天才たちの日課

この本はとてもマニアックです。天才と呼ばれる偉人たちが、毎日どのようなスケジュールで生活し、偉業を成し遂げたのか。その概略を短編集のように淡々と説明をしているだけの本です。

モーツァルト、マルクス、ユング、ヘミングウェイ、村上春樹、アインシュタイン、ゲーテ、サルトル、デイヴィッドリンチ、ニコラテスラ、ゲーテ、ダーウィン、トルストイ、アンディウォーホル、スティーブンキング他

作家や詩人、哲学者など思索にふけるタイプの人物が多いですが、実に人間味があって面白く参考になります。

みな、執筆の苦しみ、創作の苦しみ、煩雑な事務処理の面倒さ、「明日やろう」という先延ばしの誘惑との葛藤、家人が部屋に入ってくるときのイライラ、雑音に対しての過敏反応、人からの誘い、突然の電話音など・・・

数々のノイズを乗り越え、いかに自分の”在宅ワークスタイル”を確立していったのかのエピソードが満載です。

詳しくはネタバレになるため同書に譲るとして、偉人たちに共通していることが大きく分けて4つほどありました。

・散歩
・昼寝
・ノイズのシャットダウン
・短時間集中

クリエイティブな職種の人とそれ以外では、多少要素が変わってくるかもしれません。あくまでもクリエイティブな偉人という点でこの要素を見てくださいね。

同書で挙げられた偉人たちは皆、基本的に在宅ワークです。

別荘の人もいますが、基本は部屋にこもってのスタイルです。まだPCもネットもTV会議もない時代の人が多く紹介されています。

散歩に関しては、運動不足解消もありますが、歩いている時に頭が活性化されて、よいひらめきが生まれるようです。

昼寝は、15分ほど仮眠取るレベルであれば脳にも効果的という話が現代では通説です。偉人たちは、そういう医学的な見地や脳を活性化するというより、単に眠い時は無理しない。そんな自然体な気持ちでいるようでした。

頑張ったからといって創作物ができるわけではないという職業柄の問題もあるでしょう。しかし、眠い時は寝るというスタンスが、逆に長年、仕事に集中できる習慣化(継続力)のコツになっているようです。

ノイズのシャットダウンは一般的な家庭では容易ではないかもしれません。

「仕事が終わるまで俺の部屋に入ってくるな!」というノリです。雑用は使用人(家政婦)がやるべき!集中するときは子どもであっても声をかけるな!ここまで強権的にできるか実現性は微妙です。(むしろ家庭内でもめますのでオススメはしません)

しかし、僕たちもノイズがカットできる時間や場所、方法論は何パターンか仮説検証してみる価値はあるのではないでしょうか?

また、受験生のように1日中仕事をするのではなく、自分が集中できる時間を見極め、調子が良い時間に一番大切な仕事を割り当てているようです。いきなり無理して長時間頑張っても、しょせん集中力は継続できない。そんな割り切りが、一層の集中力につながるようです。

さて、同書から読み取れる大切なポイントですが、それは「日常生活をパターン化」しているという点です。

破天荒な日常生活の偉人も確かにいます。(昼夜を問わず大酒を浴びながら執筆して他人にも迷惑をかけるようなタイプ)しかし、一見すると破天荒であっても、毎日同じパターンのため、本人たちは規律正しく潜在能力を解き放つうえで大切なスタイルだったのかもしれません。

というわけで、僕自身は「散歩」と「昼寝」、「短時間集中」の3つが自分と合致しているので、在宅スタイルの確立に自信が持てました。

3.ピックスリー シンプルな法則

続いて、「PICK THREE」というコンセプトです。直訳すると、「3つを選ぶ」という意味ですね。すなわち、毎日、自分が重点を置くべき生活のテーマを3つだけ厳選して、そこだけに集中しよう!というコンセプトです。

どうも僕たちは、「ワークライフバランス」という言葉が出てきてから、”バランス”をとることが良いこと、いやバランスが取れなければ自分はデキない人間だという刷り込みがなされたようです。

しかし、振り返ってみてください。

たとえば、todoリストで10項目のタスクを書き出したとして、毎日パーフェクトに達成をできていますか?仮に仕事面では達成できたとしても、趣味は?友人関係は?家族は?睡眠は?となると、バランスがとれていない日々がほとんどではないでしょうか?

そこで、同書では、アンバランスになってもいい、全部やろうとせずに、大切なテーマを3つに絞り込んでみましょうと説いてきます。

3つだけなら集中がしやすいこと、振り返った時に自分が何に意識を振り向けているのか、どこが課題点かのチェックもしやすくなると言います。

同書で紹介されているテーマは、以下です。

**<5大テーマ>

・仕事
・睡眠
・家族
・運動
・友人**

この中から、あなたがもし毎日、重点テーマのベスト3を選ぶとすれば、今日は何を選びますか?明日は何を選びますか?結果はどうなりましたか?

逆に言えば、3つを選んだら他の2つは無視していいということです。

ある日は、「睡眠・運動・友人」という日があれば、「仕事・家族・友人」という日があってもいいのです。

前者であれば、今日は朝9時まで寝て睡眠をたっぷりと。その後、友人を誘ってジョギングし、ひと汗かいたら一緒にランチをしよう。(こんな感じで1日の目標は達成です)さらに時間にゆとりができれば、最低限の仕事の雑用だけをしておこう位でいいのです。もちろん仕事はほとんどできなくても、3つから外れていますので良しとします。

このように毎日、メリハリをつけるスタンス、3つだけという分かりやすさ、アンバランスでもいい(バランスがとれなくても罪悪感を持たなくていい)というメッセージは、在宅ワークで規律正しい生活を送りにくい場合でも救いになります。

僕自身も、毎日todoリストは10項目ほど書き出しますが、”ピックスリー”をしたうえで、付箋に3テーマにおける3つのタスクだけを書き出して、その他はいったん消し込みます。

視界に入ると気が散って仕方がないからです。

3つだけを選び取るというシンプルですが、経験的には実効性が高いので同書の手法はお勧めですよ。

4.まとめ**

在宅ワークにおけるスタイルに正解はありません。最終的には、自分なりにベストな方法を仮説立て、それを例えば3日間ずつ検証していきながらアップデートしていけばいいと思います。

はじめから完璧なスタイルを目指さないことが注意点になります。

一つ言えることは、どれだけ偉人達も自分の能力を最大化するために、どう自分に規律をつくり、そのための時間配分をどうすべきなのか?誘惑や負の感情、ノイズと闘いながら作り上げてきた歴史があります。

みな、強くないのです。一人の弱い人間なのです。

なかなかスムーズにいかない在宅ワークも、ぜひ時には立ち止まってスタイル確立のための思考の整理をしてみてください。

以上、参考までに。

著者・思考の整理家 鈴木 進介



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