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なぜノートに書けば、脳内が整理されるのか?

頭が良い人、スキルが高い人ほど頭の中だけで物事を考える人が多いように見受けられます。

しかし、どれだけ優秀な方であっても先が見えない複雑化した時代に、適切なアウトプットを脳内だけで見い出すことは容易ではありません。なぜなら、脳内は目に見えないからです。

人は目に見えないものに対しては必要以上に恐怖を覚え、時には悲観的になることが多いようです。特に問題やトラブルが発生した時など、その傾向が顕著です。

そこで、ノートに書き出し、落ち着いた気持ちで適切なアウトプットを心がけます。このことを「ブレインダンピング」と言います。ブレインダンピングは直訳すると「brain(脳)の中をdump(捨てる)」という意味です。

つまり、脳内の情報を外に出すことで整理しやすくします。また、ノートを使ったブレインダンピングで、脳内が整理される理由は3つあります。

「①マインドフルネス、②見える化、③客観視」です。

「①マインドフルネス」

ノートに書く行為自身が、脳内をスッキリさせる効果があります。近年、米国ではグーグルをはじめフェイスブックやマッキンゼーといった企業がマインドフルネス(今この瞬間に集中する技術)を研修に取り入れ、日本でも話題になってきました。

その中の一つに、ジャーナリング(書く瞑想)という考え方があります。頭の中にあることを紙に書き出すこと(ブレインダンピング)で集中力を高め、自分や物事を客観視し、そこから新たな気づきを得られます。

特に忙しいビジネスパーソンは、座禅を組む時間が取れない場合でも「書くだけ」でストレスを軽減し前向きな思考に切り替えることができるため有効な策と言えるでしょう。

あるお笑い芸人さんのお話です。「何者かになりたい」と漠然と夢を持っていたものの、人気が出ることなく低迷していた時期がありました。一緒にお笑いスターを志していた同期は、どんどんテレビに出演し有名になっていくあり様。

「自分は芸人には向いてないのではないか?」「アイツを見返すためにはどうすればいいのか?」「うわー!嫉妬するー!」、このような負の感情があふれ出てくるため、その時の気持ちをノートに書き留めイライラの感情を静めていったそうです。

「ノートに思いを書き込んだら、それで悩むのは終了。すぐに、そいつをぶっ潰すためにはどういう努力が必要なのかを考える。そうやって勝利のための公式を作っていくと、ただのストレスを、自分が頑張るための燃料に変えることができる」と売れっ子になった今振り返られています。

ノートを使ったブレインダンピングは、書き出すことで頭を空っぽにし、脳内をスッキリさせる効果もあります。

「②見える化」

頭の中は目に見えないために、考え事をしているうちに堂々巡りしてきます。たいてい、頭のゴチャゴチャやモヤモヤが起きている時は霧の中をさまよっているのと同じで、頭の中が視界不良の状態になっています。

頭の中に様々な想いやアイデアが浮かんでは消え、同じ言葉が堂々巡りし、結局、霧で覆われている状態になっています。「あ~でもない、こ~でもない」のつぶやきが頭を取り巻き、悩みという霧の面積は増すばかりに陥ります。

普段、物事がよく見えてる状況では整理できるものも、脳内の霧の面積が増してくると、整理ができなくなってしまいます。

たとえば、目の前にセーターとTシャツがあったとします。冬服用と夏服用の引き出しに仕分けしてくださいと言われれば簡単にできますよね?カフェでお茶をした後、ゴミ捨ては紙類とプラスチックに仕分けしてくださいとなれば、やはり簡単ですよね?これは目に見えている状況だからです。

このように、目に見えれば整理がしやすいのであれば、目に見えない脳内はノートで「見える化」すればいいというシンプルな理屈です。いったん書き出すだけで、何が懸案事項だったのか、自分がどんなアイデアを持っているのかなど露骨に浮き彫りになり、”脳内解像度”が上がって整理がしやすくなります。

逆に言えば、他人のノートを覗けばその人の頭の中身が分かってしまうほど、ノートは第二の脳として機能します。

「③客観視」

ノートに書き出し脳内の解像度を上げることは、自分が客観的になるためのスイッチにもなります。自分の頭の中にあるだけなら主観的で冷静にもなれません。

自分自身のことは、固定観念や経験が邪魔をしてバイアスがかかります。新たな視点から物事を見るための視野が狭くなっていることがあります。常に灯台下は暗いのです。

ところが、いったん頭の外に出して文字を見ると、それはもう”他人の文字を見ているのと同じ”であると脳が錯覚を起こす感覚です。

よく自分のことは客観視できないことも、他人のことなら課題がよく見え、解決方法についても的確に指摘できるということがあります。まさにあの感覚です。ノートに書き出す行為はこれと同じで、他人のことについてアドバイスする際の客観的な脳にスイッチを切り替えることとなります。

大切なことは、キレイにノートをまとめなくてもいいということです。キレイな字で、キレイに文章がまとまっていなくても構いません。

まず書き出した内容を眺め、たとえば友達の視点にたってこれを整理するならどうアドバイスするだろうか?と考えてみてください。友達のノートを添削する感覚に切り替えれば、客観視して整理がつきやすくなるというわけです。

今回の話をまとめると、ノートは「①マインドフルネス、②見える化、③客観視」の点で脳内整理に有効である。そんなお話でした。

というわけで、今回は「ノートを使った書く行為がいかに脳内整理に効果があるのか」という個人的な思考の整理結果についてお話をさせていただきました。

いかがだったでしょうか?

それでは、またお会いしましょう!(^^)/

著者・思考の整理家 鈴木 進介

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