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日本経済予言の書 予言2 これからが怖い日本型のコロナ対策

5月発売予定だった新刊『日本経済予言の書が発売延期になりました。ただ完成原稿のうちコロナショックに関する未来予測の箇所は早く読者の皆さんに読んでいただきたいと思い、noteで先行公開することに決めました。気に入っていただけたら情報拡散していただけると嬉しいです。

今回の予言のポイントは2点。これから来る日本の不況は、他の国々の2倍の期間長く続くということ。そして日本の経済成長の核になると期待されたおもてなし産業で倒産が相次ぐということです。以下、本文の抜粋第二弾です。


新型コロナの経済打撃予測の着眼点

新型コロナウィルスについての陣頭指揮をとっている日本政府の専門対策チームによれば、今回のウィルスは生存戦略的に過去のSARSなどよりも巧妙に人類に蔓延しているといいます。

SARSは新型コロナよりも強いウィルスで、感染するとその感染者の大半が重症化し、死亡率も高かった。一方で感染した人が重症化するということは人類から見れば感染者が判明しやすく隔離もしやすい。ですからSARSのパンデミックは重大な危機であった一方で、疫学的な感染封じ込めは比較論としては容易だったわけです。

一方で新型コロナウィルスがウィルスの側の生存戦略として有利なことは感染しても無自覚な人や軽症者が非常に多いということです。結果としてそういった人たちを通じて社会にウィルスが蔓延しやすい。一人で何人もの濃厚接触者に感染を引き起こすスーパースプレッダーとなる人が存在するためにパンデミックになりやすいウィルスだということです。

その結果感染者の2割が重症化して1.4%~3.4%程度の致死率におよぶ。人類は感染の広がりを抑え込まなければいけない。そのための抜本的な対策としてはニューヨークやパリで行なわれているような都市のロックダウンしかないわけです。

そしてコロナの影響範囲を経済活動に定めた場合、ロックダウンの期間(日本の場合は自粛期間)とその範囲をもとに影響を考察することができます。

ここではまずはこのロックダウンに着目して、その経済への影響を予測してみることにしたいと思います。


ロックダウンの疫学効果はどれくらいなのか?

都市や国のロックダウンとしては共産党の一党独裁で強権を発動しやすい中国が世界で真っ先に動きました。1月23日に武漢市の交通を完全に遮断し、国全体で1月24日から始まる春節での移動の自粛を推し進め、訪日外国人客もストップしました。

北京、上海などの大都市でも街から人の姿が完全に消えます。軍や警察による罰則を伴う完全封鎖が徹底されたことで世界で最初のパンデミックが起きた中国では感染者8万人、死者3300人の規模に至った段階で感染が抑えられ、世界で一番早く新規感染者数が減少に転じます。

そして武漢市は4月8日にロックダウン(都市封鎖)が解除されました。計算してみるとロックダウン解除までに76日、約2か月半かかったことがわかります。中国全土でも都市封鎖は徐々に緩和され、社会も経済も徐々に元に戻ろうとしている状況です。

中国政府が行ったことは結果的に日本の専門家会議の4月時点の提言とまったく同じ、国民の接触を8割以上削減することを一か月以上続けることでした。違いとしては武力も含め強制的に封鎖を実行したことです。

接触がなければ感染者のウィルスは他の人には感染しないまま、体内で自然治癒され壊滅するか、ないしは宿主を死に至らしめるか、どちらにしても拡散せずに死滅します。疫学的には非常に正しい対処法を中国政府は徹底したことになります。

さて、コロナショックの社会や経済への影響を予測する際には、この閉鎖期間ないしは自粛期間の長さと自粛の範囲に注目することが重要です。まだ武漢も完全回復というわけではないことを考慮して、いったん中国での3か月、90日という期間をここでの「基準値」として記憶しておくことにしましょう。

その前提でつぎにアメリカを見てみます。この原稿を書いている4月中旬時点では世界で一番深刻なパンデミックが起きているのがアメリカです。本格的に感染が広まったのは3月中旬からとアジア、ヨーロッパよりも遅かったにもかかわらず、そこから感染者は急増しました。日々変わる感染者数もこの原稿の執筆時点で80万人に到達し、死者数も5万人を超えました。

ニューヨーク市で新規の感染者が50人を超えたのが3月9日、100人を超えたのが3月11日と感染の増加ペースは速く、ロックダウンを始めたのが3月22日には2500人規模に増加しました。ロックダウン後には増加ペースは目に見えてスローダウンしますが、それでも新規感染者数自体は増える状況が続きます。

この増加が目に見えて減少に転じたのが4月12日からの週で、それまで毎日1000人ペースで病院に運び込まれていた入院患者数が、この週に初めてロックダウン以降の最少人数を更新しました。

ニューヨークのクオモ州知事も4月12日時点でロックダウン継続を表明しています。中国のエピカーブと比較した予測としてはロックダウン解除は早くて5月中旬頃。経済が戻り始めるのは感染拡大から3か月という形になるのではないでしょうか。これはロックダウンを徹底的に行った都市であるがゆえに、中国の結果と類似した数値に収まりそうだととらえることができます。

このようにロックダウンの短期的な経済へのマイナスはその自粛期間から算出可能です。外出がなければ当然、個人消費は停滞します。その外出抑制が3か月続くということは一年の4分の1はまるまる経済活動も抑制されます。

その影響が具体的にはどれくらいかというと、たとえばアメリカの投資銀行大手のゴールドマンサックスはアメリカのGDPが4~6月でマイナス24%減少するという分析を発表しています。

経済へのマイナスインパクトとして近年耳にしたことがないほど大きい数字ですが、個人消費全般にブレーキがかかっている現状をふまえるとこれから次々と公表される欧米先進国の2020年上半期のGDPの減少レベルがこのような悪い水準になるのは仕方ないでしょう。

(著者注:4月29日に発表されたアメリカのGDP速報では1~3月の経済成長率はマイナス4.8%でした。アメリカで感染者が拡大して実体経済に影響が出始めたのは3月6日以降の25日間です。それ以前の65日間では昨年10~12月期同様の2.1%程度の経済成長水準だったと仮定し、それが90日間トータルでマイナス4.8%になったということから逆算すると、自粛の影響が始まった25日間でマイナス23%程度に成長率が後退していたことを意味します。ゴールドマンの予測はいい線をいっていると思いました。)


日本経済の自粛の影響は?

さて、日本はどうなのかというと、実は中国、アメリカ、スペイン、イタリア、フランスといったパンデミックが進んだ国と違い、皮肉な話ですがパンデミックについて医療崩壊を起こさないという目的に向かって比較的うまくコントロールしてきた分、経済についてはほかの国よりも大きな打撃が起きることが予言できます。理由は日本の自粛が他の国々と比べて長期間に亘ってしまっていることです。

日本での新型コロナの経済打撃は早い時期から始まっています。始まりは中国でロックダウンが強行されたことで、1月24日からの春節(中国の旧正月)の訪日外国人需要がぴたりと止まってしまいました。その結果、2月のインバウンドの訪日外国人数は対前年でマイナス58%、3月にはなんとマイナス93%にまで激減します。

これだけの影響ではありませんが、大手百貨店でインバウンド依存の大きい店舗での2月の売上高を見ると三越銀座店が36%減、大丸心斎橋店が45%減となっています。このようにインバウンドをあてにしていた観光業界、小売業界全体で1月24日以降、需要が冷え込んだ状況が続いています。

2月に入り国内でも感染者が増加しクラスター対策が行われる中で、2月22日にはイベントやスポーツ業界が自粛を求められるようになりました。私の周囲ではお笑い芸人やサブカルライターなどイベントで生計を立てているひとたちにこの日を境に大打撃がはじまります。

さらに3月28日になって「コロナとの戦いは長期戦になる」と安倍総理が表明し、東京都知事がバーやナイトクラブなど夜の歓楽ビジネスについて自粛要請を開始します。このタイミングで夜の街が実質的に閉鎖され、本格的な経済封鎖が始まりました。

そして総理の決断で4月8日に我が国初の緊急事態宣言が発令されました。しかし予定された一か月後、5月6日の解除はまずないでしょう。理由は東京での新規感染者がその段階では減少しないことが予言できるからです。


「密」を減らせない根本的な大問題

コロナ対策の専門家会議では感染数がマイナスに転じるためには個人個人の接触が8割減らなければいけないという前提を置いています。これは疫学的観点で組み立てた数理モデルで感染拡大を抑えるために必要な数値目標なのですが、その達成のためにはかなりの数の職場がリモートワークに踏み切らなければなりません。

最初にそのことが政府から発表されると、さっそく与党の大物政治家が「そんなことできるわけがない」と発言し、官邸では「出社を7割減らす」と実質的に目標が1割下方修正されました。

この要請の翌週4月13日から17日の昼間に首都圏と関西圏のオフィス街の人手が2月前半と比較してどれくらい減ったのかNTTドコモがデータを発表しました。この数字が非常に面白いのですが、東京では銀座が68%減少、丸の内が67%減少、大手町が65%減少という惜しい数字で、これを受けて朝日新聞は「オフィス街の人手、政府の目標に届かず」と報道しています。

どこが「非常に面白い」のかを解説しますと、ニュースで報道されている緊急事態宣言後の朝の出勤ラッシュの映像と正反対のデータだからです。

この数字に関してグーグルがGPSデータを使った統計を公表しています。コロナ以前の1月上旬の5週間の中央値を基準に「現在、どれくらい人の移動が減っているか?」を示すデータです。4月11日の最新の統計データを見ると、アメリカでは職場への移動が徹底して抑制された結果アメリカ全土では38%減少、ニューヨーク市中心部ではマンハッタン地区が55%減、ブロンクス地区が52%減、クィーンズ地区は62%も人の職場への移動が減少しています。

同じグーグルのデータで日本の状況をみると緊急事態宣言発令後の4月11日の時点で日本全体での職場への移動は22%減にすぎません。大阪は28%減、愛知は20%減、首都圏では神奈川県は30%減、埼玉県・千葉県はともに26%減、東京はかなり優秀ですがそれでも37%減にとどまっています。

このデータの違いは世界中の政府がコントロールできないグーグルだから客観的なのだとは言えそうです。ドコモの公表データとの差がどこで生まれたのかを考察すると、グーグルはオフィスへの人の移動を分析したデータですが、ドコモのデータはオフィス街への人の移動を分析したデータだという違いのようです。

丸の内を例にとればドコモのデータでは500メートル四方の平日14時台の人数を比較したそうですが、そうなると東京駅がその範囲に入ってくる。銀座でも商業地域が計測範囲に入ってきます。

グーグルのデータを見ると日本でも駅や繁華街では人の数は明確に減っています。東京ではターミナル駅の人手は59%減、繁華街の人手は52%減なので、その効果がドコモのデータではオフィス街の人手として上乗せされているのだと思います。私はデータ分析の専門家なので、こういったところはどうしても気になってしまいます。

そして感染拡大を防ぐために本当に必要なデータはオフィスへの出勤がどれだけ減っているかの方の数字です。

ここが論点で、日本では法律上の強制力がないことを根拠に、人の移動は止められていません。社会人の過半数は緊急事態宣言以降も平日に何らかの形で公共交通機関を使って出勤を繰り返しているのです。

もっともテレワークの要請は日々繰り返されていますのでGW前までには東京での職場への人の移動は5割前後までは減ると私も予測しています。しかし5割まで頑張ってもそれは目標数字には届いていない。

専門家会議が「8割減らさないと」と言った根拠は(詳細モデルはわかりませんが)再生産数=2.5と置いた数理モデルがベースらしく、そうであれば接触が6割減ってちょうど増えも減りもしない水準になります(東京都では直近の再生産数は1.7ではないかというデータもあるのですが、それなら接触が4割強減ればその水準)。

そこから論理的に未来予測をすると、日本の自粛方式では新規感染者数は5月6日になってもまだゆっくりとしか減っていないだろうと予言されます。

確かに新宿歌舞伎町の繁華街では警官が練り歩いて不要不急の外出を減らすように圧力をかけていますが、4月19日の週末は吉祥寺が外出する若者でにぎわった様子がニュース番組で報道されています。

週末になると世田谷区の駒沢公園は気分転換に外出する人やジョギングで体を動かす人たちが例年以上に増加している状況です。結局一番感染が広がっている東京でもその程度の自粛状況にとどまっているという現実があります。そして東京の感染がGWに日本各地に拡大することが危惧されます。

つまりただあてずっぽうで5月6日での緊急事態宣言の解除は無理だと予測しているのではなく、データを見てもその目標達成は難しいだろうと根拠をもって予言をしているのです。


緊急事態宣言解除のふたつのシナリオ

ここで経済への影響を考えるために、2つの幅で自粛解除日を想定してみましょう。シナリオとして緊急事態宣言の解除を最短で6月3日、感染拡大が長引いた場合は7月1日まで続くと想定します。先行する他国のデータから、日本でもそれくらい自粛が続けば感染が収まってくるのではないかという考えがベースにあります。

「いや、自粛が不十分な日本では数理モデルに基づけば7月になろうが感染者数は増加する計算にならないか?」

という疑問はあると思います。ただ前回のレポートでお話ししたように新型コロナは夏になれば死亡者数が自然に減少する可能性があります。冬の間の南半球で起きたことが日本の夏でも起きるという仮説です。自粛による感染防止効果が不十分だったとしても夏になった効果で被害が縮小し、自然に自粛も解除されることを想定したのがこの7月1日解除ケースです。

一方で仮にコロナ終息が見えない場合はどうでしょうか。実はアメリカではコロナ自粛に経済が耐えきれないと判断したいくつかの州ですでに自宅待機が解除され始めています。たとえばジョージア州がレストラン店内での食事や映画館の再開を許可、オクラホマ州、アラスカ州、サウスカロライナ州、テキサス州などでも制限緩和の動きが広まっています。国内線はロックダウンされていないため、航空機の機内は混雑を始めています。

これは感染拡大と経済被害拡大のトレードオフ(二律背反)のどちらを選ぶのかについて、世界各地で極限レベルでの政治判断が行われていることを意味します。

日本では過去のデータから、経済不況のさ中では自殺者が1万人規模で増えることが知られています。それをコロナの死者と比べるのも無粋な算数ではありますが、5月中旬頃からは経済的な理由から自粛解除を求める悲鳴が国内でも増えるはずです。

このように「とにかく解除しないと日本経済がもたない」という大合唱が起きた場合に政府がまだ感染終息の確認前に日本政府も制限解除に動く可能性があります。これが6月3日解除ケースのもうひとつ別のシナリオだと考えてください。ちなみにこの場合、自粛は段階的にしか解除されないであろうことから消費は急には戻りません。


このままいくと日本経済はどうなるか?

このように日本の緊急事態宣言の解除のタイミングがこのふたつのケースの間のどこかに落ち着くという仮定の下で、業界別の経済的な影響を考えてみたいと思います。

自粛解除の段階で最も経済的な影響が少ないのはこれまで通りの営業を続けてこられた業界です。ひとつは病院や物流、食品スーパーやコンビニ、ドラッグストア、電力や公共交通機関のようにインフラとして止めることができない業種で、これは大変な思いをしてインフラを維持していただけた対価でもあると思いますが経済的な打撃は国内企業の中では比較的小さく収まると思います。

もうひとつは結果的に自粛を避けられた会社やお店です。自粛期間でもメディアのインタビューなどで「そうは言っても生活がありますから」と言って一部のパチンコ店が営業を続けていましたが、それは皆の本音で、自粛や休業を名指しされていない業種においては緊急事態宣言後もなんとか営業を続けるための努力が続いています。その中で自粛の影響を最小限に抑えて営業を続けられた企業は幸運だったというべきでしょう。

逆に経済的に不運なのは緊急事態宣言などで名指しで休業勧告が行われた業界と、サプライチェーンが途絶えて休業せざるを得なくなった企業です。

緊急事態宣言をきっかけに休業勧告が行われた業種、これは具体的にはショッピングモールやスポーツクラブ、学習塾や予備校、パチンコ店などですが、これらの業種が4月8日から休業が始まったとして先ほどのシナリオの6月3日ないしは7月1日まで休業が続いたとします。この前提で幅で捉えると自粛期間は2か月半程度ということになります。

一般論でいえば企業というものは一定の内部留保の蓄えがあったとしても3か月活動が止まると危機的な状況に陥るものです。これらの休業勧告組について経済的な大打撃はまぬかれない状況であることがわかります。

ところがそれ以上に経済的な打撃が厳しい業種があります。それが先行自粛組です。スポーツやイベント業界は2月22日から自粛が始まっています。飲食店や映画館、カラオケボックス、遊園地やテーマパークなどもこの自粛の影響で同じくらい前から実質的に客足が止まっています。その影響期間は4か月前後と、先ほど触れた休業勧告組よりも長いことになります。

そして最も深刻なのが観光業界やインバウンドに依存していた産業です。春節から数えて実に5か月前後の影響期間が予測されるわけですが、そこで緊急事態宣言が解除されたからといって旅行客が戻るにはさらに時間がかかります。そうなってくると業界全体で大規模な倒産が続く危険性は否定できません。

世界的に倒産が相次ぐのがLCC(低コスト航空会社)です。たとえ従業員を大規模に解雇したとしても航空機のリース代は毎月キャッシュで出ていく一方です。

この休業の長期化の問題は日本経済全体でみれば人災でもあります。ロックダウンに踏み込まず意思決定も遅かった日本の自粛要請方式では、その自粛期間がだらだらと長くなることで、先に自粛が始まった業界から順に倒れてしまうのです。

その打撃規模はアメリカの予測のように経済成長率が-24%まで落ち込む規模になるでしょう。ただし日本特有のリスクはそのマイナス期間が長くなるということと、特定業種が壊滅的な打撃を受ける可能性があるという二点です

ざっくりとした指摘になりますがアメリカ経済が3か月壊滅的な打撃を受けるとしたら、日本経済は同じ打撃を半年分受ける可能性があると予言しておきます。

そして9月頃には航空業界、ホテル業界、観光バスや旅行会社、インバウンド向け小売業などの観光業界、イベント業界、飲食店、夜の歓楽街など幅広い業種で、コロナ倒産が相次いでいくはずです。

わたしの周囲ではイベントを開催するライブハウスの経営が持ちそうにありません。もし自粛が解除されたとして、その段階でイベントを行うハコが閉店してしまったら、文化人も芸人もアングラライターも地下アイドルも活動の場がなくなってしまい、自粛期間と同じ収入が絶たれたままの状態が続いてしまいます。

そこに最悪の想定としては、秋になり新型コロナが再流行する。それは日本経済にとって悲劇以外の何物でもありません。

経済の専門家として「不条理だ」と感じることは、最大被害を受ける業界がこれまで日本経済再生のカギだと言われてきた業界に集中していることです。それはインバウンドであり、クールジャパンであり、おもてなし産業です。持ち上げられてきた割にはここまでの政府の対応は冷たいと感じざるをえません。

オリンピックが開催される場合に最大経済効果をもたらすのはこれらの産業に訪日外国人が落とすお金だと日本のシンクタンクは試算しています。それがコロナで軒並み経営破たんするとどうなるのか?

わかりやすいシナリオとしては日本より先に回復する外国資本が救済の名目でそれらの企業や設備を買収してまわるかもしれません。オリンピック開催国のおいしいところが海外に流出する。それは日本にとって怖いことだと思いませんか。

コロナで不足したマスクをシャープが急遽増産して供給してくれています。そのシャープもリーマンショックと東日本大震災の不況を乗り切れず、日本企業からの救済の手が差し伸べられないまま外国資本の会社になりました。

それでも自虐的に言えば破たんした企業を買収しようとする相手がいるのなら、それはまだ日本経済にとっては最悪の話ではないのかもしれません。最悪なのは世界から「日本は投資をする魅力がない」と見放されるときなのですから。

次回『予言3 政権の愚策がさらに長く続く理由』は5月7日公開予定です。書籍予約はこちらまで

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ありがとうございます。また木曜日に更新します。
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未来予測と競争戦略が専門の経営評論家です。経済記事はダイヤモンド、東洋経済、プレジデント、現代ビジネスなどウェブメディアで月間100万PVぐらい稼いでいますので、たぶんみなさん何回かは私の記事をお読みになっているはずです。最近だとコロナの統計が海外から不思議がられている理由とか。

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日本経済予言の書
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6月19日発売に変更になった新刊『日本経済予言の書』のうちコロナショックに関する未来予測の箇所は早く読者の皆さんに読んでいただきたいと思い、noteで先行公開することに決めました。気に入っていただけたら情報拡散していただけると嬉しいです。

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