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米国のARアプリへの受容度調査

 先日、韓国通信キャリアであるLGU+がショッピングARアプリを5Gユースケースとして実用展開を行いましたが、そこで提携したのが米;EyecandyLabという動画xARを得意とするVBでした。当該社が直近でビデオトリガーAR(VT/AR=動画キックのAR)に関する調査結果を出していました。
調査はミュンヘン大学との共同調査で、2019年9月に全米1000名の消費者を対象として実施されました。
 ここでのVT/ARは”SPやグラスといった端末を介して、追加情報/インタラクションの機会を受け取る”機能を指しています。彼らの主力商材であるミドルウェアですが、画面上で起こっていることと同期しているため、消費者市場向けのARの最も有望なユースケースの1つとしています。
 調査自体は自社マーケツール的な意味合いが強いようにも見れますが、ARの社会実装を考えるうえで参考材料になろうかと。

<サマリ>
・ARはEC(Ikea、houzz)/ゲーミング(PokémonGo)/ナビ(Google Maps AR)などで利活用が進むも、まだ大衆向けではない。
・しかし、多くの調査/予測で言われる通り、ARは次世代のメディアの最有力候補で様々な業界に影響を及ぼす。
・今回の調査ではVT/ARと5Gの関連性及び今後の可能性を探り、結果としてエンタメ/EC/スポーツ産業での事業高度化を通信事業者の新しい可能性が。
 ┗特に通信会社に関しては…ソフトウェアソリューション(コンテンツ)→既存ビジネスの活性化/新規ビジネスの創出の流れが望まれる

<調査結果>
-受容度…米国消費者-
・40%= VT/ARアプリに対して好意的で、様々な業態(エンタメ/スポーツ/EC/教育など)での活用を期待
・34%=VT/ARアプリを今後、サービス利用シーンで常時利用したい
 ┗ARの体験/認知が高まるにつれて、上記数値は上昇する想定
-通信事業者への影響-
・VT/ARアプリが5Gサービスに付属する場合、消費者は無い場合に比べて17%多く支払う用意がある
 ┗TelcoにおいてVT/AR活用サービスの開発/準備は良い機会
-EC事業者への影響-
・VT/ARアプリの活用で、消費者は製品の立体的な視認が可能となり、没入型の購入体験を受けることが可能に。
 ┗EC事業者にとってはCVRの向上に資する
 ┗消費者にとってのメリットは他に、購入前後のギャップ縮小/購入者の信頼向上など
-ユースケース-
・ショッピングに関心のある消費者に、VT/AR機能を提供することでCVRが高まる可能性
 ┗消費者の53%=画面表示される商品/製品に関する詳細情報を入手してからの購入を好む
 ┗消費者の39%=詳細情報を待たず、すぐに製品を購入したい意向
  →消費者の本能の赴くままに購入を促すことが可能(39%部分を拡大させることも可能)
・スポーツに関しては親和性が高く、新しい収益の可能性を提供する
 ┗ファンタジースポーツ/ライブベッティングなどのケースでは、新しいタッチポイント造成/収益ドメイン開発が可能

<結論>
1)動画xARの可能性/インパクトは広い
・従来の動画コンテンツにAR要素を加味することで価値が飛躍的に増加する
・ARのインタラクティブ要素で「取得情報の重層化」「提供サービスの多様化」が可能となり、そこに消費者は追加料金を払う意思がある

2)メディア産業の変革機会に
・従前のメディア企業(NW/放送局/コンテンツ造成者)
 ┗インタラクティブ性を組み込むことで、新しい収益機会の創出へつなげることが可能
  →コミュニケーションを通じたコンテンツ活性化/取引対象財の増加(ARコンテンツなど)
  →エンゲージメント/リテンションの促進にも利用可能
・スポーツ産業(リーグ/クラブ/協会)
 ┗ARと顧客データ/選手データを掛け合わせ、新しいタッチポイントを通信事業者等と造成して価値創出が書ぬ
・小売業/ラグジュアリブランド
 ┗ARと現実を統合する機能を活用して、シームレスな購買体験の提供が可能
・通信事業者
 ┗ARサービスの流通による通信収入拡大、及びAR関連サービスのインキュベータとして動きうる

3)やっぱり動画xARが最強
・先行事例/調査結果からも明らかなとおり、ARはEC領域では活用可能性が芽吹いている。
・多くの業種での活用が可能なVD-ARは消費者向けARの重要なユースケースとなる。

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