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MUFGによるセキュリティトークンPF整備

 ちょっと前の事案ですが、MUFGがセキュリティトークンに係る基盤/PFをBCベースで整備する実証を行うとのことです。個人的には早く実ビジネス化してほしいところではありますが、Blockchainみたいに技術の進歩が速いと常に技術検証から入るしかないのかなあ…早々に実ビジネス化→新しい技術は別口で実証してOKならばzタッチしていく方式にすればいいんだろうけどと思いつつ。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO51850240W9A101C1MM8000/

<概要>
・MUFGリードのセキュリティトークンによる資金調達検討コンソーシアムの設立
 ┗NTT/KDDI/三菱商事など20社程度が参画し、技術的には米セキュリタイズ社やLayerX社がサポート
・不動産/社債/IPRといった資産価値のあるものをデジタル証券化して取引できるPF構築を目指す
 ┗個人/機関を問わずに投資家が参加でき、小額投資が可能となる仕組みをBlockchain使って構築
 ┗資金調達も円滑に行うことが可能となる(SMEやVBなど)
<メリット>
・既存の投資枠組みで実現しえない価値を当該基盤を介して提供が可能
 ┗投資口;従前の高額投資口(債権だと最小100万円)を、トークン化により小口化して投資裾野を拡大
 ┗信頼性の担保;従前は信託銀行/振替機関などを介していたが、BC基盤での可視化により投資家自身が確認可能
 ┗関連業務の煩雑さ;従前の手作業突合/手続きを自動化することで発行コスト低廉化/効率化が可能に
・短期的には金融機関の食い扶持が減りますが、今後以下のエコシステム形成で収益化が可能とみられます
 (1)既存流通証券の小口トークン化によるトランザクション量の拡大(=手数料収入)
 (2)新規証券の発行による発行手数料獲得
 (3)当該PFを介した事業開発/創発機能を拡充、新規事業開発の場を提供(呼び水として)
  ┗参画企業の増加
 (4)上記(3)の事業/IPRなどをマッチングさせることによる手数料収益確保
  ┗M&A等の機能提供による手数料収入
 (5)資金移動データ取得による信用度の可視化
  ┗データ売買??,発行元の信用Ratingビジネス
 等が金融機関にとっては想定されます。

<規制関連>
・セキュリティトークンに関しては来春施行の改正金商法に基づく整備が行われる予定で、そこを見据えた動き
 ┗セキュリティトークンを流動性証券として定義
 ┗セキュリティトークン=有価証券(資産)をデジタルで実現したものの総称で、財産価値があるものへの権利証明の
  →いわゆる仮想通貨は「ユーティリティトークン」と呼ばれます

<技術的な部分>
・Progmatと呼ばれる独自のBC基盤を開発、当該基盤を介した金融取引を実施
 ┗基盤はMU信託銀行が主導、金融取引をプログラマブルに稼働させることで、1つのPF上で様々な金融商品の流通を目指すもの
  →人手を介さず、24/365で稼働、専用端末不要で、どこからでも取引が可能に
 ┗取引リスク/CPリスク最小化に向けて、BC基盤に信託機能を付与して投資家権利を保全
  →バックアセットの信託受益権原簿情報をBCに保持し、権利移転の際に都度原簿情報が更新
  →トークン発行時にバックアセットに係る情報を全てプログラム化、利払い/償還等も自動化する
・セキュリタイズ社は先般、米SCから有価証券のTransfer-Agentの承認を受けた金融システムベンダー
 ┗既にMUFG/野村HD/三井不動産などが出資済み

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