電子申告 導入期限迫る!

今朝(1月27日)の日本経済新聞朝刊からの記事をベースに、重点ポイントを紹介します。

2019年12月、行政の電子化を目的とするデジタル手続法が施行されました。パスポートの申請など約500の手続きが順次電子化されます。今年4月からは企業の税申告や社会保険の申請の電子化も義務づけられることとなりますが、対象となる約2万4000社のうち準備が整っていない企業が大半だということです。

対象となる企業は以下の通りです。

・資本金1億円超の法人

・投資法人

・相互会社

・特定目的会社

対象となる税は以下の通りです。

➢税務署や地方税当局に提出する法人税、地方法人税、消費税、地方消費税が義務化され、紙の申告書は無申告扱いになります。

では社会保険はどうでしょうか?

➢健康保険組合、日本年金機構、労働基準監督署、労働局、ハローワークへ提出する、健康保険・厚生年金保険、労働保険、雇用保険等が対象です。

3月期決算の企業の場合、法人税については9月期までの中間申告から電子化が求められ、消費税は年間申告回数により異なるものの、早い企業では6月末までの対応が必要になります。

導入まで期限が迫っており、大企業といえども現場では不安の声が拡がっているようです。

行政への提出の前に、日本の企業は今でも「書類ベースで進める稟議書等の使用」が社内の承認・決済手続きの基本的な流れとなっているため、まずは社内の手続きを含む業務プロセスそのものを見直す必要がある、と言われています。

行政手続きといえば、日本独特の「はんこ文化」の見直しも議論され始めています。たとえば「印鑑証明書」が必要な行政手続きは100種類以上ありますが、電子証明書の導入も一部進められているものの、その利用が進んでいないのが現状とのことです。朗報と言えるかどうかはまだ分かりませんが、政府は2019年12月に策定した「デジタル・ガバメント実行計画」で、印鑑証明書の省略や印鑑の代わりとなる電子証明書の普及を進める方針を打ち出しています。

実は、行政手続きの電子化は以前から検討され、事実一部では導入されてはいます。日本の伝統的な「はんこ文化」を一気になくすことは難しいことは容易に想像できますが、一方電子化の中途半端な導入により、実際の申請作業が余計複雑になるケースがあるとの声も聞きます。

公的書類のみならず、一般企業においても承認や決済のエビデンスとして、押印された書類が保管されることは常識として認識されており、この習慣の今後見直しも議論の対象となるでしょう。

行政の立場だけからの視点ではなく、現場の利用者の利便性を向上させることを目的した「電子化策」を徹底してもらいたいと考えます。


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