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15年前の自分のフロッピーを見つけてザワついたこの胸の鼓動。

先日久しぶりに実家に帰ったとき、学習机がまだそのまま放置されていることに数年越しに気がつきました。

実家を出て上京したときに、必要なものは自分の部屋から東京へ持って行ったのだけど、学習机の引き出しの中身は、整理するのもめんどくさいし、どうせ今になって必要なものなんて無いだろうから、帰省したときにでも整理しようと思ったまま、10年以上もの間すっかり忘れていたのです。

学習机の引き出しの中身といえば、思春期の象徴。
比喩ではなくガチで中二の、こじらせたクリエイティビティが詰まった、黒歴史の墓場。
そんな恐ろしいものを、いつ親が覗くかもわからない実家に放置していたなんて。
マジで血の気が引いて股間がヒュンってなりました。

戦慄迷宮に足を踏み入れるような気分で、意を決して引き出しの整理を始めてみると、出るわ出るわ、黒歴史の耐久エンドレスメドレー。
学習ノートにらくがきした4コマ漫画なんてのは序の口で、日記、友達と撮ったプリクラ、アニメイトで買ったアニメグッズ……自分は写ってないのに好きだった子が写ってて注文した遠足の写真などなど……。
HPを削られ瀕死になりながらも、やっとの思いで仕分けを終え、一部は東京へ持って帰り、大半はゴミとして闇に葬りました。


しかし、どうしてもその場で捨てられなかったものがあります。
それがフロッピーディスク。

「なにそれ?」という若い世代のために解説すると、フロッピーディスクとは、かつて世界中で活用されていた、パソコンのデータを保存・複製・移動するための情報記憶媒体。
プラスチックの薄っぺらいケースに入っていて、このケースごとパソコンやドライバに差し込むと、上部のカバーが左にスライドする仕組みになっていて、中に入っているペラペラの黒いフィルムのようなディスクの部分にデータが保存されます。

容量は、たったの1.4MB程度。
音楽データ1曲すら、iPhoneで撮影した画像の1枚すら保存できないくらいの少ない容量だけど、昔はみんなこのフロッピーディスクに大切なデータを保存して整理していました。
USBフラッシュメモリーが発明される前、まだインターネットも電子メールも無かった頃の時代は、パソコンから別のパソコンへデータを移動する手段は、このフロッピーディスクが主流だったのです。

とはいえ、給付金4630万円を一人の男性に誤って振り込んだ誤送金問題で話題になった山口県阿武町では、町役場と金融機関とのデータのやり取りがいまだにフロッピーディスクで行われているみたいだけど……。
たしかに20年ほど前までは、デスクトップPCにもノートPCにも必ずフロッピーディスクの差し込み口が付いていたけれど、そんな化石のようなパソコンが、いまだに現役で活躍してる現場があるなんて。
さぞ、物を大切に使うみなさん、なん、でしょう、ね。(ほめてませんよ)


話を戻しましょう。
自分がフロッピーディスクを使っていたのは、だいたい中学生の頃から大学生くらいまでの、最も多感な時期。
しかも、学習机の引き出しにしまってあったフロッピーディスクなんて、中にどんなヤバい情報が入っているかわかったもんじゃない。
こんなものや、そんなもの、もしかするとあんなものまで……!!

本当は今すぐ燃やしてしまいたいくらいだったのだけど、その数は1枚や2枚ではなく10枚ほどで、もしかすると、僕という人間の歴史を揺るがす貴重なデータが残されているかもしれない。ちょっと自分でも何言ってるかわかんないけど。

何はともあれ、今の時代、フロッピーディスクを読み込む装置そのものが無い。(阿武町に行けばあるけど)
簡単に開けないからこそ、開いてみたい。
単純に、好奇心に突き動かされたのです。

というわけで、USBでパソコンに接続できるフロッピーディスクドライブをレンタルできるお店をネットで探し、注文しました。
USB Type-AをType-Cに変換できるアダプタは元々持っていたので、これを挟んでMacBookとフロッピーディスクドライブを接続し、いざディスクを読み込み。

約15年間も放置されていたフロッピーディスク。
そこに入っていたのは……







大学時代のレポートでした。

そういえば、僕が大学生の頃にはまだ、レポートの提出も「フロッピーディスクにWordデータを保存して提出するように」と定められていたっけ。

正直、エロ画像の1枚でも保存されてるんじゃないかと思っていました。
いたって真面目なフロッピーディスクでした。
疑ってごめん、あの頃の僕。

僕が大学を卒業したのが2008年。
同じ年には、日本国内における初のスマートフォン「iPhone 3G」が発売されています。

時代の先端となったiPhoneがお目見えしながらも、かたや大学のレポート提出にフロッピーディスクがまだまだ現役だったことを考えると、フロッピーディスクは、我々の生活の中で意外にもついこの間まで根強く活躍していたのですね。(阿武町では今も現役だけど)


みなさんも、引き出しの奥の方や、押し入れの奥底を探ってみてください。
あの頃のあなたの何かを記録したフロッピーディスクが眠っているかもしれませんよ。

おまけは、フロッピーディスクといっしょに見つけた、学生時代に使っていた歴代のガラケー。
現代風に表現するならば、「SHしか勝たん」です。

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