短歌 新作7首 『安いピアス』
ひとりでいるのと、ふたりでいるのでは、いちばんに何が違うかと考える。
話し相手がいること?
孤独じゃないこと?
通信機器があれば、遠くの誰かとおしゃべりできる。
家々がひしめき合う都会では、他者の存在が近すぎるから、孤独になる方が難しい。
他者の存在がわずらわしくなって、たまには孤独にもなってみたいと思う。
けれど、ふたりでしかできないことがある。
それは例えば、季節の移ろいの美しい様に気づいたり、自覚しなかった本心を知ったり。
そうして、ふたりでいるのも悪くないな、