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人生が変わる授業を体験できるー『ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室』

「Transform LLC.1周年イベント」に参加してからもう1年が経つ。昨年の3月に本書の著者が登壇する「結果を変えるために何をすればよいか?」からスタートしたショートセッションを思い起こしながら、本書を手に取った。

ジェレミー・ハンター氏は、クレアモント大学院 P.Fドラッカー経営大学院 准教授。「自分をマネジメントできなければ他者をマネジメントすることはできない」というドラッカーの思想をベースに、リーダーたちが人間性を保ちながら自分自身を発展させるプログラムを開発し、自らも指導にあたっている。

東京を拠点とし、セルフマネジメントを核としたマネジメント研修プログラムを提供しているTransform LLC.の共同創始者・パートナーでもあり、曾祖父が日本人のお相撲さんだったというプロフィールのくだりがなんとも親近感をさそう。

Transform LLC.の成り立ちエピソードでは、本書の共著者でもある稲さんこと稲墻聡一郎氏の熱い!熱い!ラブコールがなかったら実現していなかったという話しを伺ったことがある。彼の尽力がなければこんなにはやく、私たちがドラッカー・スクールの人気講座の1部を体験できることもなかったかもしれない。

ジェレミーさんが提供している講座は「結果を変えるために何をすればよいか?」という問いから始まる実践的なプログラム。ジェレミーさんいわく私たちを取り巻いてる現実は、すべて何かの結果である。その結果が次の結果を生む。
本書は、本当に望む結果に近づいていくためのプロセスを明らかにし、より意味のある効果的な結果を出したいと願うすべての人に向けて書かれている。

そう、本当に望んでいること。本書でジェレミーさん自身の経験が語られている。

息子が生まれたときのことです。初めて息子を家に連れて帰ってきた日、私はソファに座って、彼の小さな体を抱きしめていました。とても静かな土曜日の夜、この特別な瞬間に浸っていました。ところが、突然、わたしの右手は、ニュースをチェックしようとスマートフォンに伸びました。(中略)
人生で最も貴重な体験をしている最中、(中略)自分自身が全く必要のないことに、いとも簡単に気を取られてしまうことがあると改めて気がつきました。(本書p21p22)

このくだりを読んだときに私は「ハッ」とさせられた。全く必要のないことに多くの時間を費やしているかもしれない。大切なことを大切にできているだろうか?と。

そもそも私たちは、「何を望んでいるのか」本当の自分のこころに気づけているかも一度疑ってみると良いと思う。結果を変える方法を知ったところで自分の本当の望みがわかっていなかったらその結果を必死に追い求めても疲弊していく。では、どのように自分の望みを知ることができるのか?

本書は、感情と身体反応、思考のメカニズムを丁寧に解説しながら4つのプラクティスと1つのツールを提供し、日々の出来事から自分を知っていくプロセスを実践していくことができる構成になっている。

また最近騒がれているコロナウイルスへの対応しかり、私たちは過去に経験していないことに遭遇していく確率も高くなっている。不確定で、不明確なこれからの時代を生き抜き、望む結果を出すためには、新しいことにチャレンジしていくことも求められる。

世の中に起きているすべてのことは、常に変化します。人はその時々の状態によって機嫌が変わりますし、感情も移り変わります。(中略)
重要なのは、すべての物事は変化するということを自覚していることであり、無理に抵抗するのではなく、変化の波を楽しむマインドセットを持つことです。変化を嫌なこととして捉えるのではなく、前向きに捉え柔軟に対応していくことです。(本書p213より抜粋)

自らを知り、相手や状況を理解するスキルを身に着け、変化する環境の中で本当に望む結果を出すために本書は、あなたの部屋やカバン、常に身近に置いておくことになる1冊になる。そう、相棒のような生涯の友人のような存在になると思う。


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