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ツール・ド・フランス2021 第14ステージ

第14ステージはカルカソンヌからツール初登場のキヨンまでの183.7㎞丘陵ステージ。

翌日にアンドラの厳しい山岳ステージが控えていることもあり、この日は大逃げが予想されていたステージ。

その予想通り14名の逃げが出来上がり、総合勢は休戦状態となっている中、チャンスを掴み取ることができる山岳エスケーパーは誰だ? そして、山岳賞の行方は。

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翌日に厳しい山岳ステージを控え、かつスプリンターにチャンスのない丘陵ステージということで、序盤から激しいアタック合戦が繰り広げられた。

50.9㎞地点の最初の3級山岳は序盤に逃げたクリスティアン・ズバラーリ(アルペシン・フェニックス)が先頭通過。

一方、中間スプリントポイントを経て残り100㎞を切ったところにある2級山岳は、新たにできた逃げ集団の中から、山岳賞4位(39ポイント)のワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス)が先頭通過。山岳賞3位(42ポイント)のマイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネーション)が2位通過し、それぞれ5ポイント、3ポイントを獲得した。

このタイミングで出来上がった逃げは以下の14名。最初はそれぞれ3つの集団の中に含まれていたが、最終的には残り60㎞で1つになった。

マイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネーション)
バウケ・モレマ(トレック・セガフレード)
マッティア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ)
ヴァランタン・マデュアス(グルパマFDJ)
ギヨーム・マルタン(コフィディス・ソルシオンクレディ)
セルジオ・イギータ(EFエデュケーション・NIPPO)
エリー・ジェスベール(アルケア・サムシック)
ワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス)
エステバン・チャベス(チーム・バイクエクスチェンジ)
オマール・フライレ(アスタナ・プレミアテック)
ルイス・メインチェス(アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオ)
カンタン・パシェ(B&Bホテルス・p/b KTM)
ピエール・ロラン(B&Bホテルス・p/b KTM)

続く2級山岳(残り73.4㎞地点)はウッズ、プールスの順。さらに続く3級山岳(57.4㎞地点)はプールス、ウッズの順で通過し、ここまででプールスは10ポイント、ウッズは9ポイントを獲得している。

それぞれ合計49ポイントと51ポイントで、ウッズは現状山岳賞首位のナイロ・キンタナ(50ポイント)を超え、暫定山岳賞首位に立った。


3級山岳を越えたあとの長い下り、残り42.6㎞地点で、バウケ・モレマが先頭集団から抜け出して独走を開始した。

2017年のツール・ド・フランス第15ステージでも、残り29㎞地点の下りを利用して独走を開始し、そのまま逃げ切ったバウケ・モレマ。直近のイル・ロンバルディアも含め、こういった不意を突いたアタック→独走が得意な男が、今年のジロ・デ・イタリアで繰り返し果敢に挑戦しながらも届かなかった勝利を求めて勝負に出た。


残り30㎞を切って、先頭モレマと追走集団とのタイム差は1分を超える。

残り21.8㎞地点から登り始める最後の2級サン・ルイス峠(登坂距離4.7km、平均勾配7.4%)の登りで追走集団もバラけはじめ、ウッズ、カッタネオ、コンラッド、イギータの4名がその先頭を形成するも、互いに牽制状態に陥る中で、モレマとのタイム差を縮めることはできなかった。

最終的には、40㎞以上の独走を見事に成功させたバウケ・モレマ。4年前に続く、ツール・ド・フランス2勝目。今大会目立った活躍を見せられていなかったトレック・セガフレードに、栄光をもたらすこととなった。

第14ステージ


勝利には届かなかったが、最後の2級山岳も2位通過を果たし、合計54ポイントで山岳賞ジャージを獲得したマイケル・ウッズ。

まだキンタナとのポイント差は4ポイントに過ぎないし、第3週にはポイント2倍の超級山岳山頂フィニッシュもまだ残っている。

第15ステージのアンドラでも、逃げてポイントを収集することが重要になるだろう。


総合勢は本日はノーコンテスト。

第2週最終日、アンドラでの激しい戦いを予感させるような、そんな平穏であった。

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