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週記(2020.2.29〜3.6)パーティーが消えた日

季節の変わり目と巷の話題と仕事の繁忙期もあって、今週は何度もぐったりしそうになった。
人と会えなかったり喋れなかったりするのは本当に気を削いでしまう。
そもそも私が「ちょっとしたパーティー」という名前でやろうとしていることは、日常生活で拘泥してしまう諸々から少しの間離れるためなのになあ。
いっぺんにハレの場がなくなってしまって、そのうちちょっとした祝祭も根こそぎ無くなってしまいそうな怖さがある。

そんな中で日曜日に友達と安カワ天国and鳥貴族の会に行った。
安カワ天国というのは私たちが勝手に呼んでいる、安くて可愛い服がたくさん売っているお店のことだ。
その日は仕事に着ていけるような、しっくり似合うパンツが欲しいと思っていたのに、結果としてパーティー服を買ってしまった。しかも、せめてパーティー服なら袖付きを買おうと思っていたのに、今回もノースリーブだ。これで家にはノースリーブのパーティー服が5着あることになってしまう。
友達もめちゃめちゃ似合う、珍しい色の最高のパーティー服を買っていた。これはパーティーしなきゃだね!と笑いあいながら、でもパーティーのできない日々がいつ終わってくれるのか分からない。いつか、という言葉を飲み込んで、「しようしよう!」と笑う。

その後行った推し鳥貴族(私たちには推しの鳥貴族がある。鳥貴族は店舗によって、揚げ物のレベルがかなり違うのだ)で食べたとり天が、今まで食べたどのとり天よりも美味しくて、史上最高の味だった。あのジューシーさ、火をしっかり通しながら肉汁を損なわないギリギリのラインの攻め方。推し店舗には常日頃から相当な揚げ師がいると(私たちの中で)話題だったが、この日のそれは群を抜いていた。揚げ師がまた一つ上の段階に到達したに違いない。
口に入れた瞬間目を見開いて、お、美味しい…!と驚愕しもう一皿頼んで、この世の悪口をしこたま言ってバカでかい金麦で飲み干して、本当に最高の1日だった。

日付が前後するが、2月29日(土)に円盤に乗る派に入った。

円盤に乗る派、というのは演劇や色々な表現をやっている人たちの集まりのようなものだ。

私はもともとこの団体のファンだった。作品が好きだけどめっちゃわかりづらく、しかしそのわかりづらさが大変な良さ、と思いつつ、でももっと推しを推すようにナチュラルに演劇を推したいのにな、詳しくないと言及するの怖いな〜という気持ちがある。

演劇の歴史や方法や言説や論を全部は知らなくても(知っていることはもちろん色んな手助けになるし良いことだと思うが)、日常生活と分離しない色んな形で、応援したり言及したり関わったりする方法を模索したい。
これは私が演劇に限らず、作品とか、主義とか、ありとあらゆることにシームレスにアクセスしていきたい、と思っているからなのかもしれない。

以前は仕事をしている時の、職場の「自分」と日常の「自分」っていうものが違っていてとても居心地が悪かった。
コミュニティによって自分の立ち位置が変わって、それによって「性格」を自由に変えるのはアリだと思う。(そもそも性格とか本性とかいう言葉は幻想だと思っている。)けれど、自分に無理をしたり自分に嘘をつかなきゃいけないのはしんどい。
今は職場でも、演劇が好きでたまに手伝っていることや、自分の興味の話なんかをできてとても楽だ。そういう風に、もっと楽にやさしく話せたり、相手の話すことをやさしく聞ける方法があると思う。

とにかく人とネット以外で話せることがなんとなくありがたいような1週間だった。


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