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LayerXに入社しました

計4年半ほどお世話になったChatwork株式会社を退職し、2022年1月に株式会社LayerXに入社した鈴木(@suuu_ts)の入社エントリです。
これまでの転職の中で感じたことや忘れがちな入社直後の初心を記しておいて後から振り返られるようにしておくこと、そしてLayerXに興味を持ってくださっている方々に少しでも参考になる情報を届けられればと思いながら書いていきます。

これまでの歩み

私は大学卒業後、富士ゼロックス株式会社のシステムエンジニア→シルバーエッグ・テクノロジー株式会社のコンサルタント→Chatwork株式会社でデータアナリスト→株式会社メルカリのデータアナリスト→Chatwork株式会社(2回目)のカスタマーサクセスというキャリアを歩んできました。

大学時代

大学時代は機械工学を専攻しており、4年生では機械工学系としては珍しい生命工学系の研究室に入って脳神経の研究をしていました。4年生の1年間は平日は毎日、夏休みもほとんど無く研究室に籠もり、ラットの脳細胞とにらめっこするような非常に暗いキャンパスライフを送っていました。
また就活も特にこれといった軸は無く、当時は学生の売り手市場だったことを良いことに、とりあえず給料が良さそうな企業を選んで受けていたような状況だったように思います。(富士ゼロックスさん、拾っていただいて本当にありがとうございましたmm)

富士ゼロックス時代

印刷会社向けの高速デジタル印刷機や関連ソフトウェアの導入プロジェクトをPMという立場で推進しつつ、お客様の印刷業務フローに合わせたシステムの設計や実装、運用保守なども自ら担当するような仕事をしていました。
「印刷」という領域は、上流となる組版と呼ばれる印刷原稿を制作するデジタルな工程と、下流となるゼログラフィー技術をベースとしたハードウェアと紙が織りなす印刷というアナログな工程とが連動しています。よって業務遂行においては多様な技術理解とドメイン知識が必要で、苦労の連続ではあったものの汗水垂らしながらやり通したおかげで、その後の社会人人生に必要な基礎体力はかなり磨かせてもらえたように思います。
また印刷会社様にとって印刷機は生産財であり、生産のパフォーマンスを上げることができれば売上貢献にもつながりますし、逆に障害で印刷機が数時間止まるだけでかなりの損害を与えてしまうことになります。そうした緊張感のある現場に携わることができたのも良い経験でした。

シルバーエッグ・テクノロジー時代

ECサイト向けのレコメンドエンジンASPサービスの導入プロジェクトのPMから導入後のレコメンドによるCVR改善のためのコンサルティングなどを行っていました。
従業員数数千人→40名のスタートアップに転職したこともあり、戸惑いと新鮮さの連続でした。
日本でも有数のトラフィックを誇るECサイト運営企業様から勢いのあるスタートアップのECサイト運営企業様まで多種多様なお客様を担当する機会をいただくことができ、サイトの運営ノウハウや当時の最新のウェブの技術など、コンサルティングしている自分自身のほうが常に学ばせてもらっていました。
また初めてチームのマネージャーというポジションも経験させてもらいました。どうすればチームのパフォーマンスが上がるのか全くよくわからず、とにかく自分ががむしゃらに仕事をがんばったり、とりあえず夜メンバーを飲みに誘っては話を聞いたり一緒に騒いだりして仲良くなることくらいしか思いつきませんでした。次第に「あぁ、メンバーが頑張りやすくなる環境づくりを頑張ればいいんだな」と気づいてからは、コンサルタントたちの業務フローの設計や仕組みづくりに勤しみ、お客様への提供価値を落とさず、チームのパフォーマンスを維持できるような体制にできたような気がします。ここで、「チームの生産性を底上げする」というのがかなり自分にとって楽しく、かつ自身の強みが発揮できる領域と気づいたかもしれません。

Chatwork(1回目)時代

経営企画室のデータアナリストとして全社や事業部のKGI/KPI設計や各プロジェクトで求められるアドホックな分析の対応をしていました。
初めてクライアントワークから離れ、データアナリストという未経験かつ定義も難しい職種に飛び込んでみましたが、ドメイン知識と定量データを組み合わせていかに意思決定者を支援するかが問われるこのポジションの魅力にハマりました。
また中期経営計画立案のプロジェクトマネジメントを担当させてもらい、当時上場準備期間中であったことから、高い成長率を描ける戦略を練りつつ、蓋然性も担保した数値計画に落とす必要がありました。経営陣含め、多数のステークホルダーを巻き込みながら短期間で戦略と計画を作り上げるという経験は非常にエキサイティングでした。

メルカリ時代

日本のメルカリアプリのBIチームにGrowth領域のプロダクトマネージャーの意思決定を支援するデータアナリストとして活動しました。
具体的には、メルカリ内のGMV(流通取引総額)を最大化を目的とし、ユーザーの購買意欲を促進するためのクーポンやキャンペーン等のCRM施策が日々運営されており、それらの施策のROIが最も高くなるようなユーザーセグメントの特定やインセンティブ設計、また施策後の効果測定などを担当しました。数千万円規模の販促費の企画が週に数本同時に動くという、今まで見たことがないほどのインパクトとスピード感に圧倒されっぱなしでした。
またそのようなスピード感の中でも抜群のアウトプットを出し続ける優秀なBIチームのメンバーと働けたことは自分の目線を上げる意味でも貴重な体験となりました。

Chatwork(2回目)時代

そして前職となるChatworkに出戻ってからは、カスタマーサクセス部門の立ち上げとチームマネジメントがミッションとなりました。
Chatworkは国産ビジネスチャットとして最近話題のProduct-Led Growth(PLG)をかなり昔から実践してきており、このPLGとSales-Led Growth(SLG)も組み合わせたハイブリッドな事業モデルでユーザー数を伸ばしてきました。その中で増え続けるユーザーへの提供価値を更に伸ばし、事業貢献する組織としてカスタマーサクセスの機運が高まってきており、ちょうどそのタイミングで出戻ったのと、過去のキャリアがたまたまカスタマーサクセスのような経験だったことから立ち上げをやらせてもらうことになりました。
当初3名でスタートし、価値創出の方向性を手探りで見つけようとしていたのも束の間、コロナ禍の第1波に見舞われ、世の中の働き方がリモートワーク前提となるというパラダイムシフトにChatworkというサービスが抜群にフィットし、過去に類を見ないペースでユーザー数が増加しました。我々自身もリモートワークに慣れていない中で、増え続けるお客様にどのように対応すべきか本当にもがきながら対応したのをよく覚えています。
その後、カスタマーサクセスチームは13名にまで成長し、必要なロールを作っては優秀なメンバーをアサインして任せ、彼らが働く上で必要なインフラを構築する日々を過ごしました。
その過程において、事業グロースにおいて重要なプロジェクトのPMを任せてもらえたり、退職直前にはBIチームの組成するところまで見届けたりとカスタマーサクセス以外の領域も携わることができ楽しい日々でした。

なぜLayerXだったか

転職軸

Chatworkでの活動に一定のやりきった感を得ることができた頃、次のキャリアを色々と考えていたのですが、転職軸としては「自分が全く知らない事業ドメインでプロダクトを提供しているスタートアップ」が良いなと考えておりました。
私は知識欲が強く、自分に知見の無いことをインプット→アウトプット→磨き込みのプロセスを高速で回すことに楽しみを感じる傾向があるため、新しいドメインに飛び込んで楽しみたいと考えていました。そして優秀なメンバーと高い熱量で事業を伸ばすことが単純に楽しいのでスタートアップ以外の選択肢はありませんでした。

LayerXは立ち上がり当初からニュース記事等で知ってはいましたが、ブロックチェーン技術の社会実装しようとしているなんかすごそうな人達がいるぞ程度の理解しかありませんでした。
それからLayerXがブロックチェーンから経理領域のSaaSへとピボットしたことを知り、自分の転職軸である「自分が全く知らない事業ドメインでプロダクトを提供しているスタートアップ」にピッタリだったことや、SaaSであれば自分が貢献できることもあるかもしれないと感じたことから、LayerXのことを調べはじめました。

LayerXに惹かれたポイント

LayerXに惹かれたポイントは2つで、「代表の福島さんのnote」「Meety」でした。

1つ目の代表の福島さんのnoteは以下の記事で、この記事の中に「デジタル化の4つのレベル」という図があります。

デジタル化の4つのレベル

企業におけるデジタル化のレベルと応用領域、そしてコア技術がわかりやすく整理されており、私はこの図が大好きです。
現時点の日本企業はLevel1やLevel2の状態が大半というのが実情でしょう。現に前職であるChatworkは非IT領域の中小企業のお客様に多数利用いただいており、やはりLevel1がやっとのお客様が体感で多かったと感じています。

LayerXは元々ブロックチェーン技術を応用し、Level4の世界を本気で社会実装しようと取り組んでいましたが、ピボットしてLevel2の世界で戦うという意思決定をしました。私はそこに強い感銘を受けたのです。

なぜなら、Level4の世界の実現を本気で取り組んだ会社が生み出すLevel2のプロダクトは必ず世の中にインパクトを残すことができるであろうと思ったからです。
そして、現時点の日本企業がLevel1やLevel2の状態にあったとしても、テクノロジーの進歩によって、必ずLevel4へと近似していくはずです。その中で、Level4の世界を知るLayerXは他の企業よりもこれからのデジタル化への道筋を解像度高く捉えられているはずで、事業をより優位に展開できるアドバンテージがあるのではという期待も持てました。

2つ目のMeetyですが、Miyachanさん(@miyachan_x)とkajiさん(@kajicrypto)とお話させていただく機会をいただきました。

二人に共通して感じたこととして、お客様業務とプロダクトに対して深い理解があること、そして人としての誠実さに溢れていることでした。
LayerX自体、ブラックボックスな印象だったのでどういう人達が働いているのか全くわからなかったのですが、Meetyを通じて二人とお話させてもらって「こういう人達と一緒に働いてみたいな」と素直に思えたことが記憶に残っています。
Meety、ほんと良いサービスですね!

LayerXにおける自分の役割

LayerXにはSaaS事業部のカスタマーサクセスとしてJOINしました。
カスタマーサクセスチームのことはkajiさんの以下のnoteが最もよく理解できると思うので是非ご覧ください。

noteの中にカスタマーサクセスの業務範囲の図があり、LayerXのカスタマーサクセスの特徴をよく捉えています。
タイトルにある通り、この図は2021年11月時点の業務範囲なのですが、2ヶ月後の2022年1月時点にはかなりポジションがアップデートされており、既にこの図は古くなっています。近日中にkajiさんがアップデートされた図を展開してくれる(はず)でしょう。

“CS Ops”ではなく“Customer Success Architect”

具体的に何をやるのかというとCustomer Success Architectというポジションです。
聞きなれないポジションかと思いますが、いわゆるCS Opsと呼ばれるカスタマーサクセスの組織の目標達成に向けた生産性向上をミッションとするポジションに近いです。
CS Opsについては以下の記事が詳しいです。

なぜCS OpsではなくCustomer Success Architectと名乗るのかというと、Opsの改善は特定のポジションのみが担うのではなく、一人一人が日々取り組むべきものという思想に基づくものです。私も完全に同意です。

Customer Success Architectの定義はこれから走りながら考えてはいきますが、kajiさんのツイートにもある通り、Opsを改善のために自身でお客様を担当やお問合せ対応もしますし、チームの生産性が良くなることであれば制限をかけずに取り組む所存です。

なお、入社前業務委託期間も含め、以下のようなことを直近やってました。
まだ関わって2ヶ月程度ですが密度の濃い日々を送っています。

  • メンバー入社オンボーディングコンテンツ整備

  • SalesforceのCS周りのオペレーション設計とデータ整備

  • サポートデスクサービス切り替えのプロジェクトマネジメント

  • お客様様の状況可視化のためのRedashダッシュボード構築

  • 契約書の雛形整備

  • お客様からの日々のお問い合わせ対応

LayerXの面白さ

実際に入社してみて面白いと思うポイントは多々あるのですが、いくつかポイントを絞って書いてみます。

お客様に間違いなくバクラクを提供できる

カスタマーサクセスの醍醐味は、導入いただいたお客様が提供するプロダクトにより業務改善がなされ、お客様の業績にも好影響をもたらし、喜びの声をいただく瞬間を最前線で感じられることでしょう。

メインサービスである「バクラク請求書」がカバーしている請求書の受取業務は、各取引先から様々なフォーマットで送られてくる請求書を期日内に受け取り、払っていい請求書なのかを現場へ確認し、会計システムへ費用計上仕訳を記帳し、期日内に取引先へ入金し、消込仕分を記帳する、といった内容になります。
通常はこれらの作業を1枚1枚目で見ながらミスがないように手作業で対応していくことになり、ただでさえ忙しい経理担当者にとって負担の大きい業務です。
これがバクラク請求書を導入いただくとAI-OCRで請求書の内容が自動で読み込まれ、過去の仕分けを学習しておいて自動で選択してくれたりと目と手を動かす負担が劇的に少なくなります。
実際に導入いただいた企業様では請求書受取業務の処理時間が1/10まで圧縮された事例も出ています。

こういった事例が続々と生まれ続けており、サービスの名の通りバクラクをお客様に実感いただけています。
カスタマーサクセスとしてのやりがいも間違いなく感じることができます。

プロダクトが爆速でアップデートされ、お客様への提供価値のベースアップがめちゃくちゃ早い

現在2週間に1度のペースでプロダクトのアップデートがあるのですが、改善量が恐ろしく多く、お客様がプロダクトを利用するなかで感じるペインをあっという間に解消してしまいます。
エンジニアの方々のユーザーの声を自ら拾いに行く姿勢と深いドメイン知識が素晴らしく、割とフワッとした要望でも独自に解釈してくれる柔軟さも持ち合わせてくれています。

またカスタマーサクセスはプロダクトの機能開発要望棚卸会に参加し、お客様からいただいた要望をエンジニアへ直接フィードバックしたり、デプロイされた機能をQAでテストしながら確認したりとプロダクトへの関与度合いが非常に高く、LayerXのカスタマーサクセスならではの醍醐味と言えると思います。

熱くて優秀なメンバーが集結している

SaaS事業立ち上げ初期から在籍していたメンバーや、直近で入社してきている方々も非常に優秀かつ人柄が良い人ばかりで、一緒に働いていて非常に楽しいです。

LayerXには5つの行動指針があり、これがカルチャーを形作る基になっていますが、私が感じるのは「Be Animal」と「徳」はメンバー皆必ず持ち合わせているように思います。
スタートアップという不確実な環境の中で「Be Animal」に高い熱量で突っ走りつつも、背中を合わせる仲間から信頼される「徳」は忘れない。
私自身も常にこの指針は忘れず行動していきたいと思います。

またカスタマーサクセスチームも、一人ひとり個性や経験は違うけれど、共通してお客様とプロダクトにかける熱量の高いメンバーが集結しており、SaaS立ち上げから1年という期間としては非常に恵まれた環境のように思います。

私自身、忙しくなるとお客様目線を忘れて効率化に寄った思考に陥りがちになってしまいます。
そういった状況にあると「それって本当にお客様のためなんだっけ?」と愛を持ってストレートに指摘してくれるメンバーがおり、非常にありがたいですし、「徳」と「Trustful Team」を体現しているなと感じます。

難しさや課題

もちろん良いところばかりではなく、入社してみて感じた難しさや課題もあります。

ドメイン知識のキャッチアップが大変

経理領域が門外漢であった私にとって最も大変なのがドメイン知識のキャッチアップです。

経理担当者のペルソナや日々感じているペイン、経理業務全般、会計知識、会計システムそのものと各提供会社毎の仕様差、法律などなど、プロダクトに直接関わる領域だけでもかなりの量を理解する必要があります。
またプロダクトがより広範囲に拡張していくことが確定しているので、更に広いドメイン知識をインプットしていかなければなりません。

こればっかりはインプットや業務の中で理解していくしかないですし、LayerXには経理業務ドメインのドメインエキスパートという専門職の方もいて気軽に質問できたりするので非常にありがたいです。

私自身はそもそも「新しいドメインに飛び込みたい」というのが転職軸であったため、大変ではあるものの学びが多くて楽しいです。

増え続けるお客様に対し、提供価値を落とさず支援できるカスタマーサクセス組織をいかに構築するか

これはグロースしているSaaS事業者であれば皆悩むであろう問いだとは思います。

事業の初期フェーズはカスタマーサクセスが1社1社に対して深く入り込み、お客様の業務理解やペインを理解し、解決策の提示やプロダクトフィールドバックを綿密に繰り返してお客様のサクセスに向けて伴奏していくことができます。
しかし、お客様が指数関数的に増加していくとどうしても1社の中に深く入り込むことが難しくなります。お客様の増加に合わせてカスタマーサクセスの人員が増やせるのであれば良いですが、それでは労働集約的でスケールしないですし、事業の収益性も上がらないので現実的ではないでしょう。

この問いに対する銀の弾丸はありませんし、LayerXもまさに今この問いに対して皆で考えながら動いている状態です。

これからやっていきたいこと

LayerXが提供するバクラクシリーズは「ハタラクをバクラクに」というフレーズにある通り、導入いただいたお客様の業務をバクラクにし、業務自体が楽しくなるような環境を提供していくことがミッションになっています。

お客様へバクラクを届けられるように私も全力で取り組んでいきますが、私個人の思いとして、一緒に働くLayerXメンバー達のハタラクもバクラクにしたいと考えています。
例えばカスタマーサクセスであれば、お客様に向き合うことに全力で時間を使うべきなのに、社内手続き・各種システム入力対応・お客様の利用状況チェックなど、大事だけれど本質的ではないことに時間を取られてしまうケースは多々発生します。
よってこうしたメンバーが働くインフラ面の負を解消し、カスタマーサクセスとして常にお客様目線でいられる環境を作り上げていく所存です。

また過去のキャリアとして、データアナリストという職種も経験しており、人の意思決定いかに良いものにしていくかを突き詰めて考えていくことへの興味関心も強いです。
LayerXに行動指針にも「Fact Base」というのがあり、ファクトに従って意思決定していく文化が醸成されているので、何かしらの形で貢献できればなと考えています。

LayerXに興味を持っていただけている方々へ

ここまで長々とお読みいただき本当にありがとうございます。

LayerXは一緒にバクラクを届けていくメンバーを募集しておりますので少しでも興味がありましたら応募いただけると嬉しいです。

また私のMeetyを開いておりますので、ぜひお気軽にお声がけください!


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