妄想を、妄想で終わらせないためのEQの世界
先日、EQコーチという資格を取った。
そもそもEQって聞いたことはあるけど良くわからない、という人が多いと思う。以前の私もそうだった。
私が講習を受けたジャパンラーニングの定義によると、自分と向き合い感情を高め行動し成果をあげる能力とされており、IQ(知能指数)と相反する「感情指数」を指す。
そして、EQコーチとは、成果を上げるための感情を増幅させ、多くの気づきを表出し、自発的な行動を促し成果へと導く役割という風に位置づけられている。
なんだかちょっと小難しいけど、簡単に言うと「EQ=人間力」である。
そんなEQに私がなぜ興味を持ったかというと、わたしが探求している「浪漫人」という、その先の本当の景色を望む人の感情がどうなっているのかを可視化してみたい、といった好奇心から来ている。
世の中に多発する「こんなことやってみようよ!」のほとんどが妄想で終わってしまう現実に対し、浪漫人が見る「その先の本当の景色」へとどう向き合い、模索し、到達する人になっていくか。そのあたりが風街浪漫舎の「浪漫人を増やし、にぎわいを創出する」といったミッションへのコミットに対して頭を悩ませる部分であり、やりがいでもあると感じている。
そもそも感情といった曖昧なものを可視化しようと思った人たちがいること自体、凄いなと関心しているが、その可視化にあたり、これまで30年もの研究時間と50万人ものデータを分析して数値化してきた情熱と労力に対し尊敬しかない。ずっと感覚や直感で生きてきた私にとっては感情のスコア化という信じがたくもあり非常に心強い相棒ができた、そんな心持ちだ。
上記のグラフは、EQコーチ研修時に敢えて私が被験者となってEQテストを受けた際のスコア(27の行動特性)である。他者のEQを知るには、まずは自身のEQを知らないと、ということからはじまった本研修。このスコアの他にもたくさんのEQ結果が出るが、コーチングはこのスコアをメインに進められていく。見方としては、外に大きく広がっているところが感情が高まっていたり意識が向いている部分で、逆に内側に引っ込んでいる部分が感情が低く意識が向いていない部分である。
私のテスト結果を見ると「ビジョン」や「達成意欲」や「活動意欲」や「チームワーク」に対する感情が高く、意識もそこに向いている状態にある。今現在の自分の仕事や活動においてとても重要視している部分なのでこの結果をすんなり受け入れることができた。
自分的に特に気になったスコアが「決断スピード」が低く出ていた点。昔から決断に時間がかかる傾向にあるのはわかっていた。じっくり時間をかけて、アレコレと内省や検証を積み上げる時間が好きなのだけど、それによる生産性の低さに悩んでいた。このように低くスコア化されることで改めて意識がそこに向いていった。
せっかくのこの機会にと思い、その後一ヶ月くらいの間、より「決断スピード」に意識を向けるための行動を繰り返してみた。それによって、普段目にしないものが目に飛び込んでくるようになったり、決断の早い人と話をしてその人の意思決定のメカニズムに興味を持ってみたり、敢えて細かく決断を繰り返してみたりなど、注意深く意識を向けてみたところ、2回目のテスト(青)では「決断スピード」が大幅に高まってきているのが見て取れた。
この結果に驚いたのと同時に、自分の単純さにもビックリだが、このように可視化することによって、ちゃんと自分に意識が向いていることを実感できたのは凄いことと感じた。
もうひつつの発見が、「チームワーク」や「対人受信力」が下がっていた点。こちらについては、「スピード感を持って意思決定する=自分でどんどん決めていく」ことによる仲間やチームとの連携が弱まっていることを示しており、何かが上がれば何かが下がる可能性があるといったトレードオフの関係が生まれることを知った。すべてを良い状態にしていくのはなかなか難しくもあるが、スコアをちゃんと読み解くとこで、無意識に意識の下がっている自分に気づかせてくれる存在でもあるとも言える。これにより、あらためて仲間やチームとの連携に意識を向けるようになれた。
このように、EQスコアとしての「見える行動特性」から、その奥底にある「見えづらい本質」に対してアプローチをかけながら活動に結びつけ成果をあげ、新たな自分に気づいていくプロセスは非常に貴重な体験であり、多くの活動が失速していく状況に対し、救いのメソッドになるんじゃないかと考えられる。人は見えるものを信じ、見えないものはあまり信じない傾向にある。しかし、見えるものは表層的で安易なことばかりで、見えづらいところに本質的な価値あるものが眠っていることが多い。そこをほじくり返すのは一見遠回りにも見えるけど、実は物凄い発掘作業をしているのだと改めて感じた。
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今後はこのEQコーチングを通じて、企業の業績の向上や地域の活性化のための人材開発をサポートしながら、弊社のミッションである「浪漫人を増やし、にぎわいを創出する」を達成していくわけだけど、EQの面白いところが「EQ=スキル」として定義されているといった点がある。IQは先天性な生まれ持ったものとして、努力や意識をそこに向けてもなかなか報われない天才と呼ばれるような性質であるのに対し、EQは努力を重ねたり意識をそこへ向けることによって変化が伴ってくるといった後天的な性質であるとされているため、スキルとして後からいくらでも高められ、これからの人材開発に大いに期待が持てると私は思っている。
人材開発のコーチングには様々な手法や考え方があり、何がベストかは人それぞれだけれど、重要なのはワクワク探しのお手伝いじゃないかなと思っている。「夢」みたいな話になるとちょっと大げさで小っ恥ずかしいと思って無意識下にしまい込んでしまいかちだけれど、常にワクワクの熱源が何なのかを認知して、その存在を自身がきちんと肯定してあげる生きた方が幸せなんじゃないかなと思っている。なので、私のコーチの方針としては「ワクワクの熱源を肯定し行動に変換する」とした浪漫変換装置としてコーチングを進めたいと思う。そのワクワクを少しでも仕事に活かしたり私生活に取り入れることで新たな自分を発見していく足場となっていくし、そういったワクワクがあると楽しいし充実感ある日々を送れるはずであると信じている。
私がそういった想いに至る中、勇気をもらった映像がこちら。「どうせ無理」ではなく「だったらこうしてみよう!」と凄くポジティブになれるお話です。
人は皆、一回きりの人生をぶっつけ本番で生きている。だからこそ、自分がいまどういった感情で、何を大切にし、どう生きていきたいかを常に自問する時間が必要だと思っています。浪漫人の目指す「その先の本当の景色」に到達するには、それを追いかけている現在が充実していないと、失速してしまう、まさに冒頭で話した、「こんなことやってみようよ!」のほとんどが妄想で終わってしまう現実をやり過ごすだけになってしまうので、小さなワクワクを見つけて「だったらこうしよう!」のきっかけを探り、一緒に走り続けるようなEQコーチを目指していきたい。
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