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初めての確定申告準備。自分の現在地を確認する


「この数字って、どこに書くんだろう…?」


開業届を出したのは去年。

税務署から送られてきた青色申告決算書を前に、頭を抱える。

簿記の知識はあるので、経費の入力や仕訳を帳簿につけてはいた。

だけど、申告書を凝視しても、どこに何を書いたらいいのかが分からない。

封筒に同封されていた手引きに、ズラっと並ぶ言葉を読もうとはするけれど、全然頭に入ってこない。

さてどうするか。

どこに相談しに行こう?

そんなときに新聞の広告が目に留まった。

どうやら市役所で相談会をしているらしい。

相談できるんだ!!やった!
 

資料を抱えて会場に行く。



市役所は控除の申請や確定申告をする人で賑わっていた。

私は提出ではなく相談なので、税理士会の人が待つブースへ。
  

オレンジのネクタイが似合う、イケメン税理士さんが対応してくれる。
 

青色確定申告の相談をしてもいいですか…?
初めてなので、何をどこに書いたらいいのかが分からなくて…

こんなこと言って大丈夫かしらと、おずおずと聞いてみると

いいですよ。何でも聞いてください!


と、笑顔で対応してくれた。
 

エクセルに記帳した仕訳を見せつつ、相談する。
 

事業用の口座を作った方がいいよーとか
(まだプライベートのと一緒になってる)

家事按分はした方がいいよーといったアドバイスから
(やらなきゃと思いつつ、まだやってない…)


配偶者控除のラインとなる金額とか

複業してる場合の所得の考え方とか

この日の
この時間に
この人に会えたからこそ
知り得た情報がたくさんあった。
 

「なぜ、そうなるのか」
この過程や理由を知ることって本当に大事だ。
するべき理由がわかるし、しようと思える。 


ただ答えを差し出されただけでは、
人の気持ちは動かないし、行動しない。

自分の気持ちの揺れ動きを感じて
そう思った。
  

そして相談が終わり、ホッと一息ついて
自宅で読みかけのパラパラとめくっていると
今の私の気持ちにピッタリ重なる文章を見つけた。

 

この博物館では、紙はどのように作られ活版印刷はどのようにして行われるのか、という紙と印刷の原点を体験をしながら学ぶことができる。歴史的な技術の進歩の過程を見たうえで、現在わたしたちな手にするものはどうやって作られているのかを知ると、完全に機械化されたものづくりが当たり前ではないと実感する。あらゆるものの完成品を簡単に買えるようになって、機械製のものが増えた時代にこそ、ものづくりの機械化が進むまでの歴史の厚みを知ることは大切な気がする。

世界の紙を巡る旅 浪江由唯 P126



そう。確定申告も同じなのかも。

完全に手動ではないし
(マクロが組み込まれたエクセル簿記を使っているので)

一から計算をしているわけではないのだけど

仕訳をポチポチと自分で起こして
この金額には何の意味があって
どの項目に入れるのだろう…と立ち止まる。

何が分からないのか。
誰に聞けば分かるのか。

こんがらがった糸を
少しずつほどいていくように

その小さな疑問を解消する手段を探す。

そうやって疑問が、少しずつでも解消されると

めんどくさくても
まずは手間をかけてよかったと思う。


私もいつかは会計ソフトのお世話になると思うけど
(そうしないと、手が回らないのよっていうくらい稼ぐのだ…!)



最初から、会計ソフトで出た答えを入力しているだけでは
知り得なかったことを理解できたことで

より会計ソフトのありがたみがわかるだろうし

そもそもなぜ、確定申告が必要なのかという
原点に戻りやすくなる気がしている。


やっぱり赤字は悲しいし

今はまだ、配偶者控除の中で
小さく事業をしているのだけど

やっぱりいつかは、黒字にしたいし
控除の枠を超えてみたいと思っている。


確定申告なんて、めんどくさいと思って
ずっと後ろ向きだったけれど

今の私の現在地を、数字で客観的な視点で見つめ直す
大事な作業の一つだなと思えた。


さぁ、あとは清書するのみだ◎

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