マガジンのカバー画像

読書日記

46
自分が読んだ本の感想記録をまとめました
運営しているクリエイター

#SF

【読書録】天の光はすべて星 / フレドリック・ブラウン

【読書録】天の光はすべて星 / フレドリック・ブラウン

2022年3月5日 読了

数年ぶりの再読。アニメ『天元突破 グレンラガン』の最終話サブタイトルになった小説として有名で、実際アニメがきっかけで当時は小説がプレミア価格になったとか。アニメ内のセリフにも「天の光はすべて星だ!」というセリフがあり、文庫版あとがきもアニメ脚本の中島かずきさんが書いている。

初めて読んだときも良い小説だと思ったが、改めて再読して大きく印象が変わり、涙腺が緩むほどものす

もっとみる
ハローサマー、グッドバイ / マイクル・コーニィ

ハローサマー、グッドバイ / マイクル・コーニィ



2021年8月10日 読了

このタイトル、女の子が表紙の爽やかな装丁、「恋愛SF小説」と銘打たれた紹介で、ライトな内容を想起させるが、実際はかなり硬派なSF作品だった。

地球ではない惑星の、人間によく似た異星人の物語で、その気候、自然現象、生物、文化、国家間の戦争、政治といった世界設定が緻密に作り込まれている。見慣れない言葉もたくさん出てくるが、そこまで複雑ではなく、読んでいれば普通に理解

もっとみる
世界の中心で愛を叫んだけもの / ハーラン・エリスン

世界の中心で愛を叫んだけもの / ハーラン・エリスン



2021年7月12日 読了

某アニメの最終話サブタイトルとして有名だが、庵野監督はこの作品を当時読んだことがなかったとか。

たった16ページしかない表題作はまったく意味がわからず、解説ブログなどを読んでなんとかあらすじは理解したものの、それでもやっぱり何が言いたいのかの意味は理解できなかった。
しかしcrosswhenという宇宙の中心が、都市のような政治を行い機能しながらも、すべての時間・

もっとみる
アルジャーノンに花束を / ダニエル・キイス

アルジャーノンに花束を / ダニエル・キイス



2021年6月14日 読了

タイトルこそ有名だが、どんな話か全く知らず、実はSF作品にカテゴライズされるということを知って興味を持って、手に取った。

32歳(奇しくも自分と同い年だ)にして幼児並の知能しか持たない主人公・チャーリーが、手術によって天才の頭脳を手に入れるという、あらすじだけ見ると安易な設定にも思えるが、どんどん頭が良くなっていく過程や、見える世界の変化の描写がとても細かくリア

もっとみる