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スートラマガジン
2022年1月26日 21:23
2022年1月6日 20:49
窓を横断する一筋の道をひとつの原付が音もなく通過した。佐々木である。間もなく砂利の音がして、彼は私の玄関に来るのだ。「君があの道を来るのが見えたよ。空がのっぺらぼうに青くて、音はそこの木のざわめく音だけなんだ。」「君は画家だね。」「少し首をもたげれば、あの右の小山の、向こうの屋根が君の家だ。」「僕は常日頃から君の画材ってわけだ。へたに動けない。」「嬉しいんだ。僕一人のこのさみしい風景の