
横浜フィルムスナップ 1st Roll - NEOPAN 100 ACROS
先週末、フィルムカメラ好きの友人たちとスナップをしてきました。歩いたのは神奈川・横浜。
東京の西側に住む自分にとって横浜は近いようで遠い街。自宅からは電車でのアクセスが悪く、買い物も東京で済んでしまう。33年も東京で暮らしながら横浜には数えるほどしか訪れたことがないのはそういう理由です。
しかし、写真となれば話は別。
噂にはフォトスポットがひしめくと聞く横浜。ワクワクしながら向かいました。
クラシカルなヨーロッパカメラが集まった
まずはこの日参加したメンバーのカメラを紹介しておきます。MLそれぞれのライカにハッセルブラッド、そしてコンパクトと二眼のローライ。
みんな古いカメラが好きなことから、内々ではこのフォトウォークを横浜クラシックカメラスナップ会と呼んでいました。
同行者は@tedsukuriさんと@hikarinologさんで、おふたりともブログを書かれているので近くエントリがあがってくるはずです。
フォトウォークの写真はフィルムごとに紹介していきます
さて今回のフォトウォーク、ぼくは3本のフィルムを使いました。富士フイルムのNEOPAN 100 ACROSにKodak TRI-X(400TX)、Rollei RPX 100です。
36枚撮りフィルムでだから全部で108枚。フィルムカメラでこの枚数は結構なボリュームで、撮影にもかなりの体力を使いました。
これを1つのnoteにまとめるにはさすがに多すぎます。
『良いロケーションが多かったから、スポットで区切ったらどうか?』とも思いましたが、横浜初心者のぼくが撮影地をまとめていくのはもっと無謀。
というわけで、この横浜スナップは使ったフィルムごとにnoteを公開していきます。
これならテンポよく読めるでしょうし、note単位で写りの違いを楽しんでもらうことだって出来そうです。
初回はフジのACROSです
前置きが長くなりましたが、本編です。装備はだいぶ悩んだのですが、終日くもりということだったのでモノクロフィルムのNEOPAN 100 ACROSをチョイス。ISO100のフィルムですが、これをISO200相当で撮影、現像してみました。
Leica M3 / 沈胴Summicron 50mm F2(1st)
FUJIFILM NEOPAN 100 ACROS
Kodak D-76(stock), 22℃ - 8 1/2 min(El200)
スタートはJRの関内駅。ここからみなとみらい方面へ、大岡川に沿ってまずは歩いていきます。
釣りをしたり犬の散歩をしたりと、リバーサイドらしい光景が広がります。
微粒子がウリのACROSですが、増感したために若干粒が大きくなりました。同じ増感でも、TRI-XをISO400からISO800に現像したときよりも変化の幅が大きい印象です。
それにしても、こうして木目と水面の質感の違いを白と黒の2色だけで描き分けるってすごいと思いませんか?これが銀の化学反応で表現されるってことに感動です。
自家現像をするとその仕組みがわかるのでなおさらなんですよね。
さらに水面に近づいて。
手前にくるにつれて光が絞られていくのがわかりますね。その光が、おだやかに波立つ水面に反射してセクシーなコントラストを作り出す。
あ、『セクシーなコントラスト』は初めて言いました。フォトヨドバシの見過ぎかもしれません。
それにしても気持ちの良いエリアです。
東京だと都心部の川沿いは遊歩道が狭く、逆に郊外はもっとドカンとしているイメージ。このあたりは都会的でありながらも時間の流れがゆったりしていて、(行ったことはないけど)マンハッタンはきっとこんな感じだろうなと思ったりしました。
雲のグラデーションと、レトロと。
色が変われば、撮る方の意識も変わります。例えば、雲。
カラーなら青空にモクモクと広がるボリュームを感じたくなりますが、モノクロで楽しみたいのは、その微妙なグラデーション。
こんなふうに。厚みや天候で変わる雲の表情に、ついついレンズを向けたくなります。これは海沿いで空が広い横浜ならではですね。
ポツンとしたのも撮りやすい。
そして空に次ぐ『モノクロだと撮りたくなる』と言えば、レトロな造形や建築物。横浜だとそこかしこで見つかります。
コスモワールドのメリーゴーランドに...
こんな出で立ちの電話ボックス。トップの形や角ばったフォントが古くさくていいですね。今でも使う人がいるのかはわかりませんが、こういうのが残る街って素敵です。
これは排水用のポンプカバーだそうです。LONDONとある通りイギリスから購入したもので、当初は蒸気機関で動いていたんだとか。調べたら重要文化財に指定されてました。
質感を楽しんだり
最近、モノクロではあえて被写体に近寄って、そのものが持つ形や質感を写すことが増えました。
このゴツゴツ感が伝わるでしょうか?ボラードと言うそうです。
色の情報がない分、見る人の意識が自然とそういうものに向かう気がしますね。
歩道で見つけたオシャレな柵。これもレトロな形。ズミクロンの開放付近はこんなボケ方をします。
写真好きは自分が使ってるレンズのボケ感を過剰に評価しがち。違いますかね?少なくともぼくはそうです。
画面奥へと向かう落ち葉の真ん中あたりにピントを置く。なんでもない歩道が途端にドラマチックに。
ぼくはこれまで、スナップというともう少し瞬間的な撮り方が当たり前だと思っていました。いわゆる『シャッターチャンスを捉える』みたいな。
だけど、こうして動きのない光景にあえてカメラを向け、意図をもってシャッターを切るスナップも大いにありですね。こういうのは中判でやっても楽しいんだろうなぁ。
ACROS編はここで終わります
いかがでしたでしょうか?横浜スナップ、1本目のフィルムはここで終了です。被写体のおかげか、いつにも増してモノクロらしい写真が撮れたように思います。
ここからTRI-X編、そしてRPX 100編へと続くのですが、結構写真が変わっている気がします。
というのも、歩き回った影響で疲れてしまい、集中力が落ちたからです。写真には頭も大事だと改めて実感した次第ですが、もしかしたら『無駄な力が抜けてむしろ良い』なんてこともあるかもしれません。
いや、ないか。
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2本目、3本目もnoteにまとめました。
・横浜フィルムスナップ 2nd Roll - Kodak TRI-X(400TX)
・横浜フィルムスナップ 3rd Roll - Rollei RPX 100
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