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【事例05】富山県発! 魚類残滓な魚の皮を、革に!「フィッシュレザー」 / サーキュラー・エコノミーの実践的すすめ

フィッシュレザーのブランド「tototo」は、漁業文化が息づく富山県氷見市を拠点に、「生命の恵みを無駄にしない持続可能なものづくり」をコンセプトとして、食用時や加工する時に捨てられていた魚の皮をなめして作った魚の革「フィッシュレザー」を素材にした製品を販売しています。

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■フィッシュレザーとは?

tototoは、魚の革という廃棄物を1枚1枚包丁を使って綺麗に削ぎ落します。その後さらに脱脂加工を繰り返し、匂いのもとの脂分を徹底的に除去、植物から抽出したタンニンという成分を少しずつ浸透させ皮を革化、染色・乾燥のプロセスを経てフィッシュレザーが完成。これを素材にした商品を開発・販売しています。

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■なぜそれがサーキュラーエコノミーの例なのか

毛皮など革製品のためだけに殺される動物がいる一方で、9割もの魚の皮が廃棄されています。
魚の皮やウロコに含まれるコラーゲンを活用した機能性食品材料へのリサイクル(バイオケミカルリサイクル)もありますが、皮を革として活用するリジェネレイトリサイクルな事例。「tototo」は命の恵みを無駄にしない、持続可能なものづくりに挑戦し続けています。

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■ビジネス上のメリット

1、魚類残滓に新たな価値を捉えて新製品を生産し、地域経済・循環経済を構築します

2、漁業関係者、水産加工メーカーは、廃棄物の流れを見直すことができます

3、新製品の製造に関わる人を雇用することにより、雇用を創出することができます


■ビジネス課題


この取組はまだはじまったばかり。概して十分な市場規模を確保するに至っていません。相対的に高いとされる生産コスト等の課題克服には,時日と投資を要する段階といえます。

最後に

食品廃棄物の別利用化(リジェネレイトリサイクル)は世界的にも取り組まる循環経済のカギとなり施策のひとつです。
どの事例もベンチャーとしての開発力があるものの、ビジネスが軌道にのるまでの道筋はまだまだ遠く険しい状態です。
ESG投資先として、金融機関には積極的な検討を願いたいところですね。


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