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編集部ピックアップ紹介⑥ 蜘蛛の塔

こんにちは! ステキ編集部カワカミです!

11月22日に行われた文学フリマ東京、ブースにお越し頂き誠にありがとうございました!

ステキユーザーの方も何人かいらっしゃって、「あ! あの作品を書いている方ですか! あの作品は・・・」と直に感想をお伝えできたりと、とても貴重な時間を過ごせました。また次回があれば出たいですね。


さて、ピックアップ・ブンゲイの作品、六つ目はシュリさんの「蜘蛛の塔」をご紹介!

非業な運命を背負った少女と、少女の幸せを願う蜘蛛の切ない交流を描く作品です。


作品紹介


 領主の屋敷に産まれた娘は、忌まわしき魔女の姿をしていた。父親によって『塔』に封印され、孤独と飢えに溺れていく。彼女に救いの手を差し伸べたのは、一匹の蜘蛛だった。

世界から忌まれた少女と人外の歪な交流の物語。
(作品紹介文より引用)


見どころ① 作品に引き込まれる描写力


 引き込まれた、というのが、最初にこの作品を読んだときの感想でした。
 中世のファンタジー要素のある世界を、端的な文章でありながら過不足ない情報量で描かれており、序盤に描かれる『塔』の中の状況や蜘蛛の様子に至るまでが容易にイメージできました。彼らが次にどう動くのか。追いかけたくなったのを覚えています。


見どころ② 居場所のない少女と一匹の蜘蛛に待つ非業な運命


 狩るもの狩られるもの。最初は弱肉強食の関係だった一人と一匹。最初こそ、食い応えのある餌として肉をつけるために少女に餌を与えていた蜘蛛ですが、それは次第にこの子を守りたい、という動きに変わっていきます。そしてそれは肉親にすら愛されたことの無かった少女が初めて味わう温かいもので、蜘蛛の存在はかけがえのないものになっていきます。
 『塔』の中という箱庭のなかではあるが、ささやかで小さな幸せな時間。でもそんなものすら、彼女の背負う運命は許しません。
 かつて恐ろしがられた魔女を彷彿させる、色が抜け落ちたように白い肌。人に疎まれたその姿は、今度は魔女に恩のある、人外の魔物達にとって魔女の再来の証になってしまいます。
 願っているのは小さな幸せなのに、少女は魔物達の思惑に巻き込まれていく・・・・・・。
 少女が幸せを手に入れる未来はあるのか。
 蜘蛛は少女を守ることが出来るのか。

 是非結末までお楽しみください!


作品URL

https://sutekibungei.com/novels/0968139e-b191-4b01-9668-8f5de5dad7d9

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