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銀行の社会的地位

色々とスルー力の試されるコラムだったのですが最後のワンフレーズでついに引っ掛かってしまいました。

最後のワンフレーズとは;

>社会的地位の高い企業の経営者

です。社会的地位という言葉は、そもそも社会が複雑であることを捨象するし、どこまでいってもヒエラルキーでしか結論が導かれないので安易に使ってはいけないフレーズだと思っています。金融機関の経営をされている方々の中には、そういった見方を持ち出すことがよくないと仰る方々がいます。このコラムを書かれた方はとはいえ割と、このフレーズが自然に頭に入っていたのだと思うのですよね。

経済の成長フェーズとして、資金不足かつ成長経路の予見可能性が高ければ、社会的地位を確保することで銀行は信用をベースに多くの預金を獲得し、そこからさらに信用創造を行うことが、ある種の基準の中では正解だったと言えます。一方で資金余剰で成長経路が明確ではない経済では、既にその見方は変わっていると思いますし、固有業務の範囲や有している経営資源を含めて、様々なトレードオフと前を向かれて戦っている方々がいる状況もまた、捨象されていると思ってしまいます。

ちなみにコラムの決済の箇所は、1970年代に世界の最先端を理解した技術投資を行われたのが大事だったというのが個人的な理解です。ただ、その時代を生きていたわけではないので、小切手との比較論とかは、当時を支払者の立場で生きていた人たちのナラティブを聞いてみたいなと思いました。

#COMEMO #NIKKEI

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