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#59:転職後のウェルビーイング

GW明け、いかがお過ごしでしょうか。

やはり連休が挟まると、体調も仕事の調子も上手くコントロール出来ません。今日は午後から低気圧で頭もズキズキします。社会人として約20年目となるのに、相変わらずです。たぶん使い物になるのは、やはり来週からでしょうw

そんな不調の中、心身ともに健康で過ごすことの大切さをひしひし感じながら読んだ、徳力さんのnoteがコチラ↓。いつもながら深く納得。

ウェルビーイング(ざっくり言うと、心身ともに、そして社会的に健康であること。個人訳)って、相当、意識的に作り上げる必要があるんだなーと知りました。(ちなみに本家、楽天では「健康」って単語は使ってないですね↓)

その上で、個人的なウェルビーイング体験は?と考えてみる。そして、転職後半年間、新たな職場に適応しつつも、自分が機嫌良く過ごすために実践してきたことは、経験談として少しは還元できる内容かも、と気付きました。

これから転職される方は、転職後のご自身も少し想像しつつ、読んでいただけると幸いです。また4月に何らか環境が変わって5月病気味の人にも、少しでも何か応援になればと思います。

前置きが長くなりましたが、転職後の心身の健康面、新しい職場での社会的なウェルビーイングも含めて振り返ります。なお元来マイペースな性格もあり、転入者なのに図太く入り込んだという説もあるため、ご参考程度に。そして相変わらずの長文...。お時間許す時にどうぞ。

オンボーディング

新しい環境というのは、思った以上に心身ともに負担が大きい。楽天のウェルビーイングでもキーワードとして「サンマ(三間)」、つまり仲間、時間、空間を重要視している。その全てが大きく切り替わる転職というのは、ある意味キツくて当然である。

そういったことも踏まえて、最近では転職直後の中途入社メンバに対してソフトランディングを目的とした、オンボーディングという単語も聞くようになった。転職がより一般化すれば、どの会社でもスキームが整うだろう。期待⭐︎

しかしながら、入社した会社は中途採用に積極的であるものの、入社後は部署毎に個別対応。その所属部署はたまたま創成期という事情もあり、自らオンボードする必要があった。

まず最初にメモ

まず最初の1週間、1ヶ月はとにかくただ慣れる必要がある。やはりここが1番難しい時期だと思う。心理的、肉体的負荷は大きいし、でも第一印象は大事だし…。スタンス決めも難しい。

会社の状況や個人の特性もあり、正解はないと思う。ただ実践していたのは、ヒトの話を良く聞いてメモすること、新しく出会う人の情報もとにかくメモすること。幸か不幸か、コロナ禍で毎日出社してる人はせいぜい2、3人で、徐々に登場人物が増えたのでヒトは覚え易かった。

前部署、前職、家族構成、趣味、現在の担当、部門内の役割や話し方など、メモできることは全てメモした。あと社内で話されている仕事の話も、自分に関係あるかないか、意味わかるかどうかはさておき、全てメモしていた。人が少ない分、偉い人も比較的自席でリモート打合せしており、何を話しているかまで盗み聞けた。

このメモを積み重ねていくことで、会社の人間関係、仕事内容や課題、物事の決まり方、社内用語など、必要な情報はかなり収集できた。

素朴な疑問

入社初期の特権に、素朴な疑問をぶつけられることがある。「これまでの経緯を知らないので教えてほしいのですが」と前置きを付ければ、誰しもが、かなり何でも教えてくれた。

あとメモしてると「何でこんなことになってるんだろう」ということもあり、それも素朴な疑問で潰し込んでいくと理解が深まった。

そのうち「これは明らかに変だ」と思うことも出てくる。それを意見としてではなく、素朴な疑問として渡すと、相手も「確かに」と再考してもらえたりもしたのでかなり便利だった。

そして「前職ではどうでした?」と逆に聞かれたりも。「そういえばこうしてましたねー」と回答すると、少しは役に立ったかなと思えた。なお聞かれてない時は「前職はこうでした」と自ら言い出すのはやめようとも決めていた。

初動捜査

メモを書き溜め、素朴な疑問でヒアリングを重ねていくと、全体像がぼんやり現れる。それはあたかも警察が事件捜査しているかのような、そんな錯覚に陥いる。(もちろん、あくまでドラマで観た断片的な知識だが。)そうして転職後の初動捜査は、ほぼ完成に近づいたきた。

それと同時に、捜査にしても、仕事にしても、自分がどの仕事を担当するかが決まっていく。まずは何か出来そうなことから手をつけるが、情報収集よりもコチラの方がもっと手探りだ。この辺りは後半に書く。

とにかく出社

入社の直後は、とにかくオフィスに出社した。9割近い在宅勤務率なので、なかなか全員と顔合わせも出来ず、チームに溶け込むのは難しかったが、まあこんなもんかと割り切っていた。(全般的に期待し過ぎず、期待させ過ぎず)

それでも毎日出社してると新しい人や新しい話を聞くので、それを吸収することに力を注いでいた。いま振り返ってもそれは楽しかったし、人が少ない分、話しかけると雑談も弾むので、それで気持ちも安定したと思う。

ソロ行動

あとはコロナ禍のソロ行動を逆手にとり、ひとりランチを思いっきり楽しんでいた。

たぶん、オフィス周りのランチ場所は、入社以降、部門内で1番あらゆる所を試しているはず。まあ出社が多くて、ランチの開拓をしてるのが自分くらいなのでこれは間違いない。そして、恐らくこの事実は部門内の誰も知らない。w

あとは、駅直結のオフィスまで、駅からエスカレーターが通算3個ほどあるのだが、あえてそれは使わず、階段を勢いよく駆け上がって出社することで自分を盛り上げている。プラシーボ的だが、階段駆け上がることで心拍も多少上がって戦闘モードにはなっている(はず?)。

あとは、午前でも午後でもふと空いた時間があればわざわざ外にコーヒーを買いに行く。オフィス内は集中できるが、一方で、長く居続けると集中も途切れる。息抜きは適度にしてリフレッシュ。ランチも同じ理由もあり、なるべく外に出かけている。そして少し歩くと、なぜだか煮詰まっていた仕事のヒントが現れたりする。

心身を保つ

まあ階段、ひとりランチ、コーヒーでメリハリをつけつつ、心身を保っていたという話。あと最初は無用に残業することはなるべく避けるようにした。残業の風潮もなく、自らの仕事も最初は忙しくなく、それは無理なく実践できた。

それでも、残業がなくても充分疲れてたので新たな環境適応というのは、本当に負荷が高いと思う。いい格好して無理しなくて良かった。

最初は、仕事がしっかりできるか以前の状態。とにかく新しい職場という空間、仲間、時間軸に無理なく入り込めるかに、結果的にフォーカスしていたことになる。これは無意識だったので、ひとつずつしか片付けられない不器用さが幸いしたと思う。そのため、心身を保てた。

次の段階

そのうち、仕事も割り振られて手を動かすことも増えていくと、それにつれて在宅勤務も増えていった。在宅勤務自体はそもそも特に苦手ではない。むしろ通勤がない分、身体は楽だし、仕事時間も多く取れることはメリットである。

とはいえ、まだ職場や仕事の勝手が分かりきっていないと不便も多い。細かいが、資料の体裁などレベル感や粒度感が適切か分からず、在宅だと横の人にふらっと聞くわけにもいかない。

あと雑談が足りず、仕事のつながりだけだと、新たな部隊に配備された傭兵みたいな感覚がかなり強い。この孤立感、疎外感はキツい。特に今の仕事が割とひとりで動くミッションだったのも災いした。前職ではチームを率いて仕事をしてたので、その感覚とのギャップも大きい。

ジタバタもがく

上記のモヤモヤしていた時期は、入社後3ヶ月経った頃だったと思う。振り返ってみると、新しい空間や時間軸に慣れてきたので、たぶん仕事のペースは出来上がっていたのだと思う。

一方で仲間の部分、新たな職場での社会的なウェルビーイングがまだ物足りない感じだった。これは改めて考えると、そういうタイムラグがあるのは当然かもしれない。一気に全ての項目が充足するのは無理だと思う。やはり、空間→時間→仲間の順に時間がかかるイメージだ。

でも当時は、そういった俯瞰した分析もなく、とにかくジタバタもがいていた。

適切なアドバイス

そんな中、社外の知り合いにはその悩みを相談する機会があり、随分と助けられた。具体的には「このソーシャル的な物足りなさ、侘しさはどうすれば良いか?」と聞いたりしていた。

加えて「プロボノしたり、コミュニティ活動した方が良いか」とも聞いたら「転職直後にもうひとつ新たな扉を開くと立ち行かなくなるよ」とかなり冷静な指摘。ありがたいアドバイス。

転職後のトランジションが未だ途中段階だったのを客観的に教えてもらえた。感謝している。

役割とつながり

そうこうしているうちに、がっつり周りと調整しながら進める仕事、役割を担った。それを全うするには、対面の会議や相談なども必要となって出社頻度も上がり、その仕事で関わる人たちとはだいぶ関係性ができてきた。

また緊急事態の合間に、そのメンバーとは少人数でご飯に行くなど仕事外のコミュニケーションもあり、これでようやく受け入れられた気もした。ある意味遅めの歓迎会といった感じ。

少し脱線するが、たぶん、最近のコロナ禍で転職した人は同じような経験をしていると思う。「歓迎会」という普段はあまりピンときてなかったイベントもいざ、自分の番にそれが行われないと意外にキツい。いや、40代だからそう感じるだけなのか?それにしても、儀式というものには、それなりに意味があると知った。w

またそれ以外のメンバーとも、偶然、彼らの仕事の相談に乗る機会があった。その機会に少し踏み込んで相談に乗ると、次の相談があって、という感じで徐々にコミュニケーションが広がるきっかけになった。

まずは仕事を

ニワトリと卵だが、仕事するにも、周りと関係ができていない。周りと関係を作るにも、そのきっかけとなる仕事がない。最初はその状態。

恐らくオンボーディングがあれば、仕事の前に周りとの関係性構築を多少サポートしてくれると想像する。とはいえ、本格的に信頼関係を築くには、いずれにせよコチラが「仕事をする」しかない。あくまで職場なので当たり前だ。

なので、最初は手探りでやれることをアウトプットしてみた。プロジェクト報告資料を部分的にドラフトしたり、独自のリスク評価を試しに作って内部で反応を確認したり。ほぼ最初はボツになったが、そのうち少しずつ採用された。

そうして、相手に「少しは仕事になるかな」と思われることで関係性ができた。まずはコチラが仕事をして、その役割が担えることを示す。仕事仲間に入るための条件。これは何も転職に限らず、部署の異動などでも同じだと感じた。

最後に〜 焦らない

長々と振り返ってきたが、まとめると最初は新たな職場という空間や時間の使い方に慣れて、少し時間差で仕事を通じて、仲間に受け入れられていく、というステップを踏んできた。

とはいえ、まだ転職半年なので、周りとの関係性が弱い所や年間を通じた仕事の周期など、足りない部分は大いにある。しかし、心身ともに健康(ご機嫌)で、そして何よりも、周りとの関係性が徐々に築き始められたことは嬉しい。

総じて言えるのは、最初は周りから助けられてばかり、教えられてばかりが当たり前。その状況を受け入れて素直にたくさん感謝すること。またそのうち恩返ししようと心に秘めつつも、それでもその恩返しを焦らないことかと思う。

早く自分の居場所が欲しい。早く成果を出して認めて欲しい。周りから信頼されるようになりたい。存在意義を見いだし役割を果たしたい。

どれも転職直後から、喉から手が出るほど求めたくなるものだ。でも気持ちだけ焦っても、何ひとつ好転しないし、むしろ空回りする。

「やれることをひとつずつ積み上げて、そのうち歯車が噛み合えば何とかなるさ」

そう気長に構えることが、転職後のウェルビーイングを支えるヒントかもしれない。まあ割とありきたり、だけれども。(この先、また何度となく焦るであろう、自分への戒めとして)

【追記】受け入れ環境は大事

もう既に充分長いが、改めて読み返すととても大事なことが抜けていたので追記。転職後に何となくうまくいってる話で、しかも自助努力の話を中心にしたので、特に誤解のないように。

全ての前提として、受け入れ側の環境は大事。会社側に受け入れる土壌がないと、いくら独りで頑張ってみてもさすがに難しいと思う。

オンボーディングこそなかったが、中途採用が盛んな会社で、かつ周りは大人で多様性の中で働いてきた人ばかりの環境。そのため、受け入れてもらえる土壌はしっかりあった。幸運だ。

後から入ってきたのは自分なので、能動的に、プロアクティブに動き回って溶け込む努力をするのは必然である。それもせず、「環境が悪い」と他責にするのはもちろん論外だ。(そうなると、常に隣の芝生が青く見えるだろう)

でもどれだけコチラがアクションしたとしても「中途採用した経験が少ない」「保守的である」「たまたま上司や同僚が最悪」など様々な理由により、受け入れる土壌が整ってない職場もある。その場合、転入者側の努力だけでは全くウェルビーイングにならない可能性がある。

これは新卒入社や会社内の異動も当てはまる。

そんな時は、その会社で働くこと以外にも選択肢があることを想像してみても良い。もし可能ならば、私のように社外の人に相談してみるのでも良い。客観的な助言をもらえるはず。

そんな可能性も踏まえて、転職とオンボーディング、そして会社内のウェルビーイングが当たり前の世の中になればいいのに、と切に願う。

長文お読みいただきありがとうございます😭



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