「もの言う株主」村上世彰氏にとって株主になる価値とは


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みなさんは株式投資と聞くと、どのようなイメージがありますか。

「安く買って、高く売れば利益が得られる」
「複数の銘柄を買ってリスク分散をしたほうがいい」
「株主優待がもらえる」
など、それぞれのイメージがあると思います。もちろん、どれも間違っていません。しかし、見方を変えるとまったく異なる一面がみえてきます。

ここで一度、「株式を購入する」という行動の意味を考えてみたいと思います。株式を買うと、買うために支払ったお金は当然、株式を発行した会社へと渡ります。そして、会社の運営や事業拡張などに使用されます。つまり、株式投資は「企業や事業への投資」と言い換えることができるのです。

このことを大切にされているのが、「もの言う株主」というフレーズで有名な村上世彰氏です。今回は村上ファンド、新村上ファンドを創設した村上氏の株式投資に対する姿勢を学んでいきたいと思います。

株主になることには大きく3つの価値がある

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冒頭でも株主になることの意味を述べましたが、株主になる価値は大きく3つあります。

①配当を受け取れる
 会社の利益が分配され、配当金という形で受け取ることができます
②株主優待が受けられる
 会社が提供するサービスの割引券や商品などを受け取ることができます
③議決権が手に入る
 株主総会での投票権が与えられ、会社の経営に参加することができます
これらが株式投資の主な価値だと考えられます。①②はよく耳にするのでイメージしやすいいかと思いますが、村上氏は③を一番大切だと考えています。

日本経済が低迷しているのは株主が経営陣に意見しないから

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日本には世界に名を知られている大企業がたくさん存在します。しかし、近年パソコンや半導体などの分野で海外の企業にシェアを取られている、という事実を村上氏は問題だと指摘しています。

国内での競争が激しく、過剰投資・過剰競争による企業のむだな消耗が、海外企業に差をつけられている原因であり、その背景には「株主が経営に口出ししない」という日本独自の文化があるそうです。

村上氏はこのような状況を打破すべく、企業の経営方針に対して意見を言い、「もの言う株主」と呼ばれるようになりました。株主は資金を出し、一緒により良い企業へと成長させるのだという想いが行動を引き起こしているようです。

中高生に1人10万円を渡して投資を経験させる

村上氏は日本の「お金を稼ぐことはやましいことだ」という文化に疑問を感じ、教育にも力を入れています。「子どもの投資教育・実体験プロジェクト」では中高生を対象に1人3~10万円を資金として渡し、投資の経験をする機会を提供しています。

体験期間は1年間で、子どもにお金をいったん「贈与」し、1年後に「寄付」という形で返してもらいます。元手より増えた分は子どもが受け取れ、損失分は村上氏が負担するという形をとっています。

「損したら怖い」「元手資金がない」などの理由で投資をためらう子どもでも挑戦できるように、元手を出した上で損も引き受けるという仕組みからは、教育に対する村上氏の本気度が伝わってきます。

まとめ

株主になることには3つの価値があり、村上氏は特に「議決権が手に入り、会社経営に参加できる」ことが重要と考えています。また、次世代の子供たちに投資を通じてお金の教育を受ける機会を与え、お金を稼ぐことが当たり前の世の中をつくることにも尽力されています。

投資する人が増え、株主が会社経営に参加する世の中が訪れれば、もっと日本の企業は成長でき、世界的に活躍できるかもしれません。投資する際は、何のために投資をするのか考えていきたいなと思います。


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