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きんこちゃんは 行く

30年ほど前の話です。入社3-4年目の営業マンだったボクは、仕事で毎週のようにグラフィックデザイナーの北谷しげひささんのアトリエに通っていました。北谷さんは、おそらく日本で最初に広告原稿の「デジタル入稿」をした方だと思います。メインビジュアルはポジフイルムからデジタルスキャンされ、グラフィック・ペイントボックスと言う名前のソフトウエアで綺麗に修正され、巨大なリールの磁気テープ(直径50cmはある)に保存されて、版下と一緒に入稿するのですが、このプロセス交渉が本当に大変でした。印刷会社の現場の方はエンジニアなのでデジタル入稿を理解しておられるのですが、その間に入っている①印刷会社の営業の方②出版社の広告担当の方③広告会社の雑誌広告担当の方は、そんな新しい入稿なんてやったことがありませんから説明するのが本当に大変でした・・それでも見事にデジタル入稿を初志貫徹された北谷さんは本当に芸術とテクノロジーへの情熱があふれておられ、ボクは刷り上がった雑誌の美しい広告ページに感動したものでした。

イラストレーターでもある北谷さんの作品は、毎週月曜日に日本経済新聞夕刊の小泉武夫さんの連載「食あれば楽あり」で、食材モノが発表されていますが、北谷さんの真骨頂はかわいらしいどうぶつたちやユーモラスな音楽家の絵にあると思っています。

https://www.tis-home.com/kitatani-shigehisa/

先月、北谷さんから個展のご案内を頂き、表参道のギャラリーで北谷さんご夫妻に本当に久しぶりにお会いしました。展示されていた楽しいどうぶつたち!4月に出版される絵本「ぞうさんのふうせん」の主人公や、ワイングラスを持ったユーモラスなクロサイ、マンドリンを弾く黒猫のゴーシュらに交じってひときわ目を引く絵がありました。黄色のくまさん?え?猫ちゃん?体形はくま、なのに(ボクに似てる!)、耳が猫ちゃん!北谷さんに伺うと、これは「きんこちゃん」、新しくできたキャラクターなんだ!と。ほくろが可愛いきんこちゃんからしばらく目が離せなくなったボクは、北谷さんにお願いして、きんこちゃんを新しいオフィスの壁に飾ることにしました。

個展が終わって1か月後、巨大なきんこちゃんが厳重に包装されて美術品配送便でやってきました。額も重いのでフックを6個も壁に設置してようやく落ち着いたきんこちゃん、ちょうと目線の位置から少し高いところからボクを見守ってくれています。名前も色もそうですが、なんだか商売繁盛の神様みたいです。あ、正式な作品名は「きんこちゃんは いく」でした。よろしくね、きんこちゃん!

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2021年からフリーランスのプランナーとしてデビューしました。屋号は「IKOI」(苗字の逆読み)。産業カウンセラーでもありHR系が得意ですが、広い領域での社会貢献を目指します。休日は旧いクルマにでかい弦楽器を乗せてオーケストラの練習に行き、鉄道と唐揚(日本唐揚協会会員)も好き。