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世界一分かりやすい「目的」と「目標」

多様な人が集まるときの混乱・停滞の原因は?

仕事やまちづくり、ワークショップなどで、多様な人が集まり、何かの活動を行おうとしたときに、混乱したり、停滞する経験はありませんか?
その一番の原因は、「どこに向かうのか」が明確に共通認識されていないからです。

多様な人との協働のための「目的」「目標」

ゴール、アジェンダ、ビジョン、ミッション、パーパス、理念、展望、方針、目的、目標、ねらい・・・

いろんな用語が出る状況を皆さんも体験したことがあると思います。

多様な人が集まり協働するときに、一番分かりやすいのは「目的」と「目標」で整理するシンプルな方法です。

漢字からのイメージ化

日本語の漢字にそもそものヒントがあります。

目的とは「何のためにそれに取り組むのか」ということです。
的=まと=ターゲット
と考えてください。

目標とは「目的を達成するために目指すべきところ、あるべき姿のこと」をいいます。
標=しるべ=フラッグ
と考えてください。

それをいったん図にするとこうなります。
英語での「目的」や「目標」は様々な単語(goal,target,aim,purpose,intentionなど)があり、多様な人が集まる場合に正確な理解を共有することは難しいです。
日本においては、日本語の「目的」と「目標」が、一番ユニバーサルデザイン化された考え方です。
つまり、日本語をネイティブとする日本人にとって、世界一わかりやすいフレームワークとなるはずです。

本来達成したい目的があって、それを達成するためには、いくつかやらなければいけない目標が必ずあると思います。

この目的・目標は、活動の種類や規模によって、大小さまざまな形で考えられます。

例えば、行政計画であれば、完全に実現することが困難な大きな目的を掲げて、その目的に少しでもたどり着くことができるように目標をいくつか設定して、各事業を行います。
例えば、短期のプロジェクト型の活動であれば、必ず達成・実現したい目的を掲げます。「確実に達成・実現するための道のりは?」と考えて標(しるべ)となる目標を設定して、事業を進めていきます。

目的のブレはNG! 目標のブレはOK!

大事なことは、一度決めた目的をブラさないことです。その目的の達成・実現のためには、極論、どんな目標を設定しても良いです。目標を追加・変更していくことも良いことです。
目標とは、目的を達成・実現するための標(しるべ)なので。
ただし、目標を再検討・再設定する際には、取組の主体(あるいはステークホルダーも含む)にて必要な過程を経た共同意思決定をしなくてはなりません。

登り方は登ってみないと分からない部分もあります。目的さえブラさずに目的に近づくためであれば、どんな目標を設定しても、追加しても、変更しても良いです。

目的に向かう登り方・ルートは「手段」

目的に向かうための青い線で表している部分は「手段」と考えてください。

目的に一緒に向かう主体を明確に

個人活動以外では、一緒に目的に向かう人が必ずいるはずです。
目的と目標を共有して一緒に登る主体を必ず明確にしましょう。
そのみんなと一緒に目的と目標を共同意思決定できれば一番良いですが、そうでない場合は、その一人一人に対して「なぜ、その目的と目標を設定したのか」という理由も含めて、しっかり共有していきましょう。

ステークホルダーを明確に

目的・目標を設定するとき、取組主体のまわりのステークホルダーの存在もしっかり確認しましょう。
連携相手になるかもしれません。競合相手として意識する必要もあるかもしれません。自分たちの活動で間接的に利益を受ける存在もあるかもしれませんし、害を受けてしまう存在もあるかもしれません。

山に例えると見えてくる他の登山者たち

さらに、これまでのイメージ図の向こう側へ視野を広げてみましょう。

皆さんが目的としていることを山頂と考えると、山の裾野から様々な人たちが様々な手段(登り方・ルート)で、それぞれの目標を掲げて、目的(山頂)を目指しています。

そのとき、あなただったらどうしますか?

他の登山者よりも早く、山頂に一番に登ることを目指す場合もあると思います。
しかし、同じ1つの目標を共有できる可能性がある場合、他の登山者と手を取り合って目標に進むこともできるはずです。
その目標にたどり着いたら、また別々の登り方をするかもしれませんし、さらに高い目標に協働して登っていくこともできるかもしれません。

このように目的に向かう諸活動を立体化したときに、コーディネーターの必要性も見えてくるかもしれません。

おわりに

私たちサステナブルタウンでは「地域に暮らす一人一人が環境・社会・経済にとって最良な選択を見つけられる”サステナブルな地域社会”を日本中にたくさん作る」ことをミッションに活動しています。
◆ まちづくり活動、生涯学習、社会教育、市民活動、地域共創
◆ イベント学(プログラム作成・運営ノウハウ等)
◆ 公共施設や都市計画のソフトづくり(地域共創のワークショップ)
◆ コーディネート、コミュニティ活性化、WS運営
◆ チラシ・ポスター作成
◆ ポートランドのまちづくり
◆ 観光・おもてなし
◆ 多文化共生
◆ 多言語対応
◆ やさしい日本語×多言語音声翻訳
◆ 東京2020オリンピック・パラリンピックとまちづくり
◆ SDGs
◆サステナビリティ
◆D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)
◆レガシー
◆男女共同参画 など

さまざまな分野にて、2012年より、全国各地にて、その地域の課題に合わせてワークショップや講座、講演会等の内容・方法を考えて取り組んできました。

学びの力でより良い社会づくりを目指す活動を行う専門家として、これからもご要望に応じて取り組んでいきます。


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