「完休」や「レスト」を連続するとどれぐらい走力が落ちるのかを4ヶ月間検証してみた。

1年以上、十分にトレーニングを積んできたランナーがいわゆる「完休」や「レスト」を連続するとどれぐらい走力が落ちるのだろうか。

「1週間ぐらいやったら大丈夫そうやな...」

「○○をやればサブスリー!」とか「サブスリーのためのトレーニング」などといったキャッチーな情報は溢れているが「完休」や「レスト」を連続すると、一体どれぐらい体重が増え、筋力や持久力が落ちる(走力が落ちる)のかを明確に記録している人やブログはあまりみない。

私は2021年8月にエアズームヴィクトリーを履いて練習した時に、想定よりもかなり速いタイムが出てしまい、その時にアキレス腱をやっちまったような感じがして、その後数ヶ月アキレス腱に違和感が残った。

ということで、2021年の8月中旬ぐらいから思い切って「休養という練習」を頑張ってみることにした。

この1年間の練習量の推移

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20年11月:340km(基礎期)
12月:396km(基礎期)
21年1月:537km(鍛錬期)
2月:361km(調整期)
3月:224km / 21.1kmTT 1:07:45
4月:185km / 3000mTT 8:52.6
5月:282km(おもにジョグ)
6月:187km(練習できる時間が減少)
7月:113km(リカバリー力が低下)
8月:99km(アキレス腱やっちゃう)
9月:131km(2月から体重が8kg増)
10月:75km / 3000mTT 9:47.4
11月:60km / 3000mTT 9:58.8
12月:35km(運動は週1ジョグのみ)
22年1月:11km(1/13まで)
★月間350-500km程度 → 35kmまで減少(10分の1の練習量)
→ 体重が8-9kg増加。


この1年間の走力の推移

21年3月:21.1kmTT 1:07:45(31:35 / 32:29 / 3:40)👟 飞电 2.0 ELITE
4月:3000mTT 8:52.6(2:58 / 2:59 / 2:54)👟 メタスピードスカイ
10月:3000mTT 9:47.4(3:13 / 3:18 / 3:15)👟 飞电 2.0 ELITE
11月:3000mTT 9:58.8(3:13 / 3:23 / 3:22)👟 飞影PB
12月:3000mTT 10:00.7(3:11 / 3:27 / 3:22)👟 飞电 2.0 ELITE
22年1月:3000mTT 11:31.8(3:38 / 3:53 / 4:00)👟 偽物ドラゴンフライ
★ 3000mTTで8:52(4月)→ 11:31(1月)まで遅くなった。
→ 筋力や有酸素能力が低下、体脂肪と体重が増加


補足と結論

【補足】
・コロナ禍でリモートワークが増えて歩行の機会が減少。加えて自転車移動はいつも電動自転車(総じて運動量 / 消費カロリーが減少)
・休日は子供と近所の公園で遊ぶことが多く試合どころではない(今は仕事や家族との時間を優先している)
・この期間で1番落ちたと感じたのが有酸素能力。12月の3000mTTは10:00で走ったが、その時にはもう4:00/kmで10km走るのすら厳しかった
・距離が長くなればなるほど有酸素能力構築の重要度が増すが、3000mTTの距離であればカーボンシューズの助力(バイオメカニクスの変化とそれによる酸素消費量の節約)で走力の大幅な低下を抑えていた
・カーボンシューズを履かなかった1月の3000mTTは11:31と大幅にタイムを落とした(カーボンシューズで走った12月は10:00だった)
・ある程度の走歴があれば、走力が落ちている期間もカーボンシューズの恩恵を受けることができ、有酸素能力が落ちれば落ちるほどその恩恵を最大限受けていると感じた(練習を中断していても走力をある程度維持できた)

【結論】
結果的に走力が大幅に落ちて、体重が大幅に増えたが、8月から数ヶ月違和感があったアキレス腱が完治したので満足。基本的に今後も故障なくランニングをしていきたいので、多少走力が落ちても怪我を“完治”させることも重要だとわかった。
→ 故障の治療期間中にランニングをせずとも:有酸素能力を落としたくなければバイクや水泳、筋力を落としたくなければウェイトや筋トレが有効

故障や違和感を引きずりながら、走りながら治すという人もたまにいるが、学生や標準記録を狙う選手のように結果 / 記録を出したい試合の日程が決まっている場合、無理をしながら体を酷使していく局面も時にはあるだろう。

しかし、いわゆる市民ランナーといわれる人は、加齢で競技力が年々低下していくとはいえ、体を酷使しながら積み重ねていくことは精神的な負担が大きいこともあり、あまりオススメできない。長い目で見れば、多少走力が落ちても、数ヶ月間、休んでみるという決断も時には必要かもしれない。


2021年9月中旬以降のメニュー

Stravaに全メニュー掲載

画像2

9月前半に練習するもアキレス腱に違和感あり。2週間休んでみることに。
9/14(火)休み
9/15(水)休み
9/16(木)40分ジョグ(7.8km, 5:11/km)
9/17(金)休み
9/18(土)休み
9/19(日)休み
9/20(月)休み
9/21(火)休み
9/22(水)50分ジョグ(9.8km, 5:06/km)
9/23(木)休み
9/24(金)休み
9/25(土)休み
9/26(日)休み
9/27(月)休み
9/28(火)休み
9/29(水)休み
9/30(木)休み
9月:131km(前半に多く走行)

10/1(金)休み
10/2(土)休み
10/3(日)休み
10/4(月)27分ジョグ(5.5km, 4:56/km)
10/5(火)27分ジョグ(6.0km, 4:34/km)
10/6(水)34分ジョグ(7.5km, 4:37/km)
10/7(木)4 (300-200)R1" / SR2:30
① 53.2 / 35.0
② 52.4 / 34.3
③ 51.1 / 33.2
④ 50.6 / 32.1
※短い練習はこなせるが徐々に有酸素能力が落ちている
10/8(金)38分ジョグ(7.9km, 5:02/km)
10/9(土)38分ジョグ(7.4km, 5:11/km)
10/10(日)休み
10/11(月)36分ジョグ(7.4km, 4:51/km)
10/12(火)2000m 7:14+4×200, 36-38"
10/13(水)休み
10/14(木)3000mTT 9:47.4(3:13.3 / 3:18.1 / 3:15.4)👟 飞电 2.0 ELITE
10/15(金)38分ジョグ(7.0km, 5:29/km)
10/16(土)休み
10/17(日)1500m 4:39.6(1000m通過3:06.3 / last 200m 37.0)
※まだアキレス腱に少し違和感。以下、休養に専念
10/18(月)休み
10/19(火)休み
10/20(水)休み
10/21(木)休み
10/22(金)休み
10/23(土)休み
10/24(日)49分ジョグ(10.0km, 4:54/km) 
10/25(月)休み
10/26(火)休み
10/27(水)休み
10/28(木)休み
10/29(金)休み
10/30(土)休み
10/31(日)休み
10月:75km

11/1(月)39分ジョグ(8.6km, 4:36/km)
11/2(火)26分ジョグ(5.0km, 5:05/km)
11/3(水)休み
11/4(木)休み
11/5(金)休み
11/6(土)休み
11/7(日)休み
11/8(月)休み
11/9(火)休み
11/10(水)22分ジョグ(4.3km, 5:01/km)
11/11(木)3000mTT 9:58.8(3:13 / 3:23 / 3:22)👟 飞影PB
11/12(金)休み
11/13(土)休み
11/14(日)休み
11/15(月)27分ジョグ(5.0km, 5:24/km)
11/16(火)トレラン16.6km(+)861m
11/17(水)休み
11/18(木)休み
11/19(金)休み
11/20(土)休み
11/21(日)休み
11/22(月)休み
11/23(火)休み
11/24(水)休み
11/25(木)トレラン12.8km(+)481m
11/26(金)休み
11/27(土)休み
11/28(日)休み
11/29(月)休み
11/30(火)17分ジョグ(3.9km, 4:27/km)
11月:60km

12/1(水)休み
12/2(木)休み
12/3(金)トレラン13.3km(+)515m
12/4(土)休み
12/5(日)休み
12/6(月)休み
12/7(火)休み
12/8(水)休み
12/9(木)3000mTT 10:00.7(3:11 / 3:27 / 3:22)👟 飞电 2.0 ELITE
12/10(金)休み
12/11(土)休み
12/12(日)休み
12/13(月)休み
12/14(火)休み
12/15(水)休み
12/16(木)休み
12/17(金)休み
12/18(土)休み
12/19(日)休み
12/20(月)25分ジョグ(3.8km, 5:30/km)
12/21(火)休み
12/22(水)休み
12/23(木)休み
12/24(金)休み
12/25(土)休み
12/26(日)37分ジョグ(6.5km, 5:47/km)
12/27(月)休み
12/28(火)休み
12/29(水)休み
12/30(木)休み
12/31(金)休み
12月:35km(12月は4回しか走ってない!=週1)

1/1(土)休み
1/2(日)休み
1/3(月)休み
1/4(火)休み
1/5(水)休み
1/6(木)60分LSD(8.1km, 7:11/km)
1/7(金)休み
1/8(土)休み
1/9(日)休み
1/10(月)休み
1/11(火)休み
1/12(水)休み
1/13(木)3000mTT 11:31.8(3:38 / 3:53 / 4:00)👟 偽物ドラゴンフライ
※カーボンシューズではない


この記事で伝えたかったこと

この記事で伝えたかったことは、どれだけサボれば(休めば)どれだけ走力(筋力や有酸素能力など)が落ちるかということと、休養することによって故障や精神面の負担がどれだけ軽減されるか、ということを天秤にかけることが重要であるということである。

私は8月にエアズームヴィクトリーを履いてから、10月中旬に少し練習を重ねた(月間100km以上のペースで走っていた)時期までアキレス腱の違和感があった。そこから走るのを週に1回程度にして、月1の3000mTTで走力をテストする以外は週1で短めのジョグかトレランだけにした。

その結果、走力は落ちたが、アキレス腱の違和感は完全になくなった。筋力や有酸素ベースはまた1から作り直せばいいと思っているし、これが練習を重ねながら騙し騙し走っているとアキレス腱などの故障すると厄介な部分は、完全に治癒するのにかなり時間がかかってしまうと感じた。

年齢を重ねるにつれてリカバリー能力が落ちていくことは自身でよくわかるし、それをふまえると長く休養すること(長めのオフを取ること)の重要性を学んだ。また、オフ期や基礎期はトレランなど気分転換のゆっくりのロングランもオススメである。

私はこの3年間で、練習を計画的に積んでいけば走力が向上するものの、だんだんと故障のリスクを背負うということを経験した。また、逆に休養すればするだけ期間が長ければ徐々に走力は落ちていくが、体は徐々に治癒していくことを経験した。

徐々にマイレージを重ねたり、強度を段階的に上げていく時期は体への負担が増すが、試合期が終われば当然、オフは取るべきものであり、年間や半期のスパンで練習と休養のバランスを取りながら徐々にフィットネスを高めていくことが重要だと学んだ。


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