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【weekly post】2022年6月建設・不動産領域Pre-Seed~SeriesA資金調達inUS

久々にリアルタイムのWeeklyが書けて良かったなと思っております。

Weeklyはヘルスケアと教育領域についてもやっているんですが、この2つについてはリアタイに追いつくのが激しく困難なくらい期間が空いてしまっております。

上半期総集編ということで出せればと思っておりますが、それも出てこないじゃねぇかというのはごもっともでして....ということでスケジュールを切っていこうと思います。

■US教育 SeriesA上半期総集編
→7月25日

■USヘルスケア SeriesA上半期総集編
→8月1日

こんな感じでやっていければと思っております!

なんとか下半期からは、リアタイでこの3領域追ってきたいなと思います!

さて今月分ですが、ここ数ヶ月さまざまな領域に投資をする著名VCがこの領域でも見られていたのですが、今月はそういった顔ぶれはなく、一方で建設特化のBuilding Venturesが数社投資していたり、Toyota Venturesの投資も出ていました。

後ほども触れますが、引き続き調達件数は多めを維持しています。

それでは、まずはサマリーから見ていきましょう。

6月のサマリー

資金調達まとめトップ画

グラフだけ見ると「数字合わせてる??」って思いたくなりますが、全くそんなことはないです。

今月も20件のファイナンスとなりまして、2021年上期を平均するとひと月あたり21社程度の企業がPre-seed~seriesAのファイナンスをしていたことになります。

一つ前の半期と比較すると5社も増えているのでしっかり増えているなという感じですね。

■対象企業
所在地:US
対象領域:建設・不動産領域
企業ステージ:プレシード~シリーズA
ファイナンス時期:2022年6月1日~6月30日まで

資金調達まとめトップ画

今月のステージの分布ですが、先月PreSeedが0件だったのでその時と比較するとまだマシですが、今月もシード中心となっており2ヶ月連続で例月の分布とかなり違う結果になっております。

資金調達まとめトップ画

一方で領域の分布に関しては、建機、建材、モジュール等建設が珍しく調達していることを除くと、全体的なバランスは例月通りかなという印象を持っています。

ちょっと気になっているのは、今月Seed中心だからということもある気がするのですが、いつもであれば突出してファイナンス総額が大きくなる金融保険領域がそこまで大きな金額になっていないことです。

マーケットの環境が今までと変わり、金利が上がっていることなどもあるので、もしかすると今後より稼ぎにくくなったり優位性を出しにくくなるのでは?という懸念等あるのかもしれないですね。

4月分のweeklyを書いた時にアメリカの経済指標や金利についても合わせて取り上げましたが、直近のCPIもコンセンサスを超える上昇を見せるなど引き続き利上げが続くと見られてますよね。

利上げペースも、0.75から1.00に引き上げられるかもしれないという話まで出てきているので厳しい環境は続いていきそうですね。

①【Rigor】建設PJ進行に必要な資金のファイナンス(Seed)

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設立:2021年
今回調達金額:$3.5M
調達総額:$3.5M
リード投資家:Third Prime(協調投資家にBain Capital Ventures)
サービス内容等:

一般的に企業の中小企業のファイナンスというと、会社に対する融資というのが一般的だと思いますが、このサービスでは建設プロジェクトに対して融資をするサービスになります。

流れとしてはプロジェクトの概要、資金ニーズなどの詳細を公開し貸し手がプロジェクトの内容を確認し、条件交渉、実際に資金の供給を行っていくというもので、Rigorはそのお金のやり取りや契約管理を行っており、支払いに関しては自動化を行い、契約はスマートコントラクトで管理をされるようになっています。(プロジェクトファイナンスをすごく小さくしたようなものといった感じでしょうか)

②【Green Badger】グリーンコンストラクションコンプライアンス管理(Seed)

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設立:2013年
今回調達金額:$1.1M
調達総額:$1.3M
リード投資家:Shadow Ventures
サービス内容等:

グリーンコンストラクションにおける認証関連データの管理取りまとめや建設ESGレポート作成のためのデータトラッキング、ベンチマーク比較、資料作成を支援するサービスです。

現場で作業している方やオフィスで作業している方、両方が使えるようにUI設計されています。

また、環境性能評価システムのLEED認証のためのドキュメンテーション機能に加えより深く入り込んだ支援を行うためにコンサルティングサービスも提供しています。

③【Constrafor】契約・キャッシュフロー管理とファイナンス(Seed)

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設立:2019年
今回調達金額:$6.3M
調達総額:$106.3M
リード投資家:FinTechCollective
サービス内容等:

ゼネコンと専門工事業者の両方に提供されているサービスで、ゼネコン向けには契約管理、請求書の確認・支払いを、専門工事業社には、プロジェクト関連書類管理、売掛金管理・監視、資金繰りの分析改善を機能として提供しています。

専門工事業者の資金繰りの部分については預金口座やクレジットカード情報を連携することで支払いなどもリアルタイムで確認し、constraforが提供するアーリーペイメントプログラムを活用することで、借り入れ等を行わずにキャッシュフロー改善ができるようになっています。

④【Agorus】デジタルファブリケーション(Series)

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設立:2018年
今回調達金額:$6.5M
調達総額:$29.5M
リード投資家:Blackhorn Ventures(協調投資家にToyota Ventures)
サービス内容等:

独自の建設ソフトウェア(3D CADっぽい)を活用し製図、構造エンジニアリングを自動化、それたのデータをもとに最新の製造機械を用いて住宅のコンポーネントを作成し現場で組み立てるという流れになります。

ソフトウェアの方では製図に合わせて、どんな部品が必要になるか部品リストを作成し、その部品のリアルタイムでの調達見積もりがいくらになるかまで出せるようになっているようです。

製造されたコンポーネントを現場に持っていき組み立てるわけですが、2,500平方フィート程度の住宅の場合3-5日程度で建築が完了するようになっており、職人の人数も通常6-20人程度の規模の場合4人程度で完成できるとのことでした。

編集後記

②は時流に乗ってる感じがしますし、③と④は割と僕が好きなタイプの事業だなと思って見ておりました。

③の部分については、過去のnoteにも書いたことがあるような気がするのですが、資金繰りの部分をケアしてあげるようなサービスで、通常だと会社に対しての融資という形になるかと思うのですが、そうしないことで、より資金を得やすくしたりできるのは良いなぁと思います。

また、ファイナンスの部分に深く入り込むために資金調達だけでなく、その需要に関わる財務管理や契約書管理、クレジットカード(デビットカード提供してるっぽい)、預金口座の提供(ゴールドマンと連携してる)までやっているというのは面白いなと思いました。

④の方については、今までも短期間で建設ができるサービスを提供している事業者さん取り上げてきたので、期間などについては正直そこまで驚きはないのですが、これまでの企業は割と規格化を行って、この形であれば低価格、短工期というのを実現していた印象で、そのような形ではなさそうな今回のサービスでここまで短期間化できるというのは驚きでした。

weeklyで海外の建設ばかり見ていて、日本のキャッチアップができている気が全くしていなかったので、最近Twitterにも流れてきていた、「建設DXの現在地」という本を買ってみました。

すでに若干積読になっているんですが、早めに読んで海外の情報も組み合わせながら自分なりに仮説を立ててみようと思います。

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