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【weekly post】2022年11月教育領域Pre-Seed~SeriesA資金調達in米国

先週建設不動産のnoteを書いていた時は12月とはいえ、まだ本格的な年末感ってものはあまりなかったような気がするんですが、遂に12月も中旬ということで、そろそろちゃんと年末感出てきてるんじゃないでしょうか

たまたま、土曜日に我が家で仲のいい友達というか先輩というかと宅飲みをしまして「今年どうだった?」的な話をちらっとしまして、「あー、遂にこの話題が出るってことは本格的に年末なんだなぁ」と思いました。

そろそろ場合によっては、「良いお年を」的なご挨拶のタイミングになってきてるのかもしれないですね。

今週からちらほらと忘年会的な食事会も少し増えるので、より年末感が増してきそうです。

さて、今週ですが、サムネ画像にも出した通りでTechstars祭りでございます。
Techstars Workforce Development Acceleratorという従業員向けの福利厚生やスキルアップ、リスキリングなど労働市場の課題解決やニーズにこたえるためのスタートアップ向けプログラムがあるようで、それが11月にスタートアしています。

その関係でTechstars Workforce Development Acceleratorから調達をした企業が今月の調達の半分を占めるという結果になっています。
後ほど、今回も3社のスタートアップをご紹介するのですが、そのうち2社はTechstarsからの調達企業になります。

今週以降の予定は下記のとおりです。

12月12日:教育@US
12月19日:ヘルスケア@US
12月26日:建設不動産@EU
1月3日:休み
1月9日:休み
1月16日:12月建設不動産@US
1月23日:12月教育@US
1月30日:12月ヘルスケア@US

1月の1回目と2回目はお休みにする予定でございます。

それでは本編に入っていきましょう

11月のサマリー

■対象企業
所在地:アメリカ
対象領域:教育領域
企業ステージ:PreSeed~SeriesA
ファイナンス時期:2022年11月1日~11月30日まで

初めにいつも通り、調達企業数の推移からですが、先週取り上げた建設不動産@US同様に教育領域についても少し増えていて数が少ないのであれですが、一応下半期最高の件数となりました。

ただ冒頭でも書いた通りでこのうち半数がTechstars Workforce Development Acceleratorの参加企業なので、実質このアクセラがなければ今季最低タイだったということになるので喜んでいいのか悲しむべきなのか何とも言えない所です。

ステージ分布で行くとアクセラ参加企業が半数ということもありほとんどPreSeedでSeriesAについては久々になしということになりました。

カテゴリーの分布を見ると、アクセラの影響もあり、ビジネススキル拡張系系が中心になってますが、教育支援ツールが多くなっているのも今月の特徴かと思います。
個別に取り上げはしないのですが、授業のメモをAIが自動で作成してくれて、資料の読み込みなどにかかる時間を削減し、勉強に割ける時間を増やす手伝いをしてくれるツールなんかもありました。

というわけで、今月の調達企業からは、ビジネススキル拡張系サービス1社と教育支援ツール(広義でのものも含む)2社をご紹介させていただきます。

①【Emerge Career】元受刑者向けスキルアッププログラム

設立:2022年
今回調達金額:$3.2M
調達総額:$3.2M
リード投資家:Seven Seven Six
サービス内容等:
サービスの話の前に投資家の顔ぶれの話なんですが、リードではないですが、このラウンドにYcomが入っていて、数年前に少し話題になっていた非白人系US企業に投資するソフトバンクグループのファンドである「SB Opportunity Fund」も投資家として入っています。

サービスとしては刑務所を出た元受刑者の方に対して仕事を得るために「オンライントレーニング」「実地研修」「職業紹介」を提供しているサービスです。

コースとしては、現状トラック運転手になるコースと製造業向け(溶接系らしい)のコースの2種類が用意されています。

またTech Crunchによると看護助手系のコースも新設される計画があるようでした。

すでにコネチカット州では、実証がなされているようで140人にトラック運転手向けのコースを提供、さらにローンチから3ヶ月間で3つの都市で225万USDの基本合意を締結しているようです。

②【Everprep】試験問題制作プラットフォームと問題DB

設立:2020年
今回調達金額:不明
調達総額:不明
リード投資家:Techstars Workforce Development Accelerator
サービス内容等:
内容を見ている感じ、学校教育向けというよりかは社会人のスキルアップ向けといった印象なのですが、スキルアップのための専門的な試験対策を目指す学習者向けに、演習問題や模擬試験問題を提供するプラットフォームのようなサービスです。

問題演習は間隔反復学習という手法で学生が忘れる直前あたりを狙って学生に提供される仕組みになっているようで学習効果を高められるような仕組みになっているようです。

演習問題などはその領域の専門知識を持った人が制作できるようになっておりEverprepは制作と販売の支援をするような立ち位置になります。

学習者側には専門的な試験の演習ができる環境を提供し、専門知識を持った人にはその知識を使って仕事以外の場でマネタイズする手段を提供しています。

ちなみに創業者は海軍出身で元は海軍兵のキャリアアップ試験を支援するサービス「Bluejacketeer」をやってた方で、昨年アメリカの教育サービス企業KAPLANに買収されています。(今回のサービスはBluejacketeerの対象ユーザーを一気に広げ、自社のポジションもコンテンツ提供者からプラットフォーマーに変えたといったようなイメージでしょうか)

③【Klas】ライブクラス販売・運営・管理支援サービス

設立:2021年
今回調達金額:$120k
調達総額:$250k
リード投資家:Techstars Toronto Accelerator
サービス内容等:
ライブクラスを行う上で必要になる、スケジューリング、支払い、リマインド、学生管理、Zoomなどの配信ツールをすべてひとまとめにしたようなサービスで簡単にライブクラスの運営ができるようになっています。

基本的には個人の先生が教えるというよりかは、法人向けに提供していて、コンテンツを持っている企業のためにオンラインスクールを構築する仕組みを提供しているようなイメージになります。(領域違うんで、ちょっと混乱させるかもしれないですが、イメージ的にはShopifyみたいな感じが近い気がします。)

ライブクラスの提供方法は、独自のライブ授業配信ツール「Klas live」を使うこともできるし、ZoomやTeamsなどを使うこともできるようになっており、生徒とのチャット機能、クラス管理のための独自ダッシュボードなども提供しています。

編集後記

さて今回も3つの企業をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?

個人的に一番興味があったのは①のEmerge Careerでした。
このサービスを見てちょろっと調べただけなので、素人of素人ですが、日本でも2020年はコロナの影響で再犯率が過去最悪の数字になっているようでした。

コロナ影響で一時的に上がっているだけであればまだましなのかなと思うのですが、年々右肩上がりで率が上がっている状況のようで、日本でも実は同じようなニーズがあるんじゃないかと思ったりしておりました。
(参考:「再犯者率」過去最悪49・1%、コロナ禍で出所者の雇用状況悪化か…犯罪白書(読売新聞オンライン))

海外の場合、再犯防止のための予算が潤沢で日本にはそのような予算があまりついていないということであれば、そこもハードルになるのかなと思ったのですが、日本でもかなり様々再犯防止関連の予算が組まれており、Emerge Careerが州からお金をもらっているのと同様に国や自治体からもらうなんてこともありあるんじゃないかと思います。

あまり教育系の領域で元受刑者向けの教育というのは聞かないので、もしかすると様々壁があるのかもしれないのですが、日本だったらどんなやり方ができそうか考えてみるのもよさそうだなと思います。

そのほかの2社についても軽く触れておくと、

Everprepについては、ざざっとサービス見ながら今後のサービスの広げ方のところが気になるなぁと思っておりました。

基本的にコンテンツの制作は専門知識を持った方の作成に依存するわけですが、模擬試験などについては、問題のDBからEverPrepが作成するっぽく、一定問題DBの厚みが必要であることを考えると、現状、どこかの領域特化という感じがしないサイトの作りになっていたので、どのように短期間で問題量を集めていくのか、海軍特化のサービスを売却してるからこそあえて特化して立ち上げることはしないのか、それとも満足度を損なわないためにも、一定どこに初期ニーズがあるかはこの状態で検証して、集まってきた段階で一度特化にするのか、どんなやり方で数の担保をするんだろうかというのは気になります。(もう少しいうと、質の担保もハードルが少しある気がする)

Klasについては、何がボトルネックになってくるんだろうかとか考えてみると結構面白いのかなと思いました。正直書きながら考えていたので、「このあたりじゃないか?」的なのがあまり思い浮かんでないのですが、Shopifyと比べたときに対象になるビジネスオーナーの数はそんなにたくさんあるんだろうかとか、もののECと比較したときにSKU数はどんな感じになるだろうかとか、教育コンテンツの越境って具体的にどのあたりだったら可能性がありそうか(少し前、ハロウスクールの件もありイギリスの教育輸出の話とかは少し話題になってるけど)とかいろいろ考えれるポイントがある気がしました。

今回はこれにて以上になります。
いつも長文読んでいただきありがとうございます!
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それではまた次回!

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