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【weekly post】2022年8月建設・不動産領域Pre-Seed~SeriesA資金調達in欧州

平田拓己

今週は月曜日が祝日ということで火曜日の投稿になりました。
しかも、本来今日はヘルスケアの8月をまとめる予定だったんですが、先に欧州の建設・不動産領域からやっていきます。

何故かと申しますと、実は先週割とスケジュールがそこそこ埋まっていた週でして、しかも週後半に出張があったということで、noteをフライングで書き始めるタイミングがなく、1日で仕上げないといけないスケジュールになってしまいました。

しかも、weekly欠かさず読んでくださってる稀有な方がもしいらっしゃればご存じだと思うんですが、ヘルスケアはSeriesAのみの取り上げにも関わらず毎月ぶっちぎりで件数が多く(8月も多い)、火曜日に出すには間に合わなさそうな感じがしたので、先に数の少ない欧州の建設不動産からということになりました。

念のため、今後のスケジュールです。

9月5日:US建設不動産
9月12日:US教育
9月20日:EU建設不動産→今回
9月26日:USヘルスケア

というわけで今回は、欧州の建設不動産なのですが、サムネにも記載した通り、調達件数は引き続き低調、しかも、環境系のスタートアップが1社しか出てきておらず、アメリカの建設不動産まとめてんのか?と思うほどでした。

それでは早速、8月のサマリーから見ていきます。

8月のサマリー

■対象企業
所在地:UK、オーストリア、トルコ、フランス(順不同)
対象領域:建設不動産領域
企業ステージ:プレシード~シリーズA
ファイナンス時期:2022年8月1日~8月31日まで

今月の調達企業数は、7社で7月からさらに1社減った形になりました。

ステージ分布は上記の通りで、1社を除くとすべてSeedということで、PreSeedは出てこずでした。
イレギュラーな月と言えばそうなんですが、PreSeedがない月は時々あるので、特に何か悲観しなければいけない傾向かと聞かれればそうでもなさそうかなと思っております。

その証拠にというほどのものではないんですが、SeriesAは唯一の企業が調達額非開示だったためへこんでますが、Seedの平均調達額はほぼ横ばいの傾向になっていて、極度に環境が悪くなってPreSeedがなくなっているというわけではなさそうなことが感じ取れる気がします。(そもそも、市況が悪くなるとPreSeedがなくなるということは逆にない気もしますね。)

今月もっとも特徴があるのはもしかするとこのグラフかもしれません。
通常、欧州もアメリカも左側のカテゴリーほど調達企業が多く右に行くにつれて減っていくような感じになるんですが、今月は満遍なくあります。

今回初めてこのシリーズを読んでくださった方向けに記載しておくと、欧州の建設不動産領域はUSなどと比較したときに「建設不動産×環境」といった感じの事業を行うSUが多いという特徴があります。

一方、今月については1社のみとかなり少なく(いつも2社以上あるイメージ)事業的にもUSでむしろよく見るようなものが多かったような印象を持ちました。

そもそもの絶対数が少ないので何とも言えないのですが、この経済状況をうけて「環境とかそれどころじゃなくない?」ということで、そちらの事業があまり評価されなくなったということなのか、たまたまなのかという点は今後、意識的に見ていきたいなと思っております。

①【Oxwash】オンデマンドランドリーサービス(SeriesA)

Oxwash

設立:2018年
所在国:UK
今回調達金額:不明
調達総額:$7.8M
リード投資家:UNTITLED
サービス内容等:
これは、果たして建設不動産なのか?というのは、僕も同じ思いなのですが、不動産のホームサービスの延長線上というとらえ方で上げてみました。

サービスとしては、基本的には洗濯クリーニングのサービスで自宅まで取りに来て、仕上がるとまた納品しに来てくれるというものです。
個人宅だけでなくホテルやカフェなどのtoBもターゲットとしておりAirbnbについては連携してリネン類の取り換え、洗濯のサービスも提供しています。

1社としてカウントしてませんが、このサービスもやや環境押しがあるサービスです。

集荷は、電動のカーゴバイクを利用して行い、洗濯についてはプロセスの再設計を行うことで、洗濯に利用する水のリサイクルをしています。
また、プラスチックマイクロファイバーを95%取り除いて排水することで海への流出を防いでいます。

②【Built AI】商業用不動産投資調査ツール(Seed)

Built AI

設立:2021年
所在国:UK
今回調達金額:£2.0M
調達総額:$2.5M
リード投資家:個人投資家
サービス内容等:
不動産投資を行う前の事前調査段階を支援するAIベースの分析ツールになります。

既存の分析手法を用いると物件ごとにデータを自力で調達し不足もある中で、主観混じりに判断しなければならなかったのに対して、このツールでは、パンフレットデータから重要な情報を抽出したりソーシャルリファレンスやローカルの情報、過去データなども用いることでより多くのデータから客観的で深い分析を提供します。

海外のニュースなども簡単に探ってみたんですが、あまり情報が出ておらず、具体的にどのような情報をどこからとってきて、どのような分析をするのかなどはあまり見えてきませんでした。

ただ、投資家としてAppleの元幹部やAppleが買収したデジマ系のサービスを展開するDataTigerの元幹部が参加してますし、VCの元ディレクターによって設立されていることもあって、裏側は結構面白いんじゃないかなと思いました。(忘れなければ、もう少しラウンドが上がったときに情報が出てきたら見てみたい。)

③【wowflow】施設清掃管理SaaS(Seed)

wowflow

設立:2019年
所在国:オーストリア
今回調達金額:€1.0M
調達総額:$1.4M
リード投資家:不明
サービス内容等:

施設管理者と施設の清掃を行う企業の両方をユーザーとする施設清掃管理SaaSです。
主な機能としては、「コミュニケーション」「作業指示書」「保守清掃作業関連各種レポーティング」「作業完了レポート」の4つになります。

Appも提供されていますが、AppをDLしていない作業員の方でも利用可能になっており、作業指示書はQRコードでの共有もできるようになっています。

施設管理者サイドには、清掃や保守だけでなく、鍵の管理なども含め作業効率化を押しポイントに掲げており、事務作業は何を基準にしているか記載ありませんが40%減とのことでした。

清掃会社サイドには、上記同様、作業効率化を押しつつ、コスト削減も少し押しています。

また両方に対してシステム導入の簡単さをアピールしていて、完全実装まで5時間としています。

編集後記

今回は3社取り上げました。
個人的には全部面白いなと思ったので、1つずつめっちゃ簡単に興味を持ったポイントを挙げてみようと思います。

■Oxwash
日本でいうところの白洋舎とかみたいな、旧来からあるニーズに対してのサースで表面的には環境配慮という面くらいしか差はないなぁ十思ってたんですが、環境配慮をしっかりと行うために、プロセスの再設計を行っているというのは面白いなと思いました。

極論いってしまえば、既存のクリーニング店と提携して、お客さんの獲得と物流のみやるというのも全然ありだと思うのですが、自社で再設計して既存プレイヤーの支援型ではなく、その競合になっていくタイプの直接参入型でやるのは面白いなと思いました。

プロセス再設計することによってわかりやすいメリット(低価格や短期間など)も作れていると、なお面白いような気がしましたし、そこを作りに行くためにプロセス再設計してみるのもありそうだなと思います。

■Built AI
本編でも情報がなさすぎるという話を書いたと思うんですが、投資家や起業家さんのバックグラウンド的に、ローテクとハイテクをうまく組み合わせている面白い仕組みなのではないかと思っていて、扱うもの(商業用不動産)も大きいのでちょっと楽しみです。

ただ、気になるポイントとしては、そもそも商業用不動産の事前調査で幅広いデータを拾えずに主観的にやったことでどれくらいの損失があるんだろうか?という点です。致命的なものがあるのであれば、もっと手前でいろんなツールが出てきている気もしていて、ほんとに改善インパクトがあるのか?「投資における損失回避と作業効率化」なのか、「作業効率化」だけなのか気になるところです。(後者だけでもインパクト大きいかもしれませんが)

■wowflow
こちらはサービスそのものが面白いというよりかはやっぱりピンポイントだけだときついのかなぁ?という部分で引っ掛かりました。

基本的には、管理者と清掃会社のコラボレーションツールだと思うのですが、管理者側には、鍵の管理など、管理業務効率化をまるっとやろうとしているような雰囲気がうかがえて、やはり、ピンポイントではなく、業務全体で使ってもらえるtoolにしないと入っていきにくいのかなと少し考えさせられるサービスでした。

今回はこれにて以上になります。
上記の感想は、浅い調べの中での感想ですが、サクッと調べて、何となくこういうことなのかなぁ?ってのを頭の体操的に考えるのもわるくないなぁと思いました。

ぜひ、僕は私はこういう視点でも考えられると思う的なのがあれば、どこかで教えていただけたら嬉しいです!(前回教育でやったときに、Twitterで引用RTとかしていただいてコメントいただけたの嬉しかったです。)

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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