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【weekly post】米建設領域特化VC、Brick&Mortar Ventures2021年投資先pick up

weekly post2本目は、ちょっと今までやったことない芸当なんですけど、海外VCの投資先をザクっとインプットしようってやつをやってみようと思います。

初回は、建設領域にフォーカスしてやってみようと思います。

日本と海外とで建設業界のあり方が違うはずなので、すごい浅い話、そのままタイムマシーンしてもあまり意味がないと思うのですが、どんな事業が出てきているのか知っておくと、割と似通った課題を持ってる国もある印象なので、引き出しは増えるかなとか思っています。

で、今回は、普通にYコンとか500とかアンドリーセン見てもなぁと思ったので(ひねくれです)、アメリカの建設領域に特化したVCであるBrick&Mortar Venturesを見てみようと思います。(先に書いておくのですが、英語がびっくりするほど苦手なので、ニュアンス的に違くないか?とか、これは?と思われるものがあったらすみません。”コッソリ”教えてください。)

Brick&Mortar Venturesとは

2015年に設立されたサンフランシスコのベンチャーキャピタルで、建設関連のスタートアップへの投資を行っていて、シードステージからシリーズB程度までの新規投資だけでなく追加出資も含め行っています。

直近2019年夏には9,700万ドル規模のファンド組成を発表し、建設系の企業(建材、ソフトウェア、建機レンタル、ゼネコンなど)が中心となりLP参画しており、その中には日本の大林組も含まれています。また、LPとスタートアップの協業の可能性もあるとのことでした。

ファウンダーでマネージングディレクターのDarren Bechtelは、アメリカで120年以上続く世界最大級の建設会社Bechtel corporationの創業者の曾孫*で、兄のBrendanはBechtel corporationの代表に就任しています。(Bechtel corporationはLPとして入っていないので、CVCという感じではない)

(*曾孫か玄孫のどちらかのはず。。)

それでは、2021年に入ってから発表されている投資先を見ていきたいと思います。

【IoT工具/作業品質管理SaaS】Cumulus Digital Systems(2021/01発表)

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ステージ:シード

調達金額:$8M(ラウンド総額)

新規・追加:追加投資

リード・フォロー:フォロー投資家(リード:GEC)

サービス内容:プラントやインフラ等における作業品質データ管理サービスで、作業内で発生するボルトの締め作業におけるデータを作業員が撮影する写真や独自のSmart Torque Systemと呼ばれるIoTトルクレンチから得られる情報(ボルトを占めるときにしっかり絞めてるかを取れてる)などを活用して収集し作業品質の管理を実施。合わせて必要になる書類作業についても収集したデータをベースに作成される。これに合わせリアルタイムの作業進捗確認もできるようになっている。

すでに、アメリカ、カナダ、オランダ、インド、マレーシア、シンガポール、トリニダード・トバゴの施設等で導入されている。

【設備状態可視化SaaS】VEERUM(2021/02発表)

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ステージ:シリーズA

調達金額:$7.4M(ラウンド総額)

新規・追加:追加投資

リード・フォロー:フォロー(リード:Builders)

サービス内容:石油・ガス/鉱業/電力などの領域にフォーカスし、リアルアセットを可視化するSaaSで主に検査等コストの削減を目的に導入される。既存手法によるアセットの可視化の場合、コストが高く使い勝手も悪かったものの、このサービスでは、現場や設計・建設時のデータなど取得可能な情報を収集し、不足する部分はグローバルのデータ取得ができる企業との連携により埋め込むことでアセットの可視化を実現、そのサービス利用者へのオンボーディングも行うことで関係者が使いこなせる状態を作る(ちなみに48時間以内に実装してくれるらしい)

【建設資材のオンデマンド配送】Curri(2021/04発表)

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ステージ:シリーズA

調達金額:$6M(ラウンド総額)

新規・追加:新規投資

リード・フォロー:リード投資

サービス内容:建設資材のオンデマンド配送サービスで、建設現場で必要になった資材をスマホから注文することでCurriに登録しているドライバーが注文をピックアップし現場に届けるサービス。(建設資材のUberEats的な)Curriの運営サイドでサプライヤーと連携しており、ドライバーが店舗まで取りに行く形式で、注文商品に合わせて手配される車のサイズも決まるようになっていて、現時点で注文品のサイズ制限などはない。

【ロボティクス】Canvas(2021/04発表)

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ステージ:シリーズB

調達金額:$24M(ラウンド総額)

新規・追加:追加投資

リード・フォロー:フォロー投資(リード:MenloVentures)

サービス内容:熟練労働者不足の解決を目指し施工ロボットを開発しており、現在はドライウォールと呼ばれる方式で仕上げられる壁にフォーカスをした仕上げ作業を支援するロボットを開発提供しており、通常7日程度かかる仕上げ作業を2日程度に短縮することができる。

まとめ

今回crunchbaseのデータを参考に2021年に発表された投資先を見てみました。そのうち、過去の投資先にも遡るnoteを書きたいなと思うのですが、直近の分に関しては、いわゆる住宅や普通のビル向けというよりは比較的大規模な建設に関するものが多くてアメリカらしいというか、そんな印象をもちました。

日本国内だと、リソースのマッチング(主に人)や施工管理など比較的建設領域で汎用的なサービスが現状は多い印象を受けていて、日本のcontechとアメリカのcontechは5年ほどタイムラグがあるといわれていたりもするので、今後さらに建設領域の機会が捉えられていくことで日本でも割と対象を絞ったようなものが増え始めるんだろうかと思います。

アメリカのスタートアップを見ると大規模だからこそ機会が捉えられていそうだなと思うものもあり、今回取り上げたVEERUMなんかであれば、資源もあるしそういった施設の数が多く規模も大きいであろうアメリカの方がビジネスのチャンスとしてとらえられやすいんだろうと思いますし、例えばロボティクスであれば、狭い現場では、長時間その場を占有するようなものは導入しにくいといった話も聞いたことがあるので、比較的アメリカなどの方がビジネスとして大きな可能性をとらえられるんじゃないかと思います。ただ、業界課題はかなり似ているものもあるので、日本や面積が狭い国ならではのロボティクスとかってのは結構チャンスがあったりするんじゃないかとか思ったりします。

いずれにしても、今後比較的個別のニーズが満たされていくかもしれないってことを考えると、どんな建設物がどれくらいあってってのを知っておくのはもしかすると役に立ったりするかもしれないですね。

ってわけで今回は建設領域に特化したアメリカのVC、Brick&Mortar Venturesの2021年投資先pick upをしました。

結構面白いなぁと思ったので、今後定期的に領域特化の海外VCの投資先調べは、やっていこうと思います。

また、Brick&Mortar Venturesの投資先についても過去をさかのぼったもの、今後新規に投資されるようなものについて折を見て取り上げようと思います。

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