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ゆたかさって

#ゆたかさって何だろう
誰かのことを考えられる余裕があることだと思う。

修理をお願いしていた靴を取りに行った。お店から「いつでも取りに来てください」と2ヶ月前に連絡をもらっていたんだけど、外出を控えているときだったから。なんだか、約束を破ってしまったような後ろめたさがあって気になってた。

月曜日から金曜日まで働いて、週末の土日は基本お休み。そんな生活を当たり前のように、もう何年も続けてる。そういえば日曜日の夜に次の日のことを思って憂鬱になることもあまりなくなったし、金曜日の夜を待ち遠しく思うこともなくなった。仕事は楽しいですか?と聞かれたら言葉に詰まるから、そういうわけでもないけど、仕事だから辛いとか、仕事じゃないから楽しいというわけでもないよなぁと思う。

靴の修理をお願いしたお店は、電車と徒歩で1時間かからないくらいの距離だけど、最寄りの駅に着いてから、2ヶ月間そのままにしていた気まづさで、なかなかお店に足が向かなくて、いろいろと言い訳しながら遠回りして。暑いから休憩しても仕方がないよね、そうだよね、と入ったカフェで、出てきたケーキの上品すぎるサイズに周りのテーブルを思わずきょろきょろしちゃったり、休日に電車に乗って外出したのは久しぶりだから色々と寄り道してもいいよねぇと入った雑貨屋さんで、今年は外で本を読む機会がどれだけあるだろう?と思いながら夏らしいブックカバーを買ってみたり、行けなかった旅行の代わりだぁと言い聞かせてgoogleマップも見ないで勘だけで知らない道を行こうとして、道なんてみんな繋がっていると思っていたけど、意外と行き止まりが多くて行ったりきたりして、結局いつもの知っている道に戻ってきたり。

同じような毎日の繰り返しでも何も起きないわけじゃなくて、朝、カーテンを開けた時に晴れてたり雨だったりするみたいに、楽しいこともあるけど、きっと憂鬱になるような出来事も辛いこともあって。そんなときに自分のことばかりだとしんどくて、誰かのことを考えらるようになった分だけ、気持ちの凸凹をならすことができるんじゃないのかなぁ。

取りに来るのが遅くなってすいませんでした。と言うと、いえ全然大丈夫ですよ。履いてみますか?と言われて、全然大丈夫ですよという言葉が自然に感じられて、ほっとした。
「新しい靴より修理が終わった靴を眺める方が、誰かが履いて歩いているのを想像できて楽しいんですよね」
試しに履かせてもらった靴を箱に戻しながら、店員さんはそんなことを言っていて、なんだか勝手にわかる気がして。うん、うん、そうだなぁ。

スキな人やこと、もののために何かをしたいけど、自分のことだけで、いっぱいになってしまうと、他のことは考えられなくなって。
#ゆたかさって何だろう
誰かのことを考えられる余裕があることだと思う。

修理してもらった靴を履くのが楽しみ。

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