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一隅を照らす

やってまいりました水曜日。
今日もよろしくお願いします。

今日は焼鳥屋らしく【炭】のお話。
ではなくて【隅】のお話です・・・・・

みなさんはガラスやテーブルなどを拭くときはどこから始めますか??

自分は隅から拭きます。

これは昔、車の塗装屋さんで働いていた時の話なんですが、
車に色を塗る前や後に必ず磨くという作業があって、はじめは何も考えずにドアの真ん中から磨いてたんです。
そうしたら「バカヤロー磨きは隅からやるんだ!隅磨いてりゃ真ん中なんて勝手に磨けんだよ!!考えりゃわかんだろ。」
って怒鳴られた事があって、その時は「そんなことねーだろ」と思っていたんですが、やってみたらその通りだったんです。

『真ん中なんて勝手に磨ける』は確かに大げさな表現ですが、
真ん中を磨いていると隅には手が届きませんが、隅から磨き始めると自然と真ん中にも手が伸びている。
また、磨き終わって全体を見ると真ん中の磨き残しはすぐに気づくんですが隅のやり残しってパッと見なかなか気づけなかったりして。
だから隅から磨きを決めていけ!って事なんだと。

そして隅が輝いていると全体的にすごくきれいに見えるんですよね。

これはテーブルを拭くときも同じで、
始めに隅から拭いてあげると真ん中部分には自然とダスターが通過していてある程度綺麗になってたりします。

テーブルやカウンターの真ん中は綺麗なのに隅の方はベタベタ油っぽいなんてお店ありませんか?
スタッフのテーブルセットを見ているとテーブルの真ん中だけチャチャっと拭いて終わり。なんて感じで。やっぱりな!って。


これって飲食店の場合だと掃除だけではなくて例えば包丁を研ぐとき。

これも必ず刃先と刃元から始めます。
刃先と刃元を研いでいるとある程度刃の真ん中部分は研がれていて刃先と刃元ほど気合を入れなくても研げてしまう。

よく見かけるんですが、包丁の真ん中部分だけすり減っていてブーメランみたいになってしまっている包丁。
これはまさしく真ん中だけ一生懸命磨いている証拠。
ブーメランになってしまった包丁は使い物にならないし、修正するのが大変なんですよね。

更に言えば、包丁を研ぐ砥石。
これも真ん中だけすり減って研ぎにくい砥石ってよく見かけませんか??
これも砥石の隅を意識して使って研いでいると均等にすり減ってくれます。
真ん中がすり減ってしまった砥石をアスファルトにこすりつけて平らにしている光景を見かけたことがありますがしっかり隅を意識して使ってあげればこんな無駄も省けるんではないかと思います。

包丁も砥石も使いずらくなったから新調しよう!なんてもったいないからやめてください。。。。

ということで焼鳥屋で大事なのは『炭』と『隅』というお話でした。

ありがとうございました。

『軽寸十枚、是れ国宝に非ず 一隅を照らす 此れ則ち国宝なりと』


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