ごまかすことに慣れてしまいたくないから。
タイトルは、私の人生を支えてくれた曲のひとつ、阿部真央さん「モットー。」の歌詞です。
今年から、コピーライター養成講座、言葉の企画を同時に受講することになりました。
我ながら欲張りすぎだなあという気持ちもありますが、思いっきり言葉を学ぶ一年にしたいと思ったから、思い切って踏み出すことに決めました。
私がコピーで何をしたいかというのは、以下の記事でなんとなく書いています。
今日は、そういったところではなくて、もっとこう自分の気持ちの部分に焦点を当てて、「なぜ今このタイミング言葉を学びたいと思ったのか」を書いてみようと思います。
小学生の私
最近思い出品を整理していると、
幼稚園の絵画教室で描いた絵
図書部で書いた物語
びっしり詰められた手書きの自分新聞
ピアノの発表会の写真
ダンスの発表会のDVD
などがでてきました。
自分自身何かを創作したり、表現することが好きな小学生だったなと思います。
今では笑い話ですが、ふざけた曲を作ったりしていたこともありました。
そして、卒業するときに作った「わたしの過去・現在・未来」という手書きの冊子。
将来の夢のページには、こう書いてありました。
友達とけんかして落ちこんだときに、音楽を聞いてはげまされました。
いやなことがあってかなしいときに、お笑い番組を見てわらいました。
わたしは、しょうらい何をしているか分からないけど、絶対といっていいくらい、そんな風に、人の心を動かせる仕事がしたいです。
中学生の私
フォークソング部(いわゆる軽音部)に入って、バンド活動に熱中していた中学時代。
ミュージシャンになりたい。なんて一丁前に思っていたような気がします。
ただ、徐々に現実を見出す時期。
この頃は、誰かに将来の夢を聞かれたときに、恥ずかしくって、将来の夢なんか無いと答えていたような気がします。
ただ、ミュージシャンが現実的ではなくても、“形のある物”じゃない何かで、人の心を動かせる人になりたいなという気持ちは変わりませんでした。
高校生の私
コピーライターという職業を知ったのは、この頃でした。
広告業界なんて、ほとんど知らない時期。
それでも、自分が生み出した“言葉”で人の心を動かせるって素敵!という安直な考えに、まさに心が動かされていました。
自分自身ひとつのことを見ると、他を考えられなくなる性格。
夢中で、コピーライターという職種を調べたり、言葉について考える毎日を送っていたように思います。
大学生の私
しかし、就職活動が始まり、見事に、“ちゃんとした”就職活動にはまってしまいました。
一回生のときに履修した、言語学の授業。
楽しみにしていた授業のひとつだったので、自己紹介で自分が言った言葉は鮮明に覚えています。
「言葉が好きです。あたたかいとあったかいみたいなニュアンスの違いが好きで。正しい言葉じゃなくて、伝わる言葉を使える人間になりたいです。」
2回生のときは、広告のゼミにも入りました。
そこで、コピーについて研究したり、宣伝会議賞に参加したり、それはそれはワクワクした日々を送っていました。
でも、3回生あたりから、いわゆる“ちゃんとした”就活に見事にはまってしまっていた自分がいました。
「ちゃんとした大人にならないといけない」と考えたときに、自分自身と向き合うことが怖くなってしまったんです。
コピーライターなんて、クリエイティブな仕事私には無理だ。
夢と現実は分けて考えなくちゃいけない。
そして、コピーライターになりたいと思っていた高校時代の自分とは向き合うことがないまま、就職活動を終え、一応広告会社に就職しました。
就職した私
仕事自体はすごく楽しいものでした。入りたい業界に入れて、しんどいながらも充実した毎日を送っていました。
ただ、諦め、ごまかしていた自分がずっと心の奥底で眠っていました。
それでも、自分なりに目標を定めながら、毎日がむしゃらに頑張っていたような気がします。
そんなときに、一度、「コピーを書いてみてくれない?」と先輩から声をかけられたことがありました。
基本的に、コピー等の制作は全て外注だったのですが、費用の問題で、社内で作らなければならない状況になったのです。
そして一晩練りに練って、翌日コピーを提出。
すると、
「フジオカさん、実はコピー上手なんだね。」と先輩に言われました。
それなのに、何故か、
「たまたまですよ(笑)」
とへらへら笑って、普段の仕事に戻る自分がいました。
就職活動で自分を諦めたからか、いつしか、自分自身の気持ちを表現することを諦め、ごまかすことに慣れてしまっていたんです。
自分自身を知らんぷりしすぎた結果、このときは、もう、高校生のときコピーライターになりたかったということすら忘れていました。
こんなこともありました。
社長との面談で、今後どうしていきたいか、の話をする機会があったのですが、そのときの私は、今思えば、頭でっかちな言葉をただ並べるしかできていませんでした。
極めつけは、
「美味しいお酒飲んで、楽しく生きられたらいいです!(笑)」
と、お得意のへらへらで笑ってごまかしていました。
自分自身のことを言葉で伝えるということすら、諦めるようになっていたんです。
自分が自分のために言葉を使うのは、ごまかしたいときだけでした。
それでも社長に言ったように、なんとなく楽しい毎日を送っていました。
PRや取材に出会い、色んなご縁もあって、会社を辞め、フリーランスという生き方を選択しました。
たくさんのものに触れ、たくさんの知識に触れ、その中で、「人やものの本当の魅力を伝えられるような人になりたい」と、自分にとっての大切な軸も見つけました。
ただ、自分で時間を使えることが増えたときに、ふと、このままでいいのだろうか、と思ってしまったんです。
誰かの本当の魅力を伝えたいという人間が、自分自身をごまかし続けていていいのだろうか。
このままちゃんとした気持ちで向き合わないまま、死んでしまっていいのだろうか。
やっぱり、言葉を学びたい。
そう心から感じたので、言葉を学ぶことにお金と、時間と、情熱を費やすことを決意したのです。
今は、これまで感じたことが無いくらい、ワクワクの気持ちでいっぱいです。
広告会社をやめ、フリーランスという生き方を選んだ私。
広告視点ではなく、PR視点で、まだ知られていないものの魅力を届けられる人になりたい。
その気持ちも、たくさん色んなことに触れたからこそ得られた、本当の想いです。
ただ、それ以前に、今の私の心の奥底にあるのは、
とにかく、もうごまかしてばかりの自分におさらばしたいこと。
そして、等身大の自分を言葉で表現できるようになりたいということ。
頭でっかちになることなく、思いっきり学ぶ一年になればいいな、と思います。
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