🐦日本の仏教を変えたカリスマ僧空海

2021年7月26日 23:51

エリート役人の道は外れたが、わたしは本当に自分の歩むべき道を見つけることができました。
お金が儲かり、生活が安定することよりも、仏教につくして人々を助ける仕事をわたしは選んだのです。
あなたも、自分が本当にやりたいことは何なのか、心の声をいつも耳に傾けてほしいものです。

　自分は一体何のために生まれてきたのかを追求した人物です。自分が本当にやりたいことは何なのか？分かっているようで、人間が一番わかっていないことの一つなのです。

■空海ってどんな人なの？
　平安時代のはじめに活躍した僧で、弘法大師とも呼ばれていました。中国から日本に密教を伝え、高野山で真言宗を開いています。書道の達人としても有名です。

　平安時代に空海という賢い子どもがいました。空海はよく勉強し、１８才になるとえらい役人になるための学校に進みます。これは、当時のエリートコースでしたが、学校で出会った仏教が、運命を大きく変えます。仏教の研究に熱心だった空海は、役人になる道をやめ、修行に出るのです。その中で、空海は「密教」という仏教に新たに出会い、密教を極めることを誓います。

　そもそも密教とは、修行により、自分の心の中に仏様がいることを感じ、その仏様と一つになるというものです。けがれのないこうどうをすれば、生きたまま仏になることができるという教えなのです。

　密教を深く理解するために、遣唐使として３０才のときに唐に修行に行きます。空海は、中国の偉いお坊さんに教えを受けると、わずか２年で習得し、正式な密教の伝達者として認められたのです。

　密教の本や道具を日本に持ち帰り、４２才のときに天皇から高野山を与えられています。空海はその頂上に金剛峯寺を建て、真言宗を開いたのです。また、弘法大師としても有名ですが、どんな筆でも上手に文字を書くことができたので、『弘法は筆を選ばず』という言葉が生まれています。現存している空海の書は、国宝として保管されているのです。

　空海は、天皇から京都の東寺も与えられ、そこを真言宗の道場としました。そのとなりで、自由に教育が受けることができる学校を設け、人々に教えを与えたのでした。

　空海と同じころに遣唐使として唐にわたり、密教を学んだ僧がいました。それが天台宗で有名な最澄です。ふたりは、密教を日本に広めた人物ですが、実は最澄は努力家タイプ、空海は天才型タイプでした。タイプが合わない二人は次第に仲が悪くなり、交流がなくなってしまいます。密教のカリスマたちは、日本のために密教を通し尽くしたのでした。

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