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『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』@大阪ステーションシティシネマ

This is an American Movie.

もちろん人生がそんなに単純じゃないことは僕だって知っている。もっと違う表現で想像力を喚起するような映画もいいだろう。でも、こういう映画を観て、こういう喜びを感じるところから僕は映画が好きになった。最初からゴダールやホン・サンスを観ていたら、果たして映画が好きになったかどうか分からない。
笑ったり、泣いたり、熱くなったり。登場人物たちと一緒になってハラハラドキドキする。成功の瞬間には、一緒になって声を上げる代わりに、膝の上の拳をギュッと握りしめる。これこそが僕の映画体験の原点だ。
そして、こういうアメリカ映画から、胸を張って生きるとはどういうことなのかを知らず知らずのうちに教えられてきたのだと思う。

たとえ今はうまくいかなくても、他人の正直さを、誠実さを、情熱を、決して笑わない人間でありたいと強く思った。
その思いの象徴として、OMEGAの宣伝戦略に乗せられているのだとしても、これからも僕の左手首には、Speedmaster Professional、通称Moon Watchがある。

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