自由なハードボイルド。

 皆さん。お久しぶりです。

最近はセミナーの時にしかブログを書かない男です。 すいません。

 言い訳するとしたら、最近はシステマの身内だけでなく広げていく文章はどうしたら書けるのかに悩んでいたってことにしてください。 「だったら映画の話書けよ」って思いますよね。その通りです。すいません。 ジョーカーくらいは書こうと思っていたのですが、思いの外、自分に響かなかったので書けませんでした。もちろん素晴らしい構成と演技だったのは間違いありません! ただ、やっぱり映画や物語に求めてしまうのは、自分がなんとなく思っていたけど、言語化できなかった部分だったり、自分になかったものを見たい。というのがあるので、「まあ、だよね。」で終わってしまう映画だと感想が書きにくいなぁ。というのが正直なところです。 解釈が人によって分かれる部分は特に素晴らしい!とは思っています。 あの映画を見て、「これは私の物語だ!」っていう方もいれば、「自分がジョーカーを作ってしまっているかもしれない」と思う人もいて、人それぞれの考え方が全面に出る映画なのかなと思います。    

まあ誰もがジョーカーになりえるし、ジョーカーを作る側にもなるし、ジョーカーに乗る側にもなるよっていう話とも言えます。              

「自分はこの立場だ」って決めてしまうのが、一番危険かもしれませんね。  僕が一番好きだなっていう解釈は、ハーレクインの誕生秘話ですかね。 これによって、ジョーカーはかわいそうな人。守ってあげなきゃいけない。と思うのは、母性のようなものなのかなとも思い、なかなか男性からは出てきにくい見方なので、とても勉強になりました。      

 ただヴラッドは「自分を弱く見せて(弱くして)構ってもらいたがっている人は、相手にしない方が、その人のためになる。その人を強くする」と言っていましたね。 

 というわけで、ヴラッドセミナーの話に行きましょうか。                  

「おおきないと」の話はしませんよ。牡蠣がおいしかったとか、ラムが絶品とか、赤ワインとお好み焼きの相性の素晴らしさとか、そういう話はしません。  

 ヴラッド。               

セミナーの一日目には、2回もデモに呼んでいただき、参加者の皆様にはお見苦しいところを晒してしまい、「申し訳ありません」としか言えないのですが。。 また、東京で呼ばれたいなとか思ってます笑 (ずうずうしい)

 呼ばれた本人としては、ヴラッドに遊んでもらい、ヴラッドを長く感じられたのは本当に良い経験になりました。あと単純に楽しかったです。(すごく緊張しました)           

 一日目のデモの1回目は、止まった状態でのプッシュアンドムーブでした。慣れている方々からすれば、「いつものワーク」ですが、精度が桁違いなんです。  

 そういえば、今回のヴラッドは気合がいつもよりも入っているのか、精度の要求がかなり高くて、かなりのダメ出しが聞かれました。 厳しいとも言えますが、精度への追及としてはそれくらいのものが必要なんだなと改めて思った次第です。  

 僕の話に戻ると、プッシュアンドムーブの受けとしては「イイね」をもらいましたが、2回目に呼ばれたストライクのデモでは「全然ダメ」って感じでしたね。         

 その後にソフトな部分はいいけれど、同時にハードにも動けなければいけないと言われました。   

 「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きてる資格がない」 (If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.) フィリップ・マーロウの有名なセリフですが、それを体現しているのがヴラッドなのかしら。 

 ハードボイルドですよね。それでいて軽やかで自由。 正反対の概念のように思っていたのに、そこを平然と超えてくる。       

 ソフトなのはいいことだけれど、ハードにもなれなくてはいけない。 自分はようやく生きてる資格を得たところという感じでしょうか。ハードになる練習ってどうやってやるんですかね。単なるフィジカルとはまた意味が違う話だし。うーむ。 聞けばよかった。               

 今までは自分からマスター達への質問なんておこがましいとすら思ってましたが、聞けば快く答えてくれるんですよね。

 セミナーの2日目にはヴラッドがサラッとやってしまう動きがあまりにもカッコよかったので、つい質問したてしまいました。本当にやさしく教えてもらえました。                 

  ワークの話の方が聞きたいですよね。

 改めて言うと今回のセミナーのテーマは Tension-free in a fight. でした。  テンションフリーっていうのがいいですよね。グルテンフリーみたいで。 リラックスというと、だらけた感じになりえるし、テンションがないっていうのもまた違う気がします。       

 そこらへんのセンスはヴァレリーさんのものなのか、大阪の方々のものなのかはわかりませんが、素晴らしいなと素直に思いました。  

  あ、ワークか。    

 今回は初めての方も多くいらしたので、呼吸と立ち方、歩き方から始まりました。 特に歩き方。脚が胸から生えているように、「胸から動くことで自然と脚もついてくるんだ」と歩き方についてはしつこく言っていました。 

 そこから、ポジショニングの話にまで発展していったので、そもそも歩き方がリラックスできていなければ、元も子もないといったところでしょうか。  

 呼吸についても近いことを言っていました。 

 「フッ」と胸から吐く。腹式呼吸のように深くまで入れてしまうと、逆にテンションを作ってしまう。 

 やってみるとわかりますが、腹式呼吸で鋭く吐くと腰やお腹から曲がってしまうんです。 胸から鋭く吐くと、自然と姿勢が良くなります。歩き方も一緒です。 胸から、自分をリラックスさせるように歩くと、いい姿勢で歩かざるを得ない。 常日頃この歩き方ができれば、それだけで強くなれそうです。       

  ゴリラは呼吸をするだけで、たんぱく質を摂取できるらしいので、それに負けないように歩くだけでリラックスして、強くなれるようにならないと損ですよね。                 

 立ち方、歩き方、走り方。 これらは全て日常、人生に生きてくるものです。    

 ミカエルがよく言っていますが、「システマは日常に生かせなくては意味がない」。 ヴラッドは今回「スポーツや、格闘技はいいものだけれど、人生の一部分にすぎない。システマは人生全てに生きてくるものだから、そのように動かなくてはいけない」という旨を語っていました。

 ミカエルが示す人生に生きるシステマを最も体現しているのが、ヴラッドなのかもしれません。 システマをいかに学び、いかに生かしていくかを見せてくれるヴラッド。 そのヴラッドが日本にいるチャンスを逃す手はありません。 大阪セミナーは終わってしまいましたが、月曜のヴァレリーさんのクラス。 そして、水曜からは東京で特別クラス。土日は東京セミナーがあります。

 見た目のカッコ良さもさることながら、システマの教えの体現者ともいえる、弟子としての在り方を学ぶチャンスです。 

「自由なハードボイルド」、ヴラッドセミナーで皆さんまたお会いしましょう。  

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