「メモリーコール」
部屋の中、一人でパソコンに向き合っていた。繁忙期という事もあってか、仕事の量がかなり多い。タイピングをしながら、仕事をこなしていく。
しばらくして仕事がひと段落ついたので、息抜きにコーヒーを入れて、パソコンを適当にいじってみることにした。ふと写真フォルダを確認すると懐かしい写真があれよこれよと流れてきた。
その中の一枚に学生時代に友人と撮った一枚の写真が出てきた。写真に映る僕と友人は眩しいばかりの笑顔を浮かべていた。青春。まさにそんな言葉を表している写真だ。仕事を始めてから、疎遠になってしまった。
思い出に縋るように僕は携帯を手に取り、電話を開いた。連絡するのは数年振りだ。心臓がうるさい。緊張なんてしなくて良いはずなのにな。僕は恐る恐る電話をかけた。
「もしもし僕だけど」
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