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  • 喚話九題

    喚くように題を変えながら話すという当て字です。

最近の記事

Tohoku 4Days 4th

東京から出発し岩手県の一ノ関駅で新幹線を降り、在来線に乗り換える通路のそこかしこに、厳美渓と中尊寺の観光ポスターを見ることができます。 僕の人生で、一ノ関駅で下車したのは全て出張の時であり、即ち仕事の記憶です。当然ながらこれらの観光地にいくことは今までありませんでした。 この生殺し状態の記憶を上書きするべく、東北旅行最終日は中尊寺金色堂を目指します。 天候に恵まれなかった遠野観光とは異なり、この日は天気が良く駅前のレンタサイクルを借りて中尊寺に向かいます。 レンタサイク

    • 楽天で2kgの牛タンを買った。 500gの牛タン定食が4回も食べられる量。最高だ。 ヤマトのお姉さんが運んできてくれた。冷凍だからクール便だけど、お姉さんの対応はクールではなく暖かかった。 うきうきとダンボールを開封した僕の目に飛び込んできたのは、「板」だった。牛タンの板。もう板。どっからどう見ても板。牛タンって言うか板。牛タンでできた板。 感無量。この500gの板が4枚。2kg。 当然冷凍庫に入らなかった。 我が家の冷蔵庫は、単身者向けとはいえ2kgの牛タンが入るだ

      • 小玉鼠の夢

        いつの記憶なのかははっきりとしない。 私は生家の庭にあったビニールハウスの中で宿題をしている。 宿題の問題文中には児童向けのイラストがあり、恐らく小学校低学年の頃なのではないかと思う。 真冬であってもビニールハウスの中は湿度が高く、常に暖かかった。 問題のほとんどを解き終えたころ、ハウスの中で育てている野菜類に水遣りをしていたはずの祖母の声が聞こえた。 祖母は、ハウスの中に紛れ込んでしまった野鳥を追い出そうと声を上げ威嚇していた。 ビニールハウスの端には、ムクドリに似た鳥

        • Tohoku 4Days 3rd

          遠野の河童は赤いのです。 一般的にキャラクターとして皆さんが思い浮かべる河童と言えば、青や緑で、分類するとすれば両生類や爬虫類に近い姿を思い浮かべるのではないでしょうか。 しかし、柳田國男の著書であるところの遠野物語に記述される遠野の河童は赤い色をし見た目には猿に近い生き物だったそうです。 これには諸説あるのですが、明るい話ではないので割愛します。 っていうか、知りたい人はLet’s Go 遠野。 東北旅行3日目は、遠野物語の舞台。岩手県遠野市へ向かいます。 この日は

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        • 喚話九題
          3本

        記事

          Tohoku 4Days 2nd

          前書き旅行2日目は例の食堂に行く日として設定していた日です。 ですが、さすがに1日の目標が昼食と夕食を食べることでは時間を持て余し過ぎることは明白でした。 そこで、昼食後には腹熟しとして水沢の街を当てもなくブラブラとしていました。 而して、本章は1日目の夕食、2日目の昼食、夕食、3日目の夕食、4日目の昼食と、2日目の水沢散策をまとめて紹介する章と相成ります。 例の食堂とは…2015年の冬。仕事の都合で、この水沢に詰めていました。 平日を全てこの町で過ごし、週末のみ東京の自

          Tohoku 4Days 2nd

          Tohoku 4 Days 1st

          2023年7月13日の深夜。池袋のサンシャインバスターミナルから出立する深夜バスに乗り込み、東北4日間の旅が幕を開けました。 14日金曜日は有給休暇を取得。休日を1分たりとも無駄にすまいと、前日の深夜初の夜行バスを使うのはいつも通りの戦略です。 初日は宮城県にある「感覚ミュージアム」を目的地にしています。 前回の新潟旅行と異なり、厳密なスケジュールは決めず、大まかな目的地周辺施設も含め柔軟に観光していきます。 噂に聞いた、五感をテーマにしたミュージアム。 仙台駅から新幹線

          Tohoku 4 Days 1st

          酒と缶蹴りの話

          その日の私は、酷く酒に酔っていた。 ことにしている。 そうでなければ直視できない己の奇行を、思い出話として残しておく気にならないから。 そもそも、その時期の私は人前で酒を飲むことはほとんどなかった。 特に理由がある訳では無い。 強いて言うなら、酒を飲む状況が整わなかった。 所属していたサークルは、テニスサークルとは名ばかりの酷い酒宴を繰り返す、所謂飲みサー。 清く正しい陰キャ大学生の私が楽しく過ごせるはずもなく(一部楽しくはあったが)、謎の呪文「コール」による一気飲

          酒と缶蹴りの話

          幻の小説 クレイシュから声が聞こえる

          あらかじめ断っておくと、そんな小説はない。 現存していない。が、存在はしていた。 ほんの一瞬、それは特定の人に読める形で存在し、続きが読みたいとさえ言われた話であった。が、その小説は持ち主の手により完全に葬り去られた。 作者は私。但し持ち主は別にいる。 続きを読みたがったのも、また別の人物(女子)だった。 ちなみに、どんな話だったのか覚えていな...。 いや、思い出した。驚いた。本当に今の今まで忘れていたのに。 と、いうか「アレ」の続きが読みたいとはどういう事だろう

          幻の小説 クレイシュから声が聞こえる

          夕陽と島とオバチャンと

          「港町の女の人は、とにかく人の話を聞かない」という持論を持つ男、こと、私です。こんばんは。 年内最後のツーリング納めにと、「城ヶ島→江ノ島 マグロと夕焼けツーリング」を実施しました。 海なし県の生まれなので、海岸だとか、海鮮丼だとかに弱く。ちょくちょく何がしか海要素を求めて小旅行することがよくあります。 パチンコは主に海物語を打ってます。 閑話休題。 嘘です。パチンコは人生で1回しかやったことがありません。5,000円負けたので、もうやりません。 閑話休題。 城

          夕陽と島とオバチャンと