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推しの5人がスキ過ぎて KZ AS10 Pro

こんにちは。あら50りっぷです。
ロードネタと前後してしますが、今回はKZの新型イヤホンレビューです。

フェイスプレートも意匠もKZ標準だがドライバ構成が大きく異なる

今回AliExpressセールで購入したのは、ボクも初めて購入するフルBAモデル(バランスド・アーマチュアドライバのみの構成イヤホン)KZ AS10 Proです。特徴的なのは片側5つのBAがすべて型番の異なるドライバであること。さらにDD不在のハウジングの隙間を埋め、BAを固定するために白い巨大な樹脂ブラケットがハウジング内に充填されていることです。

KZのフルBAイヤホンの白いブラケットは定番だが、正直カッコ悪すぎると思う
白いブラケットにBA ドライバが固定されているのがわかる


KZのフルBA機ならではの定番の処理ですが、意匠は正直かなりカッコ悪いです。。。

さて本題ですが、今作の5BAは個性的な5人の推しアイドルグループのようなものですね。つまりはこんな編成になります。

<推し5人(5BA)それぞれのキャラ>
・KZ 22955 BA(低音域) x1 
→ 一番低い声の出る娘
・KZ 29689 BA(中音域)x1 
→ リードボーカルの娘
・KZ 31736 BA(高音域~超高音域) x2
→ 超絶ハイトーンボイスの2人娘(並列2基)
・KZ 30019 BA(高音域)x1
→ ファルセット・コーラスの娘

フルBA機でも、他社製に見られる同型ドライバのみで構成すれば、ドライバ間の音が自然につながって違和感のない響きを作り出すことができますが、AS10 Proの場合ひとつとして同型がないため、各ドライバの得意な音を個別チューニングして合わせなければなりません。かなり工数のかかる作業であることが想像できます。逆にAS10 Proは同型ドライバ構成の他のフルBAイヤホンより、解像度と分離感が確実に優れているはずで、この点はかなり期待できます。

サイズもシリーズ中で比較的大きめで重量もある。スリットからの音漏れも若干あり

フェイスプレートは近年のKZモデル同様、光沢仕上げの鈍色金属に筆記体で機種名がプリントされるものです。評価は賛否両論ですが、低コストでも安っぽく見せないデザインという意味ではボクは必要十分だと感じます。

フルBAモデルというとなぜ大きなハウジングなのか、詳細はわかりませんがきっと設計上の理由があるのでしょう。AS10 Proもサイズは結構大きめで重量もあります。ノーズも長いので、イヤピースの選択には注意が必要です。耳奥に安定させるには普段より一段階小さめのものを装着するといいかもしれません。ボクもあれこれ試しましたが、ELECOM SPARE EAR CAP(EHP-CAP20L)が高音域と低音域のバランスが一番良かったので選択しました。

JSHiFi Oceanにリケーブルして低音ブーストをねらう。AS10 Proとの相性も良かった

今回試聴用にリケーブル線材として選んだのは、これまたお気に入りでコスパの良い高性能ケーブル JSHiFi Ocean。フルBA機で不足する可能性のある"低音域"を、Oceanの実力で強力にブーストしてやろうという目的です。では聴いてみましょう。

音質について
え? これホントにフルBA機なの?? 
初聴してみたら正直びっくり! 結構なドンシャリサウンドで、普通にめちゃくちゃ低音出てるじゃん~。重低音おばけのCastorは別格としても、他のKZシリーズのレベルには十分達しています。しかもサウンドバランスはナチュラルでまったく不自然さを感じません。

低音域
ベース域を担当する KZ 22955 BA×1基でここまでの低音が出せるとは、ドライバ性能おそるべし…

中音域
中音域(メインボーカル)は前でしっかり定位して良く聴こえ、帯域がお互いに干渉し合うことなくバランスも絶妙です。全体の音傾向はKZによくありがちな寒色ドライ(硬め)というよりは、スッキリクリアありながら微妙にウォーム寄りで、柔らかくナチュラルです。5BAによる分離感はさすがに半端なく、音場もかなり広めに感じます。

高音域
初めてのフルBA機で一番心配したのが高域表現です。全部が全部BAドライバだとすると、高域はシャリシャリして聴こえるのではないかと想像したからです。ところが実際は正反対で、AS10 Proの高音域はソリッドでありながらも、ハイハットなどの金属音をギリギリのラインで丸めて、耳障りにならないようシャリつき抑制のチューニングが施されています。このチューニングは、普段から高域カリカリ好きなボクでも100点の音でした。

多ジャンルの曲を何回聴いても、AS10 Proはこれまで聴いてきた1DD~3DD搭載イヤホンや、BA+DDのハイブリッド機とは明らかに異なる響きをもつイヤホンで、5つの異型BAドライバに完全に掌握されたAS10 Proの高い解像度と分離感は、癖になるほどの心地よさです。

複数人が歌うアカペラコーラスやオーケストラ楽曲などを試聴すると顕著で、推しの5BAがそれぞれ得意とする音表現を最大限駆使しながら、声のパートや各楽器の旋律をしっかり分離して耳に届け、分析的な聴き方ができるのです。味気ない実用重視のモニターイヤホンとは違い、リスニングイヤホンならではの音のデフォルメを十分楽しみながら分析的に聴くことができるAS10 Proは、他モデルでは味わえない贅沢な時間を与えてくれます。

ハウジングの大きさと少しの重量増さえ我慢できれば、外出用として持ち出しても面白いかもしれません。AS10 Proの推し5人のポテンシャルを活かしきるには、高純度ケーブルへの交換が必須かもしれません。試聴時に使用したOceanは無酸素銅ではあるもののAS10 Proと相性がよく、全体にメリハリが加わって楽しみが倍増しました。

***

その後とんでもないリケーブル線材を手に入れたので組み合わせてみました。それが NiceHCK SnowWingsです。

スノーホワイトの輝きをもったNiceHCK SnowWings。手間とコストのかかったスグレモノ

高純度の7N単結晶銅線を銀メッキで包み、さらにその上から金メッキで包む…等という手間とコストをかけたスグレモノながら、AliExpressセールで2,500円と破格値で購入することができました。このSnowWingsとAS10 Proの組み合わせがまさにベストマッチングで、永遠にこれ以上のカップリングは不可能だろうと思わせるほどの圧倒的な音を奏でます。

AS10 Proのもつ解像度と分離性能を半端ないレベルで表現でき、広いサウンドステージと全帯域にメリハリが加わり、多少不足に感じていた低音域を補ってくれるすごいケーブルです。その名の通りスノーホワイトに輝くこのケーブルは、太陽の光に照らされると特にカッコいい! 常に持ち歩きたくなってしまいます。

完成の域に達したのではと感じる AS10 Pro+SnowWings。KZの新しい潮流とも言うべきフルBAイヤホンでこれからの楽しみがグッと増えるでしょう。今年突如あらわれた新人アイドルは、とんでもない実力で見事TOP3リストに昇格しました!


Aliexpressで購入の場合:
https://ja.aliexpress.com/item/1005007413350147.html?spm=a2g0o.order_list.order_list_main.5.8391585aoyLlrY&gatewayAdapt=glo2jpn

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