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脳卒中認定理学療法士がSNSアプリの開発へ参画した理由

初めまして、脳卒中認定理学療法士の鈴木悠(すずき ゆう)です。Arbletでは"すずゆ"と呼ばれています。普段は病院で勤務する理学療法士として、臨床経験も8年目を迎えました。脳卒中を経験された人たちに向けたSNS「Gerbera®」でご利用できる「Gerbera® ケアトレーニング™」の開発に関わっています。

理学療法士がなぜSNSアプリに関わっているのか、その理由についてなどお話したいと思います。

Gerberaの開発へ参加したきっかけについて

Gerberaケアトレーニング構想についてArbletから相談された時、理学療法士として自分の勉強してきたことが目の前の患者さんだけでなく、より多くの人のためになるかもしれないと思いました。

臨床ではリハビリが出来る時間に限りがあるため、回復のために自主トレーニングやストレッチ等を促すことがありますが、生活環境や生活状況が違うこともあり、継続して実施することが困難になっている状況を多く経験します。
そのため、退院後の患者さんで(外来リハビリや通所リハビリや訪問リハビリ等の)公的サービスを受けていない方、もう少し身体の動きを良くするためにトレーニングを行いたいという方、自宅ではどのように身体を動かせばいいのか分からない方、そういった方々に対してGerberaのエクササイズ機能が一助になってくれるのではないかと思いました。

Arbletチームと一緒にアプリ内のコンテンツ作製の話を進めていくうち、SNSの利用と共にケアトレーニングの利用が日常的になっていければいいなという想いが強まりました。

Gerberaケアトレーニングを開発する上で特に力を入れたところ

普段の臨床の仕事では患者さんと直接会って会話をし、私が患者さんの動作を見たり、一緒に動かしたりしてということがほとんどです。
Gerberaケアトレーニングはリハビリを提供するわけではなく、自主練習の提供ではありますが、目の前にいない人に対して提供することに当初は戸惑いがありました。目の前にいない人に対して、どのように運動を促すのが良いのか、従来の考え方に囚われることがないように白紙の状態から考え始めました。

試行錯誤しながら最も力を入れたのは、ケアトレーニングは回数をしっかりこなすことで、疲労感を感じていただけるように負荷を設定したところです。トレーニングなので、簡単に出来ることをずっと繰り返していては意味がないと思いました。
もちろん無理のない範囲で大丈夫ですし、慣れてきたら少しずつ運動強度を上げていただければと思います。
※1日分のケアトレーニングが終了すると、フィードバックを選択出来ます

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また、パーソナルトレーニングに近い形を目指して、効果的と思われるストレッチとトレーニングを提供できるように考えました
ケアトレーニング実施前に質問票を入力するのですが、ひとりひとりの状況に合わせたトレーニングメニューが提案されます。この部分は、私自身の思考過程などをArblet 清水さんと話しながら、一緒に考えて開発を進めました。

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Gerberaケアトレーニングの効果的な利用方法について

大事なことは2つあると思っています。
1つめは継続してケアトレーニングを行うこと、継続するとは言っても無理して毎日続けるのではなく、長く続けられるようにして欲しいです。身体や気持ちがしんどい時などはしっかり休んで、回復したらケアトレーニングを再開してください。
2つめはぜひ仲間を作って、一緒にトレーニングをしている意識を持ってほしいです。ケアトレーニング後に「今日のケアトレーニング達成ルーム」スレッドに参加するか画面に表示されます、その日限りで閲覧・書き込みができますので、ぜひトレーニング結果を書き込んで励まし合ってもらいたいです。

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また、Gerberaケアトレーニングはあくまでも自主的に行う運動です。リハビリ施設や病院でのリハビリを実施されている方は、ご担当いただいているリハビリ専門職の方の意見を優先していただくことが大切です。

日常的にSNSを利用されている方も多数いると思います、GerberaケアトレーニングもそのSNSと同じように日常的にご利用いただければと考えています。

最後に

普段私自身は理学療法士(病院現場で療法士)として脳卒中を経験された方と接することがほとんどであり、どちらかというと理学療法士側が教示することが主とした関係となってしまいます。
自分達理学療法士が提供できる情報に限りがあるだけでなく、人によって情報の解釈等も変わってくると思います。
病院などの現場で見ていると、自分の話をしたり、情報をお互いに交換したりと言うことはハードルが高いように感じることも多いです。
Gerberaを利用することで、脳卒中を経験された方同士が1対1や少人数のグループでチャットやメッセージのやり取りができることは、気軽に相談できるひとつの「寄り添いの場」にもなるのかなと思います。

また、運動習慣があまりないという方、自主トレーニングは何をやっていいか分からないといった方に対しても、まずは質問から提供するケアトレーニングの内容を見て、まずは少しずつ始めてみてほしいです。
ケアトレーニングが生活の一部になることで、運動に対して少しでも意識をしていただけると嬉しいです。

Gerberaのことが気になった方はぜひダウンロード・ご利用いただけますと幸いです。

iOSのダウンロードページ
https://apps.apple.com/app/id1550734601

Androidのダウンロードページ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.arblet.gerbera


※本記事の内容は2022年7月現在のものです

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