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移住に向けての話1

移住に向けての話その① 

わが家が移住を決めたのは、私の単純な一言から。

「移住するのってどう?」

田舎ってものがない私。

父は東京、母は埼玉。小学生のころ、夏休みに田舎に遊びに行くっていうのがすごく魅力的に聞こえていた記憶がある。その友達のお父さんの田舎である福島に実際連れて行ってもらったとき、とんでもなく本当に田舎で、全然面白くなかったのも鮮明に覚えている。

初めての社会人。初のボーナスを全部はたいて、西日本をあたり歩くという一人旅を決行した。その時に訪れた瀬戸内がものすごく穏やかに感じた記憶がある。ちょうど瀬戸内芸術祭というのをやっていて。海があって山があって、私は船を待っている間に停泊所のようなところで、初めて海と空の地平線を見た。

海なし県で育って、海に遊びに行くことがあっても特に美しいともキレイとも思ったことがなかったけれど、ああ美しいと思った。

その記憶は今でも覚えている。


いま私が住んでいる埼玉は、特に何か縁があったというわけでもない。ただ、そこで生まれて暮らしているだけ。そこにいなくてはいけない理由もないかった。あるといえば、親がいて、兄弟が住んでいて、友達が住んでいる。

でもこの理由って、しなくちゃいけない、守らなくちゃいけない理由じゃない。

私には、こどもがふたりいて、この移住話をしたときは年少から年中に上がるとき。小学校に進学して、ここで子供を育てていくんだと、はっとしたことがきっかけだった。