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教育の力に国ごと賭けたシンガポール。教育予算最低の日本。

こんにちは。子ども英語教育のアップデートに突き進んでおります、羽織愛です。

今日は教育にお金を使わない国、日本と、教育に国ごと賭けたシンガポールの話。

教育には、人間の一人一人の可能性を広げ、幸福とは何かという哲学を深め、芸術を開花させる無限の未来を作る力があります。ここに国として、またその国に住む人間として、全力を投資出来ないことに、私たちはもう少し危機感を覚えても良いのではないか、と思うのです。

「日本は他国と比べて、圧倒的に教育予算を使わない国である」という事実を初めて知ったのは、私が大学生の頃でした。教員を目指す学生だった私は、「日本ー!!!どうしたんだー!!!」と叫びたくなったものです。小学生・中学生・高校生と経て、大学生になったばかりだった私は、「世の中の日本の大人たちは、子どもである私たちのことを大切に想ってくれていなかったのかな?」という印象すら持ちました。

子どもたちは、将来大人になる人間です。大人だって、誰もが以前は子どもだったのです。子どもたちを教育するというのは、つまり未来の大人を育てるということです。世の中でこれ以上に大切な仕事はないと、私は思っています。


教育を変えるために必要なもの

教育をより良くするには、教育改革のために実際に動いていきたい、先生になりたい!という人材と、そんな教育を受けさせたい!という親と、そんな改革を応援したい!という人たちがたくさん必要なのですが、それに加えてもの凄く大切なのが、「経済」つまりお金の動きです。

日本という国の政策になった途端、教育改革にかけられる金額が跳ね上がります。

予算がなければ、自力でやるしかない。つまりお小遣いで頑張ったり、民間企業として稼いでつぎ込むなどなど、国民が必死にやらねばならない。

もちろん、私もやれることはやっています。民間企業としてはSUNNY BUNNYバイリンガル育成スクール。NPOではNPO早期英語教育研究会もしています。一緒にやりたい人、随時超熱烈大募集中。

しかし同時に、

国が動いてくれたら・・・ッ!!!

という思いはずっとあります。日本の教育予算はめちゃ低い。私が学生の頃から、結構な年月が経っておりますが、今の日本はどうなのか。

世の中変わったのか?

タイトルどん。↓

OECD加盟国で日本は最下位


最新の情報を恐る恐る見てみたところ、、、

やはり、、、

2018年の最新情報でも、OECD加盟国で日本は最下位。。。m(_ _)m 日本〜!

経済協力開発機構(OECD)は2018年9月11日(パリ現地時間)、2018年版の「図表でみる教育(Education at a Glance 2018)」を公開した。国内総生産(GDP)のうち小学校から大学までの教育機関に対する公的支出の割合は、日本が最下位だった。
(出典下記リンク)


日本は教育の価値を軽視しています。国として軽視し続けていられるのは、他でもない私たち、一人一人の国民が軽視しているからですよね。変えねばなりません。

中国では「家を売って子どもの教育費にする」ということが本当にあるそうです。一家の財産を投げ打って、子どもを海外留学させたり。つまり、学歴と教育効果で、収入が一気に変わるという「事実」を、もっとリアルに感じているわけです。だから、子どもたちは必死に勉強するんですね。

ヨーロッパでもアメリカでも、大成功した方は教育に投資や寄付をたくさんします。それが国を強くして、人々を幸せにすると知っているからです。教育に寄付するのは名誉なことです。だから素晴らしい教育環境が整っている学校がたくさんあります。

日本でも、もちろん素晴らしい教育をしている先生はたくさんいらっしゃいます。でも、それは個人の情熱にかかっていることはとても多い。一般的に、「今年の担任の先生は素晴らしい」という幸運はあっても、「日本の学校教育は素晴らしい」という印象を持つ人は少ないのではないでしょうか。

私は全国で講演会などをしていて、多数の方とお話する機会に恵まれているので、よく「日本の子ども英語教育、現状が良いと思っている方はいらっしゃいますか?」と聞いてみます。結果、なんと、今のところ、ただの1人も、現状が良いという方にお会いしたことがないのです。

教育の軽視は、子どもにまでしっかり及んでいます。日本では、お金のかかる高校、大学まで行って、学校をサボって遊んでしまう学生が絶えません。親も、何のために教育しているのか、正直なところ分かっていなかったり、学校の教育内容で明らかにおかしな点が長年改善されずにいたりと、課題は山積みです。教育の軽視は、大人から子どもまで、広く行き渡っているのです。


教育に賭けた国もある

シンガポールは、言語教育を専門とする者としては、とても興味深い国です。初等教育から英語と母語によるバイリンガル教育を行う言語教育の先進国であり、起業家精神によって国を活性化するなど、大胆な国政によって世界の注目を集めています。


シンガポールは、国の面積が東京23区ほどしかなく、石油や水などの国の資源も乏しい国です。そこに、中国語、マレー語、タミール語などを話す人々が暮らしていて、誰もが英語を第一もしくは第二言語として話します。

マレーシアから独立した1965年、教育水準も低く、大学に進学できる人はほとんどいなかったそうです。ないものだらけの小さな国で、国民の教育に国をあげて力を入れ、高度な教育によってエリートを大量に輩出し、企業家精神を徹底して教え、また推奨するシステムを実行しました。その結果として、世界の富裕層が集まり、ビジネスの最先端が集結する国として世界から注目を集める、今のシンガポールが出来上がりました。かなりザックリと、また今回の記事の趣旨が伝わりやすく書くと、こんな感じです。

もちろん、シンガポールの成長の陰には他にも多くの歴史と理由がありますが、教育と起業への注力がその大きな柱となったということは間違いありません。

つまり、教育にはそれだけの力があるということです。国を活性化し、世界的に活躍する可能性を教育に賭け、そして成功した国があるのです。


教育の価値を見直そう。高めよう!

日本はとても恵まれています。与えられたものをもらい、言われたことをして、親や先生の出したテストを解いていれば、食べ物に困らず、住むところに困らず、就職に困りません。

でも、それは「良い教育」とは言えません。

教育は、人の人格を形成し、知恵を養い、より良い社会を創造するために行われる活動のことです。

誰もが個性を認められる社会

英語が話せるのが当然の社会

自由な発想、若者の挑戦が認められる社会

など、もっともっと、より良い社会を創る力があります。「価値観」そのものを教えられるので、今の世代では困難な改革も、教育を通すことで次世代にはより良い社会を引き継ぐ事も期待出来ます。

社会創造の力を、未来を見据えて、人の個々の可能性に賭けるのが、教育重視の考え方です。この視点は、社会を大きく俯瞰する目であり、世の中をより良くする他者への貢献の目であり、未来を意識する希望の目です。

見識が広く、深い人は、何の話でも、最後に教育の話に落としこまれることが多いのも、面白い事実です。才能があって大活躍してから、それを教育に落とし込む方向に尽力されるのは、次世代を良くする視点を常に意識されているということなのでしょう。

教育を意識しているかどうかは、社会と未来を見据えて、自分の経験を次に繋げるという、素晴らしい見識をお持ちの方と判断できるひとつのポイントと言えるかも知れません。


常に広い視点を。未来を意識しよう。

日本のあらゆる問題について、改善点が見つかった時は、ぜひこれからは、「未来のために、どんな教育として落とし込むことが必要か?」という視点を持って考えてみて下さい。そしてそんな目線で、国の政策、教育予算にも、改めて注目して行きましょう。

教育が活性化されれば、日本は今の子どもたちにとってはもちろん、今を生きる大人たちにとっても、もっともっと面白い国になることは間違いありません!


参考文献の紹介

こちらがOECD(経済開発協力機構)の元データ。ネットで公開してくれています。

ちょっと前にもこんな記事。日本〜、、、!

シンガポールの歴史と制度について

個人的には今まで手にした本の中ではこれが好き。これが政府のお偉いさんの書いた本で、しかもベストセラーになったって、シンガポール、やるな!みたいな感じで読む。小さな会社の社長さんとしても、先生としても、色々「なるほど〜」って思いました。

あと、「シンガポール建国の父」と言われる李光耀(リー・クワンユー)の文献

パパッと読みやすくてすぐになるほどと思うアイデアがほしい的な場合はこちら。

こちらは日本の侵略のあたりから入るので、日本人には読みにくいところもありますが、ガッツリ勉強するなら外せない。


著者紹介

 

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