韓国人向けの海外就職メンタリングサービス「mentree」をリリース。いつか日本語で苦労するかもしれない息子のために、まずは自分が韓国語で苦労してみた。
本業とは別のお話なのですが、mentreeという韓国人向けの海外就職メンタリングサービスをリリースしました。
初めて、韓国語でサービス開発に携わりました。ゼロから新規でサービスを立ち上げた経験も初です。
(すでにあったサービスの、ベトナムやインドなど他国への横展開はやりました)
韓国国内でプレスリリースも出して、記事化されつつあります。
mentreeの運営元であるRadarLabのCEOへの取材記事も。
mentreeは、海外就職や海外でのキャリア構築に対する悩みを持った「メンティ」と、すでに海外で活躍している「メンター」を繋げるサービスです。
海外就職の経験がある方なら誰しもが似たような経験があると思うのですが、「会社探しってどうやって?」「給料ってどれくらい?」「面接のTIPS」「履歴書、職務経歴書の書き方」というアプライ前の悩み、オファーもらったあとの「どこに住めばいいの?」「家の借り方は」という様々な悩みがあるじゃないですか。
それを、「実際に現地で働いている先輩が」「人材エージェントなどのしがらみはなく」「正直に」相談に乗ってくれます。
メンターの皆さんは、メントリーからお声がけした、身元がわかっているちゃんとした人たちばかりです。顔写真、プロフィールを公開し、メンターとして協力してくださっています。
もしこれを読んでいる韓国人の方がいらっしゃったら…ぜひ登録してみてくださいね。
サービス開発の現場から離れて久しい、しかも韓国語がネイティブでない私にこういうチャレンジの機会をいただけたこと、
韓国の就職事情に疎い私にいろいろアドバイスをくれたこと、
RadarLabのナリさんとれもんさん、mentreeのチームメンバーには本当に感謝しています😊
さて、「このお仕事をがんばってみよう」と思った理由はいくつかあるのですが(海外就職って文脈で自分も経験者だからお役たてたり共感できる部分もあるし、ペインもわかるし)、その中で今回特筆したいのはこちら。
「息子がいずれ自分の国籍の言語で苦労するだろうから、まずは自分がそれを体験してみよう」という思い
です。
このプロジェクトの話をもらったとき、
「いや、ちょ、わ、私が韓国語で仕事ができるの???」
という不安がありました。
自分でわかるんです。言葉の限界が。
朝鮮学校で、在日〜〜〜な感じの中途半端な朝鮮語を12年間も習ったので、韓国語のリスニングはそれなりにこなせるし文字は読めます。が、ある程度わかるがゆえに、「限界が見える」というか。言葉のイントネーションも全然違うし、最近の言葉はわからないし、タイピングの速度はものすごく遅いし、会議中に込み入った仕様の話なんかい出したら、韓国語でなんて全然説明できません。
これが、英語だったら「まぁね、外国語だしね」と堂々と言い訳もできるんですよ。だって外国だもん。
でも、曲がりなりにも私のパスポートは韓国なんです。
その韓国国籍も24歳の時に取得したもので、そもそも私は「戦前に日本に渡ってきて戦後にうっかり国籍がない状態になってしまった半島出身者」の子孫、子どもの頃は「北朝鮮マンセーな学校に通って北を純粋に信じていた」というちょっと痛い育ち方をしたので、「韓国人」というアイデンティティは薄いんですよね…
(「在日コリアン」というプライドはある。ものすごくある)
(だからといって、決して日本人ではないんです。違うんです〜〜)
なので、韓国語がネックでロクなパフォーマンスが出せないのはちょっとなぁ〜〜〜〜〜英語なら仕事できるのにな〜〜〜〜〜でも在日ってのを言い訳にしたくないしな〜〜〜〜〜という不安が多いにありました。
とはいえ、日本を出て9年。
「海外では、私はただの韓国人(そもそも在日コリアンという出自自体なかなか理解してもらえない)」というのもものすごく痛感しました。
海外で(日系以外で)就職活動をするとしたら、「韓国人」として土俵に立つんです。
「韓国人である私とは」というのをものすごく考えるようになりました。
そして、メントリーのメンバーは
・全員が、日本在住・就業経験があって、日本語がわかる
と聞いて、「それならイケるかもしれない」と思い、引き受させていただきました。
あとはアレですよ。モトヤフの方ならおわかりですよね。
「迷ったらワイルド」的な精神です。
で、実際やってみて思ったのは、
今の所、韓国語と英語だったら、仕事は英語の方が楽
どれだけがんばっても、この先韓国語でシズル感ある文章は書けないと悟った
でも、やってくうちに「今の英語でのパフォーマンスと同等のものは韓国語でも出せるようになるだろうな」という手応えを感じた
日本語英語以外で仕事の実績が作れてよかった
子どもの頃は「こんな(ぴー)な言葉に12年も費やすならもっと英語を勉強したかった」って思ったりもしたけど、結果的に無駄じゃなかったというか、無駄じゃなくした
とはいえ、みんなが日本語をわかってくれるからなんとかなっている
っていうか私以外のみんなすごい、みんなホントありがとう
という感じかな。
いちおうサービスもリリースしたことなので、これで正々堂々と、
「マルチリンガルで、仕事も多言語でこなしてます」って言えるかな〜てへぺろ。
(韓国語も英語も決してネイティブレベルではない、というのは強調しておく)
ローンチ記念を兼ねて日本にいるチームメンバーとメンターさんとで交流会をやりまして、私はマレーシアからリモートでスピーチをさせていただきました。韓国語でスピーチなんて!!!朝鮮学校の「ウリナラマンセー」とは別ですよ?리춘희みたいな喋り方になっちゃったらどうしよう。
話を戻すと、そんな意味不明なプレッシャーを感じつつ、しかもリモートなのでかなり緊張しましたが、なんとかなったというか、例の鉄板ネタ(※)でなんとか笑いも取れました。
と、話は長くなりましたが、自分の国籍の言語であれこれやってみて、失敗もたくさんして、第一言語ほどはパフォーマンス出せてないけど「なんとかそれをカバーする力」も身についてる気がするので、この先もし息子が日本語で苦労することがあったら、私の背中を見てがんばってほしい思いと、息子が悩んだときに寄り添いやすくなるかな…という思いが半々です。
サポートいただけたらスタバのコーヒーにしてありがたく頂戴します\(^o^)/ ありがとうございます!