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ゆっくり株式会社を設立しました!

こんにちは!杉原悠介です!
発信というのはどうも苦手で、SNSなどは専ら見る専用だったのですが、タイトルの通り会社を設立したので、これをきっかけに意を決して筆をとってみます。なぜ会社をつくったのか、何をしていくのか、その背景にある僕(と奥さん)の想いをまとめてみました。最後まで読んでいただけると嬉しいです!

最近のSNSはお野菜お裾分け募集アカウントと化していた

会社をつくりました!

2024年3月1日、七十二候は「草木萌動(そうもくめばえいずる)」という春の訪れを告げる日に会社を設立しました。ゆっくり株式会社といいます。いい名前ですよね。奥さんがつけてくれました。すごく気に入っています。

ざっくり自己紹介

改めて簡単に自己紹介を。
出身は愛知県の八開村(今は合併して愛西市)というところです。濃尾平野のど真ん中で、一面田んぼと畑の中で育ちました。高校までは野球しかやってなくて、大学進学で大阪に出てきました。京都に住んでいた時期もありますが、ずっと大阪に住んでます。
ここ数年の趣味は山登りです。奥さんが教えてくれました。あと映画が好きで年間100本くらい観ます。最近あまりできていないですがDIYも好きです。


なぜ起業したのか

ここからが本題です。

起業のはじまりは奥さんの一言

僕が新卒で入社した会社は組織人事コンサルティングの会社。新卒採用担当をしてました。そこから教育系スタートアップ、HRシステムベンダーを経て独立に至ります。正直、自分が独立するとは思っていませんでした。 きっかけは「自分たちで放デイをやってみたい」という奥さんの一言です。なぜか直感で「なんだか良さそうな気がする」と感じたのをすごく覚えています。この一言をきっかけに放デイという世界にのめり込んでいきます。

放課後等デイサービスとは

放課後等デイサービスは、2012年の改正児童福祉法によって児童発達支援とともに位置付けられた福祉サービスです。児童発達支援は未就学児を対象としているのに対して、放課後等デイサービスは6歳から18歳までの就学児を対象としています。

LITALICO発達ナビhttps://h-navi-biz.jp/management/6010

学校や幼稚園等が終わったあとに利用されるので、イメージとしてはいわゆる学童と呼ばれる放課後に子ども達が行く場所に近いです。 ここでは子ども達の発達を支援するための療育というアプローチがされています。
大阪の放デイで奥さんがもともと働いており、独立したいと話してくれました。奥さんは大学卒業後中学校の先生をしていましたが、JICA協力隊を利用してアフリカのガボンという国の児童擁護施設で働いており、帰国してから放デイの職員をしています。詳しい話はいつか奥さんからしてもらいましょう。

放デイのこと調べてみた

奥さんの一言をきかっけに放デイのことを調べてみるといろんなことがわかってきました。一番重要だと思ったのは放デイはものすごく社会に必要とされる役割を担っているということです。
放デイに通う子は発達障害(ADHDや自閉スペクトラム、アスペルガー症候群などの特性)を持っていて、このような子たちは往々にして学校では問題児として認識されます。大人は本当は怒りたくないのに怒ってしまったり、強い言葉で従わせようとしたり、力づくで押し込めたりしがちです。余裕があればじっくり向き合えるかもしれませんが、毎日となると並大抵のことではありません。発達障害の子たちには所謂標準的なアプローチだけでは不十分な場合が多く、その子の特性に合わせたアプローチが必要です。文字で言うほど簡単なことではありません。だから放デイが必要なのです。
専門スタッフが一人ひとりの特性を見極め、発達支援をする。学校では個別最適なアプローチで辛抱強く寄り添うことは現実的に難しいですし、ご家庭でのみ実践しようとすると保護者さんが疲弊し親子関係の悪化につながる場合もあります。家庭や学校と連携しながら一人ひとりの発達支援をしていくのが、放デイです。純粋に子どもたちの発達を支援するだけでなく、子育ての支援を通じて家族のサポートもする、地域連携に寄与することもできます。社会において非常に重要な役割を担っていると同時に、大きな可能性を感じました。

放デイめっちゃすごい!けど…

僕はこの放デイの持つ役割に衝撃を受けました。まさに間に落ちてしまいそうな社会課題を解決しうる、実に優れた仕組みのように思えたのです。日本にはこんなものがあるのだと、嬉しさに近い感情もありました。そんなところで働いている奥さんを誇らしく思いながらもう少し調べてみると、どうやら喜ばしいことばかりではないということもわかってきました。

放デイは児童福祉法に基づく福祉サービスで、平成24年にスタートしました。厚生労働省の発表によると、平成24年には3,000弱だった事業所の数は増え続けて令和3年には約18,000にも及んでいます。事業所が急激に増えたのです。事業所数の増加に伴って、提供されるサービスの質の低下が問題視されるようになりました。放デイの本来の役割は前述の通りですが、具体的な提供内容に細かいルールがあるわけではなく、事業所に任されています。ただ預かっているだけ、HPに記載されてることと実際の内容が違う、子どもたちの特性をしっかり把握できていない、学校など地域社会と連携できていない、などその役割から乖離した実態の事業所も多く存在します。いろんな事情(細かいルールがなかったり、”預かるだけ"で親御さんの一定のニーズは満たせていたり)があるので、この現状は一概に悪いわけではないと言うことは強調したいですが、放デイが本来果たすべき社会的役割は果たせていない現状はとてもショックでした。何とかしないといけない、そう思うようになりました。

2023年から有機農法を学んでました

話は変わりますが、2023年から1年間奥さんと一緒に有機農法を学びました。座学で土壌や微生物、作物の中で起きていることや循環の仕組みなどを学びつつ実際に20品目ほど育てて収穫し、理論と実践を通して体系的に学べる週末農学校です。スモールファーマーズカレッジというところです。ここです。気になる方はぜひ。

お裾分けしまくった夏野菜たち

農業を学びたいと思ったきっかけは、前職にあります。ITの会社です。ゴリゴリのシステムを扱う会社で、開発された製品はロジック(プログラム)で動きます。この世界観が自分にはしっくりきませんでした。画面上では実際に動作するものの、何だか自分の遠いところの話のような気がして、僕にはしっくりこなかったんです(製品はめちゃくちゃ優れているし、会社としても素晴らしい)。もともとベランダ菜園はしてたのですが全然うまくいかないので、ちゃんと学んでみたい!ということで勉強してみることにしました。
結果、めちゃくちゃのめり込みました。土壌医検定3級も取得しました。
学び始めの頃から、いつか農業を仕事にしたいな、と何となくは思っていたのですが、作物の成長とともに次第にこの思いも大きくなっていきました。

農業をどう仕事にするのか

一般的に農業の価値は、生産することにあると思われていますが、僕は農業という体験にも同等の価値があると思っています
どのタイミングで何をやるのか、なぜやるのかの判断は知識と経験が必要ですが、農作業自体は誰でもできます。動作自体がシンプルだからです。誰でも参加できる割に、その作業を入り口にいろんな世界を垣間見ることができます。作物の成長の仕組み、微生物の働き、天候が与える影響、肥料の役割、土壌の構造etc.挙げたらキリがありません。この広さと深さにこそ、体験としての農業の価値があります。なので、単に農家として農業を仕事にするのではなく教育資源として活用できないかなと模索していました。

そんなタイミングと、奥さんが「自分たちで放デイをやってみたい」と話してくれたタイミングが重なりました。

農業を通じた療育を届ける放デイをつくる!

いくつかのピースがはまったような感覚でした。
放デイはおそらく今後参入規制が厳しくなっていくし(京都市は新規事業所の開設を既に規制している)、質の面でのテコ入れなどの行政の介入も想定される。けれど、今目の前に放デイが本来の役割を果たせず、もっと発揮できるはずのポテンシャルが眠ったままの状態がすでにある。放デイという枠組みの中で、農業という手段で質の高い療育届けることができたら、子どもたちにとっても保護者さんにとっても地域にとってもめちゃくちゃ価値があるはず。やるしかない。放デイと農業を掛け合わせるんだ。
こうして、自分たちで放デイを立ち上げることを決心し会社を設立しました。

児童発達支援・放課後等デイサービスたねまき

事業所の名前は「たねまき」です。
子どもたちの発達支援は、家庭を中心として学校、医療機関、地域社会、福祉事業所がそれぞれの役割を果たしながら連携していくことが重要です。このネットワークにおいて僕たち福祉事業所が持つ役割は種を蒔くことだと考えています。さまざまな療育を提供していきますが、その目的は子どもたち一人ひとりが将来社会の中で豊かに生きていくことです。その子の得意なことがどこにあるのかはやってみないとわからない。いろんな種を蒔くことで少しずつ個性が花開いていくのだと思っています。「たねまき」にはそんな願いと、僕たちの強い意志が込められています。

ロゴもできました!!
SFCで繋がった今井さんにご依頼しました!
1文字ずつ個性があって凸凹な感じ、最高です。

※追記
事業所の紹介は以下の記事をご参照ください!

さいごに…

ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。
まだまだ伝えたいことはありますが、今回はここまでとします。

2024年3月に会社を設立し、12月に開設予定です。場所は大阪市。住んでいる街でもあり、非常に思い入れの深い十三でやりたいなと思っています。

とにかく、子どもたちとそのご家族と地域にとって最高の環境をつくりたいと思っています。応援してくださるとすごく嬉しいです!よろしくお願いします!!

白谷雲水峡の苔むす森にて 左が奥さんです


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