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やなぎだ けいこの店 #05「 絵本・の 」

★「やなぎだ けいこの店」では、日々、我が家で選び楽しんでいる絵本や私が読んだ本・最近おもしろいと思ったもの・こと・美味しいもの・やなぎだけいこレシピ、暮らしの中の発見・・・などなど、をマガジンにまとめ、紹介していけたらと思っています。★

今日のご紹介は・・・

「の」

画家・junaida(ジュナイダ)さんの絵本です。

クリスマス前のある日。子どもたちと訪れた本屋さんで、子どもたちも私も一目惚れした、この絵本。真っ白な表紙に描かれた女の子の横顔。そして、少し開いた口元から発せられている「の」。

「の」/junaida

「の」ってなんだろう。

この絵本に登場する「の」の回数の多いこと!子どもたちはその音を味わい、楽しみ、くりかえし、口に出したくなるようです。

本屋さんで一度読んだ後、長男が絵本のことばをほとんど覚えていて、家で歌うように暗唱していました。〈ことば〉と〈絵〉が「の」ということばによって、強く印象付けられたようです。まさに、絵本。

格助詞の【 体言+「の」+体言の形で、上の体言と下の体言とをいろいろな意味関係で結びつけるのに使う 】という役割を最大限に引き出している!と、読めば読むほど、うわぁ~すごい。とため息と共にうっとりします。

ことばの音の面白さ、そして絵の繊細さ。

細かく描かれた水彩画は、色合いも美しく、ページをめくって読み、また戻り、ことばを読み上げ、絵と見くらべ、また進み、また戻って観たくなる。

子どもたちと「の」を読む時、時間はゆっくりと流れていきます。

そして、この絵本、表紙が白いです。小さなお子さんがいたら、汚れるかも、と心配する方もあるかもしれません。でも、ブックシートを張ったり、カバーをかけないことをオススメしたいのです。

直接、触れる。それも絵本の楽しみの一つだと思うのです。美しい表紙なら、なおさら触れたくなるのではないでしょうか。

我が家の3歳の末娘も、この絵本が大好き。「これは、どんな風に描かれているのだろう?」と手でそっと撫でたり、眺めたり。汚れてしまうこともあるかもしれないけれど、それだけ、身近に感じて手に取ったということだと思います。

この絵本の中で私が最も素敵だと思っているのが、実は、「裏表紙」です。

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本の中には、発行年月日・出版社などは印刷されておらず、裏表紙にあります。この印字、「絵本の世界の中に組み込まれても、違和感がないこと」「絵本の世界を決して壊さないこと」を想定した配置だと思います。(ちなみに、バーコードもきれいに剥がすことができるシールでした。)すべてが「の」という絵本の世界の中の一部、と多くの方が考えて創られた本だと感じられます。

そんなところにも、うっとりする絵本です。

そして、表紙の女の子が来ている赤いコートがなんとも素敵。実在していたら、〈やなぎだ けいこの店〉で取り扱い決定です。

みなさんの暮らしの色が増えますように。 店主・やなぎだ けいこ

学校に行かない選択をしたこどもたちのさらなる選択肢のため&サポートしてくれた方も私たちも、めぐりめぐって、お互いが幸せになる遣い方したいと思います!