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2020.2.4(火) 観劇記録 「エブリ・ブリリアント・シング」

今年最初の観劇は「エブリ・ブリリアント・シング」

この舞台のことはぜんぜん知らなかったんだけど、友達がTwitterで行きたいとつぶやいていて、へぇ……面白そうと思って「いいね」したら、その友達からお誘いいただきました。
最近、平日の仕事終わりは意外と時間がある、というか、残業するかしないかは自分で決めるので、時間は作れるのですよね。
他の人が帰らないからとか、そういう忖度とは無縁だから。

そんなわけで、平日でしたけど行ってきました。

主演は佐藤隆太さんで、出演する俳優は一人だけ。
舞台上にいる俳優さんは一人だけなので、一人芝居なのかというと、そういうことでもない。
というのは、舞台の周りを取り囲むように座っている観客も参加する「イマーシブ・シアター(没入型演劇)」という種類の形式だから。

観客も参加? って思いますでしょ?
僕もそういう形式の舞台を見たことがなかったので、どうやるんだろうと思ったし、観客が参加することでどういう展開になるのかという好奇心が大きかったんですよね。
僕も一緒に行った友達も演劇を習っているけど、他のお客さんはほぼ演劇経験なんかない人たちなわけだし、いきなり参加することになる無経験のお客さんに舞台上の俳優である佐藤隆太さんは一人で対応しないといけないのだから。
これはきっと大変だぞ、と思っちゃうわけです。
なまじ、演劇をかじってるだけに。

開場は開演の30分前。
入ってみると、主演の佐藤隆太さんはすでに舞台上、ではなくて観客席にいました。
何をしてるのかというと、参加希望のお客さんにカードを配っているのですね。
僕はもらえなかったけど、友達二人はもらってました。
カードには番号と短い単語や言葉が書いてあるんですが、それを佐藤隆太さんが直接手渡ししてくれて、この番号は後半で呼ばれますとか、注意事項を説明してくれるんですね。
遠くの舞台上やテレビでしか見たことがない人気俳優さんと、こんなに間近で話せるなんて、ファンの人にはたまらないだろうし、上演前からちょっとテンションあがっちゃいますよね。

「エブリ・ブリリアント・シング」
英語で書けば「Every brilliant thing」なわけだけど、意味は「ありとあらゆるステキなこと」
主人公はあることをきっかけに、自分がステキだと感じるモノ、コトをリストに書き始めます。
配られたカードは、そのステキなことリストだったんです。

佐藤隆太さんがその番号を呼ぶと、その番号を持った人がそこに書かれた「ステキなこと」を読み上げる。
これは誰でも好きだよねと思うことから、クスッと笑えることや、ああ確かにと思うことまでいろいろあって、それを読み上げること自体が「ステキな体験」だなと思いました。

カードを読み上げるだけじゃなくて、物語の登場人物役を頼まれる人もいて、主人公の恋人役とか、父親役とか、頼まれた人は舞台上に出てきて、即興で会話をしたり、スピーチをしたりしていました。
読み上げるカードや決まったセリフがあるわけじゃないから、指名された人は大変です。
緊張するだろうしね。
期待される答えや行動は一応あるはずなんだけど、その通りにいかないこともあるだろうし、間違えたり、悩んだり、噛んだり、シリアスな場面で笑いが起こったりするし、それに臨機応変に対応する佐藤隆太さんがすごいのはもちろん、それでも大丈夫なんだ、何をやっても正解なんだという雰囲気になってることもすごいなと思いましたね。

物語の内容自体は、自殺や鬱などの重いテーマを取り上げていて、単純に面白くて優しい話ではなかったんだけど、最後には前向きで温かい気持ちになれるステキな舞台でした。
観にいけて良かったな。

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