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「脳力格差」東大卒でも不幸になる理由

こんにちは、トキワです(@etokiwa999)。

社会の大きな問題として「格差の広がり」を挙げる人は多いでしょう。つまり「平等ではない」ことが問題のようです。

格差が広がることで経済成長がしづらいOECDのデータもあれば(こちら)、格差が広がることで人々の不安感情が高まるデータもあります(以下参照)。不安で成長できなければ富裕層も儲からないかもですね。

一方、平等にすることも難しいんです。平等の概念で特に有名なのは以下の2つです。

機会の平等:人生のスタートラインを揃える(例、教育費免除)。
結果の平等:何か失敗したときに支援する内容を揃える(例、失業保険)。もしくは個々の違う成果から再分配して同じ成果にする(例、累進課税)。

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どちらの平等を成り立たせるにも税金が必要になり、税を納める側にもそれなりの納得感が必要なわけです。例えば「支援するからちゃんと頑張れよ」と。

良い教育を施しても頑張って勉強しない、失業保険や生活保護を与えても一向に生活が改善しない。頑張らずに再分配されるなんて、こんな楽な生活はありません。この結果で生まれる格差は仕方ない、価値観の多様さだと受け入れられると思います。

下の表で言えばこのタイプは4番の怠け者になります。機会と結果の平等の環境が整った社会を前提に、この表を見ると色んなことが分かってきます。

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1番の努力家は頑張り方を知ってるので、中長期的に成果が出続けるでしょう。2番のラッキー者は頑張り方を知らないので、短期的には良い生活でしょうけど、そのうち「ホコリ」が出てきて4番に行くかもしれません。

(頑張り方を教えてあげたのに努力家が社会に貢献せず傲慢でいることが最近海外で「メリトクラシー」という用語で話題です。こちら参照。)

ここで一番支援が必要なのは3番の頑張っても成果が出ない人たちです。頑張り度合いは努力家と同じぐらいです。例えば勉強・仕事を1日12時間、努力家と同じようにしてたとします。それでもやり方が分からず努力家と同じ成果が出ません。

いわゆる教育格差所得格差です(他にもたくさん格差の種類はあります、こちら)。特に低学歴が貧困を再生産させることは界隈では有名です。その結果なんと子どもの数は減ってるのに一人当たりの教育費が増えているのです。

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勉強においては教育費(お金)の問題であれば無償or/and借金の奨学金を与えれば解決するかもしれませんし、仕事においては職業訓練や資産運用講座などを与えれば解決するかもしれません。

けどそれでも上手くいかない人たちが一定数います。逆に言えば学歴がなくても成果を出す人たちもいますし、一方で東大卒でも人生上手くいってない人たちがいます(以下参照)。

ではここで裏側で生まれている本当の格差は何でしょうか?それが今回のテーマである「脳力格差」です。

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「脳力」とは読んで字のごとく「脳」のことです。脳にも色んな部位と役割があります。

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出典:あたまナビ

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学歴の良さと、所得の高さと、「頭(脳)」の良さが関係しやすいのは、

・数学の能力(脳力)が遺伝しやすい(参照
・数学ができる人のほうが年収が高くなりやすい(参照
・数学ができる&年収の高い親の子どもは、教育費に投資でき高学歴になりやすく、その後年収も上がりやすい

もちろん「計算のお遊び」ができればいいわけではありません。ただし、数学とは論理学と集合論であり、物事を筋道立てて考えることも得意になりやすいのです。いわゆるロジカルシンキングです

例えば将来こういうリスクがある、だから今こういう手段を鍛えて将来に備える、という考え方ができます。また自分の行動による周囲への影響も考えられるでしょう。

これらの思考力は上の脳の画像でいうと前頭葉(前頭前野)が発達しているかどうかがカギになります。

頭が良すぎてコミュニケーションがうまくいかないこともあるでしょうが、そこから学んで改善し続ける脳力(能力)があればいいわけです。

こういった脳力がなければ、どんなに教育費を投資して高学歴になったとしても、それは受験をこなせるだけの表面的なものです。

考えたり学んだりする「技術」だけではなく、精神力や幸福感も脳力に依存します。

まず精神力は神経伝達物質の処理能力の発達度合いが関係します。神経伝達物質とは快楽のドーパミン、安心感のセロトニン、幸福感のオキシトシン、ストレスのコルチゾールです。

これらの処理能力がうまくいかないとすぐにイライラしてしまったり(参照)、うつ病になりやすくなってしまったりします(参照)。

幸福感もオキシトシンが影響し、さらに人間関係や自然とのふれあいなどの習慣によってその分泌量が変わってきます(以下参照)。

かといってもちろん「脳トレ」をすればいいわけではありません。脳の血流が増えたからといって脳がすぐに発達し、日々の習慣が変わるわけではないからです

脳力の高さは習慣に依存すると言えます。さてその習慣はいつから整えられているのでしょう?それは家庭のおかげかもしれませんし、政治のおかげかもしれません。その環境に生まれることができたという意味で運がいいのでしょう

ただ運がいいだけでは終わらせないのが平等政策です。脳力を基準に考えると義務教育や職業訓練よりも、脳力向上・改善のための習慣作りのほうが重要ではないでしょうか?子どもに対しては義務、大人に対しては自由参加でいいでしょう。

(逆境に生まれた人は私の運の上げ方のnoteを参照してください)

また、脳力の低い人は絶望するかもしれません。ただ脳には「可塑性」があるといわれています。上記「脳磨き」でも書かれていますが、脳は習慣によって少しずつ変化します。どこまで変化できるのか(例えば天才の脳と同じぐらいに変化すること)は未知数ですが。

一方で、企業の採用側も、学歴に相関するからといって学歴=高い地頭と判断することにもそのうち限界が出るかもしれません。

学歴が高いのはたまたま親にお金ができて、たまたま塾に行って受験に受かっただけかもしれません。「教育熱心」な親はマルトリートメントに該当して子どもの脳を傷つけているかもしれません参照)。そういう意味で学歴ではなく脳力を評価できるようになるといいなと思います。

高所得な企業が学歴を評価するから、大学側はランキングを作り、人々は学歴を手に入れるために高い借金をしたりするわけです。その結果、バーニー・サンダースを支持するジェネレーションレフトが生まれます。

私は彼らを脳力のない人たちなんだと見ています。なぜなら本当に必要なのは学歴ではなく脳力だと気づけず、気づけないことで学費の借金をしています。これが本当の脳力格差です。

すぐ目の前にある「学歴」という餌につられる豚にならないように、本質を考えていきましょう。

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